日本心理学会第88回大会

企画シンポジウム

心理統計教育の標準カリキュラム・シラバスはいかにあるべきか(3)

統計教育の実践に際する様々な工夫と挑戦

2024.9.*****:**-**:**

本委員会は,心理統計という研究の「道具」について十全の教授を行うために研究者あるいは教育者として何を学ぶべきか,その道筋を具体的に示すことを目標として発足しました。これまでに,多くの学部で必修科目となるだろう基礎統計科目「Basic Statistics(ベシスタ)」のシラバス案と,それに基づく到達度確認テスト環境を構築し,実際にいくつかの大学で活用していただいているところです。こうした状況をふまえて,本年度は,今後の方向性に資するべく,以下の3名の方々から話題提供をいただきます。

富田瑛智氏が勤務する帝塚山大学心理学部では,公認心理師養成教育のカリキュラムの一環として心理統計の科目が開講されています。そこで,私立文系心理学部の心理統計カリキュラムをご紹介いただいた上で,2年間にわたり統計学習の補助教材として「ベシスタ問題集」の一部を利用した教員・学生の感想を教えていただきます。

山内香奈氏からは,到達度確認テスト環境について,テスト理論的な能力測定の文脈での良問と,学習の過程で使われるドリルに求められる項目特性の違いに着目し,今後の項目ストックに関して考察していただき,また,標準シラバスに対応するルーブリックと具体的な項目のセットがあれば,さまざまな現実的制約のある教育の場で使いやすいことを勤務校を例にお示しいただきます。

本田圭市郎氏からは,主に計量経済学を教える立場から,学際学部におけるデータサイエンスの取組,その中で統計・計量分析をどのように指導しているのか,学生はどのように身に着け活用しているのかについて,具体的には,教え方の工夫や授業・ゼミでの取組を,成果だけでなく抱えている課題や失敗例も交えつつご紹介いだたきます。

心理統計あるいはその教育に現に携わっていようがいまいが,ああこれは「じぶんごと」だな,と捉えてくださった方々のご参加を心よりお待ちしております.是非積極的にご意見・ご議論いただければ幸いです。

シンポジウム話題提供スライド(公開予定)

シンポジウム当日動画(後日公開予定)