2018年6月11日
今回は、福島スタディツアーのレポートを2回に分けてお送りします!
被災地や、その復興支援の現状を知ろう!ということで、今回のスタディツアーでは福島県を訪問しました。
福島スタディツアーの初日は、福島市内にある環境省 環境再生プラザを訪問しました。アドバイザーの 青木 仁 様による、放射能の基礎知識と福島の現状に関するレクチャーを受けました。
福島第一原発の事故によりどのような放射性物質が放出され、その量はどのように変化してきたのか、といったことをわかりやすく解説していただきました。そして現在、福島の方々が受けている内部被曝、外部被曝の量は「年間追加被曝線量1ミリシーベルト以下」という国の目標値に比べて十分に低いこと、この日本の目標値は世界的に見てもかなり低いことなど、今までのイメージを大きく変える様々な学びがありました。模型や放射線測定器などの展示も充実しており、除染の方法についても知ることができました。
また、「原発事故のために避難したふるさとにいつか戻り、医療に貢献したい」という思いで福島県立医大に通う学生さんとも交流しました。同年代の学生さんから、これまでに携わってきた復興支援の活動についてお話を伺うことができる貴重な機会となりました!
次回は、2日目に訪問した福島県楢葉町のレポートです!
2018年6月18日
前回に引き続き、福島スタディーツアーのレポートです!
2日目は、2年前に帰還困難区域から解除された福島県楢葉町を訪問しました!
この日は、楢葉町に移住して小料理屋を営む Kaori Furuya 様と田んぼアートプロジェクトにも携わる 市川英樹 様、そしてお二人を私たちに紹介してくださった福島高専の Yuuka Kai さんと Mio Kasai さんにお会いしました。
千葉から楢葉町に移住された古谷様は、「結のはじまり」という小料理屋を経営されています。このお店は、楢葉町に帰還した地元の方々と、復興事業のために楢葉町に来た原発作業員の方々との交流の場を提供することを目指して始まったそうです。楢葉町に飲食店は非常に少なく、地元住民の方にとっても、原発作業員の方にとっても貴重な交流の場となっています!地域の復興に密着した、とても素敵なお店でした。
市川様は、青森県などの先例を参考に福島県に観光客を呼び寄せ、復興につなげることができないか、と田んぼアートプロジェクトを始められたそうです。
実際にその田んぼアートを見せていただきました。楢葉町のゆるキャラ「ゆず太郎」とサッカーボール、そして「明日へ」をいうメッセージが描かれた作品で、復興への強く前向きな思いを感じました。なんと、8種類の苗を使ってカラフルなアートが描かれているとのことで驚きました!
田んぼアートの近くにある Jヴィレッジ というサッカーの施設は震災後閉鎖されていましたが、再開間近で、オリンピックに向けて注目が高まることも期待されています。
市川様は原発作業員の経験もされており、厳しい環境での作業についてもお話を伺うことができました。
福島高専の加井さん、嘉斉さんからは復興支援の活動や今後の課題について伺いました。
震災から7年が経ち、震災直後の困難な状況から積極的に復興支援活動を進めてきた加井さんや嘉斉さんの世代と、当時小学生であった現在の中高生の間では、震災の記憶や復興支援活動への意識に差が生じてしまっているようです。私たちと同世代の方々が進めてきた活動をさらに若い世代へ引き継いでいくことの難しさを知り、ハッとさせられました。
福島スタディツアーを通して素敵な出会いが多くありました。スタディツアーで学んだ、田んぼアートを始めとする復興支援活動のことを、私たちそれぞれが留学先でも発信していきたいと思います。
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市川様の福島田んぼアートプロジェクトの詳細はこちらです!
福島田んぼアートプロジェクト
2018年8月10日
報告が遅れてしまいましたが、東京電力様にご協力いただき、福島第一原発を視察してきました!
まず旧エネルギー庁を訪問し、津波による1〜4号機の被害や原発事故の概要、汚染水対策や燃料デブリの取り出しといった取り組みについて担当の方からレクチャーを受けた後、福島第一原発に向かいました。
福島第一原発まではバスで移動。
立ち入り禁止区域内に入った途端に、まるで7年前から時が止まったような光景が広がっていました。
背丈をゆうに超えるほど草が伸び放題の荒地、窓ガラスが割れ、陳列棚も倒れて商品が散乱したままのお店…
震災直後からほとんど変わりないと思われる景色を目の当たりにし、胸が痛くなりました。
福島第一原発内では、放射能対策を万全にし、線量計を身につけてバス内から見学をしました。
今までにも報道で映像を見たことはありましたが、事故により大破した1号機を実際に目にした時の衝撃はやはり大きかったです。
天井が飛び、剥き出しの鉄骨の向こうには瓦礫が山積みになっているその様子が、事故の深刻さを物語っていました。
また、津波到達ラインの目印や津波の被害により変形したはしごもありました。想像を絶する脅威、被害の大きさを知り、言葉を失いました…
今回の福島第一原発の視察を通して、ニュースなどの報道のみではわからない部分も実際に感じることができ、非常に有意義でした。