連載 第1回 「今日もOSARU日和」

モップくんとザルバ様

竹下 景子

(公益財団法人日本モンキーセンター親善大使)

この記事は、日本モンキーセンター発行の雑誌「モンキー」4号2巻 (2019) 32 ‐ 33 頁に掲載した内容を転載したものです。

▲サルたちの写真に縁どられたユニークな委嘱状授与式。

2019年6月8日、2年ぶりに日本モンキーセンターを訪ねました。前の晩からドキドキが止まりません。理由は2つ。ひとつは、3月3日付けで親善大使を拝命し、この日、松沢哲郎所長とのトークショーを控えていたこと。そしてもう一つは、あの人気者モップくんに会えるかも、あゝ、彼の機嫌によっては顔を見せてくれないかも、と心が千々に乱れていたからです。

シロガオサキのモップくんのことは、つい最近まで知りませんでした。親善大使を引き受けるにあたり、何事にも用意周到なAマネージャーが、モンキーセンターの公式ホームページを開き、その流れでツイッターをフォローするうちモップくんのとりこになりました。「覆面レスラーみたいなのがいるんです」と。これを聞いてはもう黙っていられません。私も即、フォロワーになりました(因みに、これがツイッターデビューです)。

ビックリ‼黒いふさふさヘアの下にマスクみたいな白い顔。名前のまんま、です。茶色の目がもの言いたげにクルクル動きます。仕草がかわいい!メロンを両手で持って、一生懸命食べてるなぁと思ったら、いきなり落として「ア〜」って顔に。あのオジサン的風貌とのギャップがたまりません。

飼育員さんのコメントでツボにハマったのは「モップくんのアクセントはカットバンと同じです」というの。職業柄、アクセントには反応してしまうので。「モップくんより根本の方が見つけやすいです」っていうのもありましたね。モップくんと根本さんに会いたいと思いました。

ツイッターの効果は大きかったと思います。「飼育の部屋」にも訪れて、飼育員さんの愛情あふれる記事を読むうち、個性あふれるお猿1人ひとりの名前も分かってきました。名前を呼び合う(私の妄想です)ようになったら、もう友達感覚でしょう。飼育員さんは私にとってキューピッドにも等しい存在。お猿たちのこと、たくさん教えてほしいと思っています。

話をもとに戻して、当日は開園を待つのももどかしく、モップくんのもとに駆けつけました。すると、いました!モップくんが‼しかもケージの中を縦横無尽に走り回っているではありませんか!そして、ちっちゃい⁉ツイッターではアップで見ていたためか、尻尾の長い猫くらいの、しかも体重約1.5㎏という超スリムな「本人」に会ってみると、そのサイズ感の差がちょっとばかり不思議な感覚でした。「百聞は一見にしかず」ってことかな。

根本さんからもお話を伺いました。シロガオサキのペアが飼育されているのは日本では1ヶ所だけ。それなりの年齢に達しているモップくんは、これから先も悠々とシングルライフを送るだろうということでした。ありがとうねモップくん、ずっとずっと元気でいてください。


気をよくした私は南米館からアジア館へ。担当の舟橋さんが案内してくださいました。圧巻は、そう、ザルバ様!デカッ‼仲間のチベットモンキーの誰よりも、私の想像よりもはるかにまさる存在感を示しておられました!差し入れのスイカを手にも足にも抱えて豪快にかぶりついておられましたが、「飼育の部屋」の舟橋さんによれば、ダイエット中につき小ぶりのカットをあげたのが裏目に出たのか、他の子の分まで取り上げてしまったのだそう。「私は怒っています」(舟橋談)。飼育員さんの苦労の一端をかいま見た気がしました。

アカゲザルの家族も紹介してもらいました。地味なお猿ですが舟橋さんは度々ツイッターに上げています。「猿らしい猿」というのがその理由らしい。私にはほとんど怒っているようにしか見えないのですが、身内(?)の舟橋さんに何かを訴えかけている様子は、どこかいじらしい顔つきでした。

霊長類のコレクション世界一の日本モンキーセンターは、お猿も人も魅力がいっぱい。まだまだ話は尽きませんが、紙面が残り少なくなりました。次回は、唄うテナガザルから。

竹下 景子 (たけした けいこ)

俳優。愛知県出身。1973年NHK銀河テレビ小説『波の塔』でデビュー。映画「男はつらいよ」ではマドンナ役で3作品に出演。テレビ・映画・舞台への出演のほか、国連WFP協会親善大使、京都国立博物館文化大使など幅広く活動。新たに2019年3月3日より、公益財団法人日本モンキーセンター親善大使を務める。

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竹下景子さんのオフィシャルウェブサイトのスタッフブログにも、日本モンキーセンターが登場しています。

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