大学:亜細亜大学国際関係学部国際関係学科
ゼミ:荒井ゼミ
大会年度:2018年度
受賞成績:ファイナリスト
現在振り返ってみて、当時の研究生活はどういったものでしたか。
<ひなさん>
小学校から大学まで、16年間の学生生活の中で一番勉強した期間でした。もちろん、意見の相違であったり、モチベーションの差による軋轢であったり、大変なこともありましたが、それ以上にチームメンバーでモノを1から作り上げる楽しさもすごくあって。人間的にも学術的にも、学生生活の中で一番勉強した期間だったと思います。それ以降の社会人生活でも、結構IBインカレの活動はすごくタメになりました。生きていく中で引き続き大人として勉強もちゃんとしていきたいという思いが芽生えた経験になったと思っています。
ちょうどこれからIBインカレに参加する身なんですが、わからないことだらけで(笑)。本当勉強、勉強という感じで…。今までとの勉強のやり方とはまた違う側面を感じていて、とても共感しました。
<ひなさん>
そうですね!高校生までの勉強とは違う勉強なので、違う力がつくのかなと思っています。
チームで活動する中で何か意識した点はございますか。
<ひなさん>
チーム活動をする中で、チームメイトの意見を理由なく否定しないことを一番意識していました。IBインカレで、大勢で論文を書いたり、何かモノを1から作り上げる時って、どうしても意見の衝突は絶対あると思います。むしろ「何でそうなるのかな」という「なぜ」の姿勢を持って活動することが大事だと思います。そういう意味では、どうしてもチームメンバーを否定しなくてはいけない時ってあると思うんですね。その時に、理由はわからないけど何となく否定するとか、真っ向から否定するのは一番良くないなと思っています。相手を傷つけてしまうし、ただ否定するのってひたすら話し合いを迷宮入りにしてしまうこともあるんですね。社会人として会社の人とディスカッションする時も、なんとなく違う気がするで反対意見を言うのってあまりよろしくないと思うんです。なので、意見の裏にある「なぜ」をちゃんと自分で理解した上で反対意見を言うことで、常にチームメンバーで強い信頼関係を保ちながら活動することができるのかなと個人的に思っていました。
確かに、段階的に論理的に意見を伝えた方がスムーズに議論が進みそうですね。議論にはやっぱり衝突が付き物ですか。
<ひなさん>
そうですね。今まで高校生まででやってきた勉強って大抵正解が決まっているじゃないですか。でも論文を書いたり、何か話し合いをすることって、あまり正解が明確じゃないことが多いと思うので、決めつけはあまりしないように話し合いをすることが大事だなと思っています。
モチベーションや意識の差といった問題については、どのように対処していましたか。
<ひなさん>
私が所属していたチームは、あまりモチベーションの差で雰囲気が悪くなったことはなかったです。モチベーションの差自体がなかったわけではなくて、メンバーがモチベーションに差があることは当たり前だよねという感覚を持っていました。やっぱりどうしてもゼミに全てを割ける人ばかりではないので、そういう人もいるよねと思える子が多いチームでした。これから参加される方にアドバイスするとしたら、ゼミが全てではないという感覚で参加するとイライラを避けることができるんじゃないかなと思います。
とても良いチームだったんですね。IBインカレに出場したことで、何か変化はありましたか。将来の進路に対する考え方、性格や精神的な成長 についてお伺いしたいです。
<ひなさん>
まず進路については、私は元々「将来こういう仕事に就きたい」というのがなかったんですね。そんな中でIBインカレに参加して、何か一からモノを考えて作り上げる、考える仕事が自分にとって苦じゃなくて楽しいということに気づくことができました。そこから、新規事業企画のお仕事に就けたらいいなとイメージを持つようになりました。とはいえ、新規事業企画は最初から就ける仕事ではないと思います。IBインカレで論文を書くときも、まずはたくさんの情報をインプットして、そこからテーマを考えていくと思うんですけど、情報をたくさんインプットする期間も大事だなと感じました。なので、現場で経験を積むという意味で、まずは営業職やりたいなと思うようになりました。IBインカレを通して自分の将来に対するイメージが少し明確になったかなと思っています。
次に、性格や精神面についてですね。新規事業企画の仕事をしていると、「多産多死」という言葉をよく聞きます。とにかくたくさんアイデアを出しても大体がうまくいかず、その中の一握りがうまくいくという意味なんですが、すごく根気強さが大切な仕事になります。そういった意味だと、IBインカレに出場して1から何かを考えるというのも、多産多死だと思うんですよ。なので、根気強さ、失敗してもめげずにみんなで追求し続ける粘り強さが身につきました。それも今の仕事に生きているところかなと思います。
研究活動を通して、自分の興味や価値観に気づけて、それが将来の進路を見つけるきっかけになったんですね。研究や論文の執筆が、社会人生活にどう生きているかについて、もう少し詳しくお伺いしたいです。
<ひなさん>
先ほどの粘り強さに関連しますが、研究活動を通して「考える力」がすごく身についたなと思っています。やっぱり考える力って単純な机の上での勉強では身につかない力だと思いますし、あまり学歴は関係ないなと社会人になって実感しています。その考える力を研究活動を身につけて今の生活に生かせているのがよかったなと思います。
研究活動では、大量の情報をインプットして、話し合って整理して、どんな仮説が立てられるか考えて、実際に検証して、最後結論に至るというのが流れかなと思うんですが、これを何度も何度も繰り返すことで考える力が身に付くんだと思います。それって社会人生活でも同じことの繰り返しだと思っていて。営業の仕事も、お客様のところへ丸腰で行くのではなくて、お客様がどういう状況に置かれているのかなという大量の情報をあらかじめインプットします。その上でお客様が何に困っているかを仮説立てて、それに対してお客様のところにお伺いして仮説を示しつつ商品を売るという形で、やっていることは研究活動と同じかなと思います。
これは、なかなか経験を積まないとできることじゃないんですが、IBインカレを通して学生の時にひと足先に経験することで、他の人より一歩先に行けるかなと思います。
今も毎日が研究なんですね。すごく心に響きました。ありがとうございます。次に、IBインカレが学生にとってどんな場所になればいいかなと思われますか。
<ひなさん>
IBインカレが、学生の皆さんが自分にとっての楽しい学びを追求できる場になればいいなと思っています。社会人になると、どうしても結果で評価されがちなんですね。IBインカレも順位を通して結果が明確に出るんですが、とはいえIBインカレでは結果以上の学び体験ができる場だと思うので、学びたいことを思いっきり挑戦できるような機会であってほしいですね。大学生活って、最後のたくさん遊べるラストチャンスって言うじゃないですか。もちろん私もいっぱい遊んだんですけど、逆にたくさん勉強できるラストチャンスだとも思っていて。冒頭でこれからの人生もたくさん学んで行きたいと言いましたが、とはいえ社会人はどうしても勉強に使える時間がグッと少なくなっちゃうんですね。そういう意味で、思いっきり学んで追求できる良い機会として、IBインカレからたくさんことを吸収できれば、将来にすごく役立つんじゃないかなと思います。
今、就職活動をしているような学生の皆さんに何かメッセージをいただけるとありがたいです。
<ひなさん>
IBインカレをやってみて、粘り強さや考える力の他にも、自分の強みと弱みが明確にわかったなと思います。社会人になると色々な人と一緒に物事を考えることが増えると思うんですけど、そこで自分がどう貢献できて、逆にどんな時に助けがいるのかが研究活動を通してわかった実感がありました。なので、IBインカレの活動を是非いろいろ役立てていってほしいなと思います。
ご協力いただきありがとうございました!