このグループは、これまでに石川ツーリズム研究会に集まった寄付金を活用して、主に甚大な被害を受けた地域を中心に、現代のニーズに即したプロガイド(コミュニケーションガイド)の育成事業を推進するために立ち上がりました。
初回、ガイド育成事業の拠点となる輪島市南志見地区では、震災や水害による孤立を経験し、今なお仮設住居での生活が続いている地域です。
その中で発災直後に石川県の加賀地方から南志見地区に移住し、復旧・復興のサポートをしてきた、奥能登元気プロジェクト代表の「被災地となった当地にスモールビジネスを創出したい」という理念に共感し、2026年9月より自立支援を目的とした「能登観光コミュニケーションガイド育成プロジェクト」を開始します。
現在、能登では被災の記憶や状況を伝える「震災ガイドツアー」が行われています。
しかし、震災から時間が経つにつれて需要の先細りが懸念されるだけでなく、被災当事者でもあるガイド自身が震災の記憶を繰り返し語ることで心が疲弊してしまう課題が生じています。そろそろ能登本来の魅力や文化を伝える一般的な観光ガイドサービスへ切り替えていきたいという声も上がってきたことが、今回のプロジェクト発足の切っ掛けとなりました。
国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定されている白米千枚田や、多くの観光名所となりうる資源を持つ輪島市南志見地区の地域の魅力を正しく伝えることができれば、初期投資を抑えて即座にビジネスを開始できます。
地域の歴史・文化に加え、コミュニケーションを促進するプロガイドとして自立し、スモールビジネスを創出する、攻めの復興の第一歩が、このガイド育成事業です。
本プロジェクトで育成したガイドの定着と事業化に向け、一地域にとどまらない広域連携組織の形成を模索しております。
能登全域を統括するDMOが中心となり、輪島(南志見地区)で始まるガイド事業、珠洲市等の現地ツアー、そして和倉温泉復興元年を連動。さらに広域コンソーシアムの確立や、「のと鉄道」による広報支援・二次交通案内(穴水・輪島方面等)と連携することで、旅行者が周遊しやすく、安定して受注できる体制を整える構想です。
あわせて、本プロジェクトの修了生だけでなく能登全体のガイド組織とも広く連携。
スキルの標準化や相互バックアップ体制を整え、地域全体で旅行者を温かく迎える一大ネットワークの構築を目指しています。
近年の観光市場は、大人数の大型バスで有名観光地を巡る、団体・消費型観光から、旅行者個人のテーマや関心に合わせて地域を深く味わう、個人旅行(FIT)・体験型観光へと大きく構造変化を遂げています。
この変化に伴い、ガイドに求められる役割も大きく進化しています。
これまでのガイドは、歴史や年号などの知識を一方的に伝える役割が主流でした。
しかし現代の観光において求められているのは、地域の歴史・文化・暮らしの裏にあるストーリーを引き出し、旅行者との対話を通じて地域のファン(関係人口)を育む、インタープリター(自然の営みや歴史の背景など、言葉を持たないもののメッセージを「人間がわかる言葉や体験に翻訳して届ける人」)/ファシリテーター(対話を促す人)としての機能です。
こうした現代のニーズに即した、対話型・体験型のプロガイドを育成することは、能登本来の魅力を全国へ届け、地域が自立して稼ぐための必然的なアプローチであると考えています。
代表/藤橋 由希子
金沢の宿 由屋るる犀々を拠点に活動。
石川ツーリズム研究会および奥能登観光サポートGPの代表を務める。
2024年の能登半島地震や水害を経て、被災地の雇用維持と自立を目指す、能登観光コミュニケーションガイド育成プロジェクトを本格始動。
能登の魅力を自身の言葉とストーリーで届ける観光起業家の育成と、持続可能な地域振興に尽力している。
副代表/伊藤昌輝
約30年のデジタルマーケティング経験を持ち、AIを活用したビジネスワークフローの研究・実践に注力。
ことほむ合同会社共同代表、松本障害者パソコン研究会副会長。
当プロジェクトでは、観光マーケティング講師と地域の歴史や文化の調査を担う協力メンバーとして参画。
奥能登の深層にある魅力の言語化やシナリオ構築を支えるとともに、副代表として事業運営とガイドの自立支援に携わり、観光起業家の創出に尽力している。
副代表/小川 将友
環境教育事務所ネイチャーブランドプランニング代表、岐阜県立森林文化アカデミー 森林総合教育センター プレーワーカー。自然体験活動推進協議会理事。大手進学塾での受験指導や多彩な職業経験を経て念願の野外教育に従事し、現在は年間延べ2500人以上の園児への自然体験活動指導や保育士への研修、500人以上の指導者育成を行っている。
自然の中で遊ぶだけで考える、相談できる子供が育つを信念に、インタープリテーション等の研究やリカレント教育にも携わっている。
監事/青山信子
ことほむ合同会社の青山信子氏。
当プロジェクトにおいて、歴史や文化の調査・解説講師メンバーとして参画。
奥能登の歴史や文化、地域資源の深掘りを担当し、ガイドシナリオの構築や地域の魅力を伝えるプログラム支援に携わる。