課題研究発表

国語教育学を見つめ直し展望する


海外のリテラシー教育と国語教育

何が児童生徒のリテラシー学習を活性化させるのか?


International Symposium on Literacy and Language Education

What stimulates students’ literacy learning?

2022.05.28/14:45-18:50

テーマ

本シンポジウムの目的は、大きく分けて、
(1)国語科教育学研究を国際的なリテラシー教育研究の文脈に位置づけること、
(2)子どものリテラシー学習を活性化する言語活動について検討すること、
以上2つある。

これまで国語科教育学研究者は、日本語で論文を書き、国内で研究成果を発信することが中心で国際的な研究交流を十分に行ってこなかった。読み書きをどう教えるかについては、各国固有の歴史があるため当然のことである。しかし、英語や日本語といった個別言語によらない、読み書きを教えることをめぐる普遍的な課題は存在するはずである。そのため、国際的な研究交流を行い、読み書きを教えることをめぐる普遍的な課題に各国の研究者・実践家がどう取り組んできたか、その知見を交流する意義は少なくない。もちろん、これまでにも国外の優れた指導法などを考察し、国語科に援用した研究は少なからずあったが、それは一方的な受容にとどまっていた傾向にある。

今後継続的に国際的な研究交流を行なっていく契機として、本シンポジウムでは「何が子どものリテラシー学習を活性化するのか」という課題を設定し、アメリカ、イギリス、日本の実践者・研究者にそれぞれ自身の実践・研究を踏まえて研究課題に対する見解を述べてもらう。その後、フロアも交えて意見を交換し、国境を超えて「何が子どものリテラシー学習を活性化するのか」という問いへの答えを探っていく。

本シンポジウムの参加者は、読むこと、書くこと、話すことの活動を関連づけることによって、生徒のリテラシー学習を活性化する方途について知見を得ることができる。各登壇者の知見を総合することで、実践家はこれらの言語活動を関連づけることで生徒のリテラシー学習を活性化するための新しい方法を作りだすことができるだろう。

登壇者

青山由紀(筑波大学附属小学校)
Timothy Shanahan〈ティモシー・シャナハン〉(イリノイ大学シカゴ校)
John Gordon〈ジョン・ゴードン〉(イーストアングリア大学)

コーディネーター

山元隆春(広島大学)