2日目(2026年12月5日 (土))に1件 ,3日目 (2026年12月6日 (日)) に2件,合計3件のシンポジウムを予定しております。
(中京大学心理学部 共催)
企画・司会 近藤洋史(中京大学)
話題提供 柴田和久(理化学研究所)「How do we know what to learn? ― 知覚の学習と可塑性・安定性のジレンマ(仮)」
話題提供 近藤洋史(中京大学)「How do we decide what to perceive? ― 多義知覚の可変性と安定性(仮)」
企画趣旨・概要
私たちは、外界を安定したものとして経験している。しかし、その知覚は決して固定されたものではない。同一の刺激が与えられていても、見え方や聞こえ方は時間とともに移ろい、同じ刺激から異なる知覚が生じることもある。さらに、どの知覚が選択されるかは、個人の感覚特性や直前の知覚経験によっても変化する。このような知覚のゆらぎは、単なる不安定さではなく、曖昧な感覚入力に対して脳が複数の解釈を生成し、そのひとつを選択・維持する過程を映し出している。一方、知覚を支える脳そのものも、経験や学習を通じて絶えず更新されている。ときには意識的に注意を向けていない情報さえ、その後の知覚を変化させる。このような可塑性は、外界への適応を可能にするとともに、現在の知覚が過去の経験から独立していないことも示している。本シンポジウムでは、視聴覚における多義知覚と知覚交替のダイナミクス、および知覚学習と意識・注意に関する研究を手がかりに、「変わる知覚」と「変わり続ける脳」が、如何にして一貫した知覚世界を形づくるのかを考える。刺激が同じでも知覚はなぜ変わるのか。経験によって脳が変わるにもかかわらず、なぜ世界は安定して感じられるのか。瞬間的な知覚交替から、選択履歴や個人差、さらに経験による長期的な可塑性まで、異なる時間スケールをつなぎながら、私たちが「世界」を経験する仕組みを議論する。
(学術変革領域研究 (B)「自己形成学 ー視線・眼球運動から紐解く自他意識の神経科学ー 」協賛)
企画・司会 温文(立教大学)
話題提供 田中拓海(東京大学)「主体感の形成メカニズム(仮)」
話題提供 二宮太平(生理学研究所)「マカクザルを用いた社会的認知機能の神経基盤研究(仮)」
話題提供 笠原俊一(Sony CSL・沖縄科学技術大学院大学)「ヒューマン・マシン・インタラクションにおける自己認識と自他区別(仮)」
企画趣旨・概要
自己と他者をどのように区別し、またどのように関連づけて認識するのかという問題は、心理学および神経科学における中心的課題の一つである。自己認識は知覚、主体感、体性感覚、内受容感覚など多様な要素から構成される一方で、他者認識は心の理論、共感、社会的知覚といった機能と密接に関わる。近年の研究では、自己と他者の境界は固定的なものではなく、状況や文脈、さらには身体・運動情報の変化に応じて柔軟に変動することが示唆されている。また、予測処理やベイズ的統合といった枠組みは、自己と他者の区別がどのように形成・更新されるかを理解する上で有効な理論的基盤を提供している。さらに、神経科学的研究においては、内側前頭前野、島皮質、側頭頭頂接合部などが、自己・他者処理のダイナミクスに関与することが明らかになりつつある。本シンポジウムでは、これら自己認識と他者認識の過程を統合的に捉え、その基盤となる認知・神経メカニズムを多角的に検討し、行動実験、動物実験、ヒューマン・マシン・インタラクションなど異なるアプローチを用いた最新の知見を紹介し、自己認識と他者認識の相互作用、ならびにその個人差や学習について議論する。また、臨床的観点や応用的文脈(例:社会的相互作用の障害、身体拡張技術やサイバネティック・アバター)にも触れ、基礎研究と応用研究の架橋を目指す。これにより、自己と他者をめぐる認識の統合的理解を深め、今後の研究課題と展望を提示することを目的とする。
(学術変革領域研究 (A)「顔身体のデザイン:実践・実証・設計に基づく顔身体の深化と昇華」協賛)
企画・司会 高橋康介(立命館大学)・山口真美(中央大学)
話題提供 小手川 正二郎(國學院大學)「倫理学の観点から顔研究を考える(仮)」
話題提供 石原 尚(立命館大学)「構成論的観点から表情研究を考える(仮)」
話題提供 佐々木恭志郎(関西大学)「心理学・認知科学の新しい展開 (仮)」
企画趣旨・概要
顔身体デザインでは、テクノロジーの進化によるリアルな顔と身体をめぐる状況の変化も鑑み、多様な地域と様々な年齢・障害による多様な顔身体のインタラクションから、生物的な制約である顔身体という構造を超えた未来における人々のインタラクションを予期し、未来の顔身体とその社会をデザインする。本領域で提案する未来の顔身体と社会のデザインとは、現代社会の顔と身体の多様な歪み(差別、痛み等)を解消し、テクノロジーの進化によるヒトと人工物の新しい顔身体のあり方を提唱するものである。すなわち、「社会・文化を原因とする差別や痛み等負の特性を軽減する理想的な顔身体を目指す」未来の顔身体を構築すること、顔身体が抱える差別を解消する倫理と教育を展開すること、さらに芸能・芸術などの「実践」の中で顔と身体を考えることを通して、個々⼈の痛みを解消する社会の構築を目標とする。
本シンポジウムでは、顔身体デザインの試みとして、アンドロイドの表情を設計するという「構成論的観点」から表情研究を考える試論、現実の顔研究に即した実質的な新しい実践倫理学に関する試論、そして未来の顔身体デザインという視座からの基礎心理学の新しい展開を報告する。