特に不登校初期の
悩める保護者さんへ

このページは、お子さんが登校を渋りはじめたり、まったく行かなくなったりしたことで、焦ったり悩んだりしている方に向けて書いています。

不登校には段階があると言われています。

多くの場合、不登校の初期段階においては、こどもも保護者も気持ちが大きく揺らいで、とても大変な日々を過ごします。

そうした大変な時期にいらっしゃる保護者さんの気持ちが、少しでも軽くなるお手伝いができないかという気持ちで、この文章を届けたいと思います。

焦るのも不安になるのも みんなが通った道

「学校に行かない」というこどもの言葉や行動に、焦ったり不安を覚えたりするのは、”ふつう”のことです。

自身も不登校を経験し、それが長い人生においては大して不利にはたらかないことを身を持って知っている私ですら、いざ我が子が学校に行くのをやめると、多少は焦りを感じました。

運動会とか修学旅行とか、放課後の何気ない日常とか、これからこどもが当たり前に経験するものと思っていた未来が、ふいに目の前から消え去って、何だかとても不憫なような、残念なような気持ちになったことも覚えています。


こどもの様子が前と変わってしまった! も みんなが通る道

今、お子さんの様子はいかがですか?

いつもと同じ。毎日学校に行っていたときと変わらず元気!
なんてこと、きっとあるはずがありません。

見たことないほどに沈んでいたり、荒れていたり、部屋から出て来ない、日が高くなっても起きてこない、など、保護者さんの不安は増すばかりということがほとんどではないでしょうか。

いつまでこんな日々が続くのか、絶望的な気持ちを抱える方も少なくないと思います。


不登校の子が 通る道のり

一般的に、登校しぶりや不登校の状態となったお子さんはどんなプロセスをたどるのでしょうか。

都内の教育委員会が出している保護者向けのガイドブック2冊をもとに、図にしてみました。

[参考資料]
  世田谷区教育委員会(2023)不登校・登校渋り 保護者のためのハンドブック
  目黒区教育委員会(2024)不登校児童・生徒の 保護者のためのガイド



お子さんは今、このうちのどの段階にいますか?
これからどんな道を進むのでしょうか。

不登校の子がふさぎ込むのは珍しくないの?
つらい思いをしてるのも、私だけじゃなかった!
うちの子にもいつか「回復期」が訪れるんだろうか…

暗いトンネルのような日々の向こうに、仄かな光が見えてきたのではないでしょうか。


ぜひ、ハンドブック本編もご覧になってみてください。

世田谷区のハンドブックでは、上で図にした3段階をさらに細かく7つに分け、それぞれの段階での「こどもの気持ち」「保護者の思い」、そして「家庭でできること」がとても詳し書かれています。
目黒区のガイドはとても見やすく、端的に大切なことを伝えてくれています。

先の見通しが立つことで、保護者さんの心が軽くなることもあるのではないかと思います。


そうは言っても このまま休ませていいのか不安


「無理に学校に行かせても状況は良くならない」

不登校について調べはじめると、何度も見聞きする言葉です。
「むしろ悪化する」とすら言われることもあります。

個人的には、それは真実だと思っています。
私自身が、高校生のころに繰り返した受けた強い登校刺激がいまだに澱のように心に溜まり、両親(特に母親)との関係に影を落としていることと照らし合わせても、今日や明日の登校よりも、長い目で見れば良好な家族関係のほうがよっぽども大切だと、声を大きくして言いたい気持ちはあります。

とはいえ、やっぱり休ませるという決断は簡単ではないかもしれません。
お子さんが小さかったり、保護者さんのお仕事や介護の都合があったりと、学校に行ってもらわないと困る事情を抱えている方も少なくないでしょう。


休ませるべきか?チェックリストを使ってみる


昨年、不登校に関連する団体が共同で「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を発表しました。

国立精神・神経医療研究センターの精神科医・松本俊彦氏の監修によるもので、LINEでいくつかの質問に答えることで、お子さんの状況をより客観的に判断してくれます。

我が子の「休みたい」をどう受け止めてよいか迷ったとき、こうしたツールをひとつの指標として用いてみるのも良いかもしれません。

《参考記事》
我が子の不登校「学校を休ませるかLINEで判定」 精神科医や不登校専門家が開発した「チェックリスト」(石原壮一郎・『コクリコ』掲載・2023.9.1)
https://cocreco.kodansha.co.jp/cocreco/general/study/hutoukou/6R8cj


知恵を出し合い 助け合いましょう


ここまで読んで、ツールも試して。

休ませる決心がついた人も、そうでない人も、やっぱりどうしても事情が許さないという人も…

大丈夫です。
同じような人が、全国にはたくさんいます。


よかったら、どこか親の会(保護者会)などに参加して、仲間をみつけてください。
「そうそう!うちもそうだった!」
と言ってくれる人がいるだけで、ずいぶんと救われるはずです。

親の会は、お子さんの特性や状況、年齢などに応じてさまざまなものが活動しています。私の経験上、共感しあえる人を見つけやすいのは、やはり似たタイプのお子さんを育てている保護者さんの集まる場だと感じています。

そして、もし板橋区や近隣にお住まいで、地域のつながりが欲しい、地元の情報を得たいと思われたら、当会を頼っていただけたらと思います。
専門家の集まりではありませんが、互いに知恵を出し合い助け合いながら、一緒にお子さんたちの成長を見守ることができたら幸いです。