2mEMEシステム

2mEMEシステムはリモートコントロールで運用しています。商用電源がない場所なので、ソーラーパネルで発電してバッテリーに蓄電したものを電源としています。電話回線もケーブル回線もないので、モバイルルータを使ってインターネットに接続しています。

リグはFT-991AMを使用し、Raspberry-Pi (OS:Raspbian sketch)にインストールしたWSJT-XでCATコントロールしています。電源がバッテリーなので、正真正銘50W出力です。今のところ、聞こえ過ぎても届かないのがオチなので、プリアンプは使用していません。

Raspberry-Piにモバイルルータを接続しており、インターネットを経由して自宅のパソコンからVNCでリモートデスクトップでRaspberry-Piを操作しています。モバイルルータはNEC製Aterm、キャリアはBiglobeです。

Raspberry-PiのUSBポートにArduinoを接続しています。ArduinoのGPIOで、ローテータのCW/CCWボタンをON/OFFし、Arduinoのアナログ入力からローテータのポテンショメータの電圧を読み取っています。ローテータは自動追尾ではなく、リモートのパソコンから手動で制御しています。ArduinoのGPIOとローテータのCW/CCW信号とはリレーで絶縁されており、Arduinoのアナログ入力とローテータのポテンショメータはフライングキャパシターで絶縁されています。

アンテナは自作の9エレ八木アンテナを2列2段スタックにして地上高13mに上げています。隔離距離は水平・垂直共に3mです。自作9エレ八木は、DK7ZBの2m用9エレ八木と同じエレメント間隔とし、4NEC2でシミュレーションしてエレメント長を調整しました。給電点のインピーダンスは200Ωとし、Tマッチを用いてUバランで50Ωに整合しています。

アンテナは垂直偏波に配置しています。EME通信の条件が良い月が近地点にある場合、北米や欧州とのジオメトリックローテーションが90℃近傍になることが多いようなので、北米や欧州の水平偏波の局と容易にQSOできるように配慮しています。

4分配器も自作品です。50Ωの8D-2E同軸ケーブルだけを用いて作りました。50Ωのアンテナを2並列にして25Ωとし、それをQマッチで100Ωに変換し、2つの100Ωを2並列にして50Ωにするというものです。


リグおよび制御系の系統図

9エレ八木のシミュレーション結果

4NEC2デザインファイル