［Ｘ］ダウンロード販売の楽譜を使用する場合の【確認事項】

近年、インターネット上で電子データで楽譜を販売するサイトが増えてきたことに伴い、インターネット上で購入した楽譜を用いてコンテストに出場される方が増えてきています。

このようなダウンロードされた電子データの楽譜は、【出版された楽譜】とはみなされない場合があります。ご注意ください。

インターネット上で楽譜を電子データで販売するサイトは、楽譜の販売代行しているのであって、楽譜の出版をしているのではありません（楽譜出版社が自社の楽譜をインターネット上で電子データで販売している場合を除く）。

楽譜出版社は出版契約により、作曲者からその作品を出版（複製）したり、演奏したり、録音したりする権利等を譲り受けています。

一方、楽譜の販売代行として複製する権利の許諾を取得しているサイトの中には、楽譜を演奏する権利の許諾がない楽譜の電子データを販売しているところがあります。

つまり、JASRACの許諾（ライセンス）の表示があっても、楽譜を複製する権利［電子著作物（楽譜）に於けるデータをコピーする／印刷する／メール送信する／ファイル共有サービス等を用いた受け渡し（共有、アップロード）をする／スキャナーやカメラ等を用いて電子化する権利・著作権法第21条］についての許諾であって、楽譜を演奏する権利［音楽の著作物（楽曲・歌詞）を公に演奏する権利・著作権法第22条］についての許諾ではない場合があります。

ダウンロード販売の楽譜を使用される場合は、次の点をご確認ください。

★出版済みの楽譜であるかどうか

　過去に出版されていた楽譜（著作権者の意志で絶版となったものを除く）や、現在、出版されている楽譜の電子データであれば、演奏することができます。

★出版済みの楽譜であるかどうかがわからない

　楽譜の販売代行しているサイトにご確認ください。

★出版済みの楽譜ではなかった（未出版譜の販売代行であった）

　楽譜の販売代行しているサイトを通して、著作権者（作曲者や編曲者）から演奏許諾を取得してください。

なお、未出版譜の販売代行の中には、著作権の消滅していない作品の編曲譜を著作権者（出版社や作曲者）からの編曲許諾［同一性保持権・著作権法第20条1項、翻訳権・翻案権・第27条］を取得せずに、『私的演奏限定』や『楽譜閲覧限定』という条件で、ダウンロード販売しているサイトがあります。このような条件の楽譜を使用してソロコンテスト等の公的な場で演奏する場合は、編曲者からの演奏許諾のほか、著作権者（出版社や作曲者）から編曲者への編曲許諾も必要になります。ご注意ください!!

出版譜(絶版を含む)がダウンロード販売されている場合

出版譜の編曲譜(未出版)がダウンロード販売されている場合
(例)管楽器独奏と管弦楽伴奏を管楽器独奏とピアノ伴奏に編曲した楽譜がダウンロード販売

未出版譜の編曲譜(未出版)がダウンロード販売されている場合
(例)耳コピで採譜された楽譜を編曲した楽譜がダウンロード販売