日本老年臨床心理学会第5回大会は,2022年10月15日(土)と16日(日)の2日間に渡り,筑波大学主催で開催させていただきます。未だコロナウイルスが世界に影響を与え続けているため,開催方法について非常に迷うところではありましたが,on-lineで行うことにしました。
大会テーマは大会実行委員の皆さんと話し合い,「老年臨床心理学から認知症を再考する」としました。Kitwoodが“Dementia Reconsidered”を出版してから,早四半世紀が経ちました。そろそろ我々日本の老年期の心理職が認知症をどのようにとらえ,臨床や実践に取り組んでいくべきなのか,話し合ってもよい時期だと思います。まずはきっかけ作りとして,第一日目に私が基調講演をさせていただき,同テーマに関する大会企画シンポジウムを行います。そのようなことが,これまでの理論の整理や新しい提案につながるとよいと考えています。
これ以外にもたくさんの企画を考えました。たとえば教育講演では,厚生労働省老健局よりゲストをお招きし,これからの地域包括支援や介護保険制度の方向性と心理職への期待についてお話いただきます。教育小講演では,心理検査の著者に実施や採点のポイントについて直接解説していただく機会を持ちます。今回は日本版ウエクスラー成人知能検査第4版(WAIS-IV)と改訂長谷川式簡易評価スケール(HDS-R)の著者にお話しいただきます。また,公開シンポジウムとして,高齢社会が生み出した問題と老年臨床心理学のかかわりについて,今回は8050問題に焦点を当て,心理職と他職種のパネリストをお招きし,話題提供していただきます。さらには会員の皆さんから,自主シンポジウムも公募する予定です。
コロナ下の制約の中,実行委員の皆さんは,本大会を研究や臨床について自由に話し合える場にしていくために一生懸命取り組んでくれています。皆様におかれましては,一般発表をはじめ,今からご準備いただき,可能ならば同僚やお知り合いをお誘いしご参加ください。一同,たくさんの方の参加をお待ちしております。
日本老年臨床心理学会第5回大会長
山中 克夫