課題研究発表
国語科教育研究に求められる新たな「知」
②芸術系教科と国語科の対話
2024.10.27(Sun)/09:30-12:00
国語科教育研究に求められる新たな「知」
②芸術系教科と国語科の対話
2024.10.27(Sun)/09:30-12:00
テーマ (文責:研究部門委員 武田裕司)
国語科ではこれまで、詩や小説、書道をはじめとして、芸術的側面を有する言語文化を対象とした実践がなされてきた。しかしながら、国語科教育においてそれらの言語文化の芸術的側面をどのように取り扱うかについては、(そもそもそれらを「芸術」としてみなすのかという根源的な水準から)様々な議論がなされてきたことも事実である。つまり、言語文化の芸術的側面をそもそも国語科で指導することが可能であるのか、また芸術を言語で語ることができるのかといった問題が常に問われてきたといえるだろう。
一方で、近年における教科横断的な視点で学校教育を議論するという思潮のなかでは、国語科は「芸術」という切り口で、芸術系教科との接点を探る対象となってきた。現代的な視点において、国語科における芸術的側面に目を向けた際、どのような可能性が拓かれるのであろうか。この問いに向き合うためには、先に確認したような本質的な議論にも立ち返ることも必要であろう。
言語活動の充実が目指される今日において、芸術系科目は言語とどのように関わることができるのだろうか。その在り方自体を問い直すことは、国語科の未来を考える上でも大変重要な視点である。
また、STEAM教育やIBなど、教科横断の枠を超えた「学校」における芸術の在り方が再検討される今日において、国語科教育/国語科教育研究の役割を逆照射することにもつながる議論である。
以上のような問題意識のもと、本課題研究では近接学問領域である美術科教育・音楽科教育の研究者を招き、芸術と言語のかかわりについて追究する。芸術と言語の関係性という本質的な問題や、学校カリキュラムにおいて「芸術」をどのように取り扱うかということを追究することにもつながる。
例えば、美術教育・音楽科教育における鑑賞指導では、芸術と言語はどのような関係にあるのだろうか。また、世界を「認識」する際に言語はどのような役割を果たせるのであろうか。そのために、国語科と芸術教科はどのように連携することができるのだろうか。
このことを追究することは、国語科教育/国語科教育研究における芸術と言語の関係性を再検討することにもつながる。
登 壇 者
コーディネーター