山田町 YAMADA

地盤の嵩上げが進む山田町の中心地

山田町1

国道45号線を南下していた時に”何となく気になって”右折した山田町。土地の嵩上げが進んでいるため、やや道幅が狭く、走り辛い仮設の道路が多く存在します。

白い壁は新たな防波堤の模様。低いので仮設?かもしれませんが、東京の感覚からすれば十分に巨大である事が分かります。ここから海までは遠くありませんが、改めて”自分なら逃げられただろうか”と思います。突然建物より高い津波が襲ってくると、とっさに想像が出来るのでしょうか・・・。

山田町2

既に造成が終わった場所に向かって緩やかな坂が完成していました。真新しい銀行の建物や、用途不明ながら商業施設のような建物の建設が進みます。街灯が仮設に見えない事から、この道は”完成”した箇所なのでしょう。

新たな陸中山田駅が復活目前

山田町3

緩やかな坂を登っていくと、駅が見えました。この駅は「陸中山田駅」。JR東日本山田線の駅の一つですが、今の時点では休止状態となっています。

山田町4

Google mapを見ると分かりますが、以前は駅舎のあるしっかりとした駅でした。しかし津波と火災で消失してしまったとのこと。新しい駅の構築が進んでおり、”駅前”に停車するタクシーがそれを実感させます。山田線の名を冠する駅だけに、早く工事が進めばと思います。

駅近に商店が立ち並ぶ

山田町5

駅の隣には新しい図書館があり、その奥には復興住宅と思われる団地が見えます。スーパーを中心に、真新しい商店などが複数建っており、リスタートを切っている事がよく分かります。

山田町6

ある商店の名前をGoogle mapで検索すると、元々違う場所で商売をされていた事が分かりました。未だにGoogleの写真がアップデートされていないのは残念ですが、改めて立ち上がり商売を継続されている事に対して、大変に頭が下がります。

山田町7

商店の中心を成すかのように建っているスーパーマーケット。周りにコミュニティスペースや小さなゲームセンターがあります。

この周辺は中学生位の子供達が思ったよりも沢山おり、皆笑顔で友達と遊んでいました。妙な表現かもしれませんが、私には彼らが元気に過ごしているのが非常に嬉しく思えます。

コミュニティスペースにも入ってみましたが、そこも子供達のためのスペースになっていて、意図的にそのような場所を作っているように思えます。私が子供であればかなりの傷を受けたでしょうから、長い目で見てサポートしていく必要があります。

海産物が安くて豊富、イルカまである!!

山田町8

私はどこかの町へ行くと必ずスーパーの中を歩きますが、山田町は非常に海産物が豊富で驚きました。ピカピカの大きな魚が数百円で売られているのは羨ましい限り。全く下調べしていなかった私ですが「山田町、魚スゴイ」というイメージが一発で出来上がりました。

本当は山田産のお刺身を食べたかったのですが、安くて量が多すぎたので小さなイカ焼きを買って試食します。可愛らしいイカですが、身がプリプリでとても美味しくいただく事が出来ました。

ちなみに一番の驚きがイルカのお肉。ショーケースの前で声が出てしまうほどびっくりしましたが、調べてみると昔から食べる文化があるとのことでした。

街の風景が見えたような気がした

山田町9

ここまで様々な写真を取り上げましたが、人によって「復興が進んでいる」「復興が進んでいない」それぞれの感じ方があると思います。私は最初「復興が進んでいない」と感じましたが、街を歩き終わって「建物はともかく、人は立ち上がっている」と考えを改めました。

見かけ上の建物や土地の再建は行政の見る理想の復興イメージかもしれませんが、最も重要なのは人がそこで活動しているかどうかでは無いでしょうか。恐らく我々部外者には見えない、辛さや苦労は非常に大きいと思いますが、一方で子供達が笑い、遊び、勉強している姿が街に見えるだけでも、それは何かが復興していると言い切れるのではないでしょうか。

私にとって山田町は”地震のあった場所”という重いイメージが強かったのですが、今回訪問した事で、過去の災害イメージよりも、”前に進んでいる”というプラスの印象が非常に鮮明になりました。道を歩いている内に、元々の街が見えたような気もし、今後どのように進展していくのかが非常に楽しみです。

あまり車で乗り入れると工事作業の邪魔になるかもしれませんが、新たに温浴施設も出来上がっていましたので、お風呂に入ったり、スーパーに立ち寄って海鮮を買ってみたり、一度山田町へ訪問されてみてはいかがでしょうか。

244 Room All Rights Reserved.