2019年製作。
平砂アートムーブメントという企画にて展示しました。
約1ヶ月間の展示期間で、毎日作品の前に生のカーネーションを数本ずつ備えるというパフォーマンスを実施しました。
“cenotaph”とは『慰霊碑』など、実際には死者の体が埋葬されていないような墓標を指します。
墓は、死者を悼むという行為をする場所の目印であり、思い出を現前させられない代わりに心の行き所を作るためのものと言えます。
そうして、 実際にそこには今何も無いのに「祈る」ということ、過去を存在させ続けようとするという行為そのものがある種呪いのようなものだと私は感じました。
この展示を実施したのは廃アパートの一室ですが、廃墟には人々の行為の痕跡がありました。
廃墟はまるで都市の墓でした。
きっとここには、過去にあった暮らしが存在させられ続けているのです。