課題研究発表
国語科教育研究の存立基盤
〈環境〉としてのテクノロジー
2025.11.23(日曜)9:30-12:00
14号館2階201教室
コーディネーター 砂川 誠司 氏(愛知教育大学)
登壇者 笠原 諭 氏(西武学園文理中学・高等学校)
登壇者 川添 愛 氏(言語学者・作家)
登壇者 豊福 晋平 氏(国際大学GLOCOM)
課題研究発表の企画趣旨
現代は予測困難な時代であり、Society5.0の提唱や教育におけるDX教育などの推進などに代表されるように、社会や教育そのものの在り方自体が問い直されている。このような社会の中では急激な速度で状況が変化し、新しい教育内容や課題に向き合うことに常に迫られており、国語科教育/国語科教育研究もその揺らぎや変化のスピードを無視することはできない。
このような現状を踏まえ、3大会を通じて、「〈環境〉としてのテクノロジー」「〈枠組み〉としての教科」「〈立脚点〉としての学会」をサブテーマの柱に据えることで、多面的に大テーマについて追究することを目指す。
第1回となる「〈環境〉としてのテクノロジー」では、近年の科学技術の進歩により大きく状況が変化した学びの〈環境〉に焦点を当てる。ここでの〈環境〉は、ICT をはじめとした学習の道具という意味あいに留まらず、生成 AI や多様化するメディアなど、学習者を取り巻く広義の〈環境〉を指している。つまり、ICT の発達による指導法や学習といったいわゆる方法論のみならず、国語科における「ことばの学び」について本質的に問い直すことを目的として本テーマを設定した。
特に、本課題研究では生成AIと言葉の学びに焦点をあてることとする。例えば国語科教育と生成 AI との関係については、特に「書くこと」領域において実践研究が進められている現状が確認できる。そこでは、教室という場において「何を」「どのように」書かせるのか、またどのような書き手を育てるのかといった目標自体の更新も迫られている。生成AIを用いる際のリテラシーやデジタルシティズンシップはもちろんのこと、言葉の創造性や〈作者〉といった問題に関して、様々な観点からの議論が必要であろう。
これらのことを踏まえ、言語学、教育情報化、国語教育実践といった様々な分野の研究者を招き、国語科教育とテクノロジーの関係について追究する。