石積み学校は空石積みの技術を継承するために様々な活動を行なっています。
石積み技術を習いたい人を集めて修復ワークショップ(石積み学校)を開催し、実際の現場で石積みを直しながら技術を伝えています。現在では西日本を中心に月に数回のペースで修復の依頼があった場所で開催しています。参加者の方は自分の畑の石積みを直したい方、田舎の暮らしが好きな方、地域のことをよりよく知りたい大学生、造園、建築、土木の分野で働く方など様々です。参加された方は技術を学ぶことができ、依頼した方も石積みが直る仕組みです。さらに近くに石積み技術を持っている方がいればその方から教わりながら修復することもできます。人がたくさん集まれば2日間で15㎡以上は修復できます。
危険な場所や石が大きい場合は参加者を募集せずに地元の建設会社と協力して施工することもできます。今までの経験と実績から十分な強度の空石積み擁壁を修復できます。
また、住民参加の公共空間での空石積み擁壁の新設や、新築の家の外構として施工することもできます。
高校、大学や専門学校で持続可能性、土木工学など様々な切り口の講義も請け負っています。
ほとんど無くなった空石積みを積む仕事を新たにつくり、続けるためにはたくさんの人と取り組み、お金を回すことが必要です。石積みを積むことはチームワークを醸成すること、社会へ貢献すること、先人の知恵を学ぶことなどたくさんの学びの要素が詰まっています。これらを活かして石積み学校では空石積みの修復を通じた社員研修を行っています。また、石積みの保全をしたいけれども人手が足りない、技術の担い手がいないために困っている自治体にアドバイスや修復、技術継承のお手伝いしています。
社員研修・CSR
石積みの修復を通じた社員研修を行なっています。石積みの作業ではその日会ったばかりの参加者が1時間ほどでチームとなり、役割分担をしながら楽しそうに効率よく作業を進めていきます。この特性を活かしてチームビルディングやコミュニケーション能力、段取り力を養うための人材育成のカリキュラムとして石積み修復を捉えることができます。また、石積み修復には地域の風景を修復するという社会貢献の側面があり、CSRを兼ねたプログラムとすることもでき、企業にとって一粒で二度美味しい研修とすることができます。
【実績】株式会社EAU様、株式会社姫野組様、荒川化学工業株式会社様、Takramjapan株式会社様、株式会社菅組様、株式会社奥村組様 等
自治体や農家の石積み保全支援
中山間地域の棚田や段畑を支える空石積みは地域の活力の源となる地域らしい風景を保全するための重要な構造物です。そのため空石積みを保全を義務づけたり推奨する計画が策定されている地域も多くなってきました。しかし空石積みの技術を有する人が地域にいなかったり、公共工事として空石積みの工事を発注することが現実的に難しいことから実際には空石積みが崩れると練り石積みやコンクリートブロック擁壁になることがほとんどです。石積み学校ではこのような問題を抱える地域で持続的に空石積みが修復できるように石積みの修復作業や技術継承の支援を行います。
【実績】佐賀県東松浦郡玄海町 、愛媛県西予市、静岡県、岐阜県飛騨市、徳島県立農林水産総合支援センター農業大学校 等
海外交流
イタリアにおいても空石積みの価値を再認識し、継承する活動が盛んに行われています。石積み学校では2017年から2年に1度、イタリア北部のNPO団体Associazione canovaと連携して中山間地の農業と石積みの技術を学ぶフィールドスクールを開催しています。興味のある方はご連絡ください。