明けましておめでとうございます。興生寺副住職の田村大地です。2025年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨日、近傍の道安寺にて、今年一年の平穏安全・各願成就を祈願する法要があり、興生寺からは私が出仕させていただきました。大変寒さの厳しい中ではありましたが、とても多くの方にご参列いただき、心より感謝申し上げます。
道安寺は「おみろくさま」、つまりは弥勒菩薩(みろくぼさつ)を御本尊とする寺院です。そこで、今回は弥勒菩薩について簡単に紹介できればと思います。弥勒菩薩は、未来仏と呼ばれる仏様の一種類で、未来に出現する仏様です。具体的には、56億7千万年後に我々が生きる現世に現れ、人々を救済してくださるといわれています。
広隆寺「弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしゆいぞう)」
少し話はそれますが、私の所属する真言宗にとっても、弥勒菩薩は大変関わり深い仏様です。なぜなら、真言宗の開祖である弘法大使空海(こうぼうだいしくうかい)も、弥勒菩薩がこの世にあらわれる56億7千万年後に、一緒にこの世に戻ってくると言われたからです。信じられないかもしれませんが、弘法大師空海は今でも高野山(こうやさん)で祈り続けている状態であるとされており、現在でも毎日2回、お食事が運ばれます。もし、高野山に行かれることがありましたら、お食事を運ぶ場面に巡り合えるかもしれません。
以上、弥勒菩薩の簡単なご紹介でした。こうして考えてみると、仏教世界のスケールの大きさには驚かされるばかりです。56億年後、人類がどうなっているのか見当もつきませんが、仏様の教えが伝わっていたらいいなぁ…などと考えてしまう今日でした。
合掌