分科会からのおすすめ図書

~エアロゾルを勉強したい方のために~

◆入門編

『エアロゾル用語集』

日本エアロゾル学会 編 (2004) 京都大学学術出版会, 定価3190円, Webページ

概要:きわめて複雑なエアロゾルの性状を物理化学特性、計測技術、地域環境・地球環境など

多角的に解説した入門書。教科書、研究書として常時活用できる一冊。エアロゾルの基礎から

応用にわたる全領域から重要な用語102語を選び多くの研究者が解説した。

★おすすめポイント:最近コロナ渦で聞くようになったエアロゾル。エアロゾルの基本に立ち返ると

地球環境、医療、産業界の広範囲にわたる物質であることを再確認できます。


『知っておきたいPM2.5の基礎知識』

編集企画委員会 著 (2013) 日本環境衛生センター, 定価524円,Webページ

概要:我が国の粒子状物質による環境問題の経緯からPM2.5の組成、発生機構、健康影響、行政

の取組さらに今後の課題についての基礎知識をまとめた冊子である。

★おすすめポイント:盛りだくさんの内容を90ページにまとめた一冊です。特にPM2.5の発生機構や

健康影響をコンパクトに解説しています。価格もリーズナブルです。


『みんなが知りたいPM2.5の疑問25』

畠山史郎、三浦和彦 編著 (2014) 成山堂書店 定価1760円, Webページ

概要:「PM2.5とはどんな物質ですか?」「日本の国や自治体はどのような対策を行っていますか?」

等の25の素朴な疑問に18人の専門家が一般の人にもわかりやすくQ&A形式で詳細に解説している。

★おすすめポイント:2013年の中国のPM2.5高濃度問題で生まれた誤解を取り除くための情報

提供をしてくれています。学生や行政担当者の入門書として最適です。



◆基礎編

『実用エアロゾルの計測と評価』

本間克典 編著 (1990) 技報堂出版, 定価6600円, Webページ

概要:エアロゾルの調査、研究の実務を行っているとさまざまの問題に直面する。そんな時に適切

な解答をしてくれるガイドブックである。同じエアロゾルを扱う異業種間における評価の手法や

機器の情報がまとめられている。

★おすすめポイント:エアロゾル計測の初期に、様々な問題に取り組んだ著者らの実務に基づく

知見は説得力があります。現在でもその技術は参考になることばかりです。


『大気化学入門』

ダニエル・ジェイコブ 著、近藤 豊 訳 (2002) 東京大学出版会 定価3600円, Webページ

概要:ハーバード大学の「大気化学入門」という講義と演習問題をまとめた日本語訳で、大気化学

の基礎がわかりやすく解説されている。

★おすすめポイント:大学で環境学を専門としていなかった人が、大気の基礎を学ぶのに最適です。


『エアロゾル学の基礎』

日本エアロゾル学会 編、高橋幹二 著 (2003) 森北出版, 定価4180円, Webページ

概要:大気汚染、労働衛生、地球環境問題に密接に関わるエアロゾルの「種々の環境における

性状や振る舞いを明らかにし、他の層との相互作用やその働きに着目する」学問を確立した一冊。

★おすすめポイント:エアロゾル学の基礎となる物理学、流体力学、粒子の物性、現象が数式と

図で理論的に説明されています。


『Rによるデータサイエンス(第2版)データ解析の基礎から最新手法まで』

金明 哲 著 (2017) 森北出版, 定価3960円, Webページ

概要:Rの基本操作やデータの入出力についての解説と、古典的な多変量解析法からデータ

マイニング法まで、実例を用いての解説がされている。

★おすすめポイント:一通りの統計学の知識があり、今まで市販の統計ソフトを使用していた人が、

Rを初めて使う場合にとてもわかりやすい内容です。



◆応用編

『エアロゾルの大気環境影響』

笠原三紀夫, 東野 達 編著 (2007) 京都大学学術出版会, 定価4180円, Webページ

概要:エアロゾルの大気環境への影響を定量的に評価するという課題に取り組んだ5年間の研究

成果を取りまとめた成書。東アジアにおけるエアロゾル性状の空間分布、計測法、地球温暖化や

酸性雨に関する著者らの集大成ともいうべき必読の一冊。

★おすすめポイント:航空機観測によりエアロゾルの三次元分布を初めて明らかにしたほか、

シミュレーションによるエアロゾルの大気環境へのインパクトを評価した知見は現在の研究の

先駆けとも言うべきものです。