月を撮っても後で見返したり画像処理することが今はできていない。特に忙しいこともないけどそんな時間がない。もういにしえになってしまった、先週の仲秋の月。忘れかけている前に。たしか、天気予報では愛知県西部は絶望的だった。それが夕方まで晴れ間もあって雲間から月が顔を出した。慌てて望遠鏡を出して、なんと手持ちで撮影。まあ、焦点距離は480mmなので早目のシャッターでなんとか。その後18時台になっても雲に隠れたり見えたりしているので、しかたなく、赤道儀を組み立て、焦点距離910mmの望遠鏡を載せて撮影することにした。そうすると、雲がだんだん多くなって19時過ぎにはもう全天曇りとなった。驚いたのはなんと!20時には雨が降り出した。これをラッキーというべきか、ツキがあったというべきか、泣くべきか・・・。先日、矢作川の土手でススキそ数本とってきた。遅ればせながら、団子は見えない土星にまかせておき、お月見写真ということで、その時の月と合成してみた。なかなかこんなことは暇でしかできない。
9月7日深夜から8日の明け方にかけて、2022年11月8日以来、約3年ぶりに皆既月食が見られました。 7日の夜は観望会があって帰宅が遅くなったため、また、皆既月食といっても怪奇現象でもないので部分食は諦め、皆既中だけの撮影にすることにしました。2時30分に起床、近所の見晴らしの良い所に望遠鏡をセットして撮影。欲張らず、口径80㎜の望遠鏡だけに絞って撮影。快晴で透明度もまずまず、食が深いせいかいつもより暗い感じで赤くみえず、薄雲の中の月のように見えた。しかし、カメラモニターの月は真っ赤。後ろ髪を引かれる思いで4時前に強制終了しました。 写真は皆既最大時刻のJPEG画像を処理したものです。
撮影:2025 09 08 03h12m38s D=80mm f=910mm Exp:13sec ISO800
新星が発見されると、我も我もと観測されていた時代がありましたが、最近は観測者が減っています。古典新星となると、典型的な新星のふるまいをするだけなので、観測としては面白味が無いのでしょう。それより矮新星のスーパーハンプの検出などアマチュアの観測が必要とされる領域に興味が移行しています。増光天体が発見されても、新星に矮がつかない星だと残念がる人さえいます。今年、いて座に三つの新星が発見されました。この新星をVSOLJに観測報告している人は5名で、ほぼ同じ人達です。ところが、今回のおおかみ座新星は、明るいので眼視観測の方も含め10人以上の観測者から報告が上がっています。久々の人気の新星になっています。木曽の全天カメラにも複数写っています。 その新星、昨夜も一色の海岸まで出かけて撮影しました。現地では雲量80%以上、おおかみ座の星は全く見えませんでした。しかし、化石燃料を使って25㎞も走ってきたので、とりあえずカメラを向けてみると、撮影後のモニターには、しっかり、おおかみ座新星が写っているではありませんか、おお、神よ!です。そこで、本日の測光結果では、5.5等でした。AAVSOのライトカーブをみていると今がほぼピークのようにみえますが、さてどうなるでしょうか?
2024年3月に出現した、へびつかい座の新星「V4370 OPHIUCHI = NOVA OPHIUCHI 2024 = TCP J17395720-2627410」の独立発見に関して天体発見功労賞を受賞しました。2025年3月18日に行われた水戸市での日本天文学会・総会で表彰されました。当日は都合で欠席でしたが、関係者の皆様、ありがとうございました。先日賞状が郵送されてきました。
この新星は、撮影してから発見報告まで比較的早かったのですが、第一発見者ではなかったので、発見したという印象があまりありません。発見当時のブログには、以下のように書いています。
「世界で最初に発見したのは、群馬県の小嶋正さんです。3時36分頃に撮影した画像からの発見です。遅れて複数の日本人やオーストラリアのAndrew Pearceさんも独立発見しています。全国的に良い天気で観測し易い位置だったため多くの発見者がいました。私も4時22分に撮影した画像に新天体らしき星に気づき、5時過ぎに国立天文台に通報ました。なんとか独立発見の仲間入りできました。国立天文台への通報は私が一番早かったようです。」
幸田町の天の丸に着くと、どこかで見たことのある人だなあと思っているとこちらに駆け寄り話しかけられます。顔、声から、NHK BSの歴史番組に出ている方とわかります。まともに挨拶もせぬまま、待ってました、会いたかった、いきなり、倉敷といえば、ホンダミノル、そして、・・・ミノルでしょう! と高く持ち上げられます。話の途中に風で飛んだ備品も、いの一番で走って拾ってくれます。とてもきさくな方で初対面とは思えません。その後、幸田町で用を済ませて、観望会に幸田町の町長さんと顔をだしてくれました。歴史学者(国際日本文化研究センター教授 博士(史学))で すが、趣味で25㎝シュミカセを持っておられ、Hαフィルターと改造カメラで天体写真を撮影されているそうです。私の新天体検出方法からお子様の趣味の話まで出てき楽しくお話ができました。天の丸もお気に入りのようでまた 是非来たいと話されていました。
最近、ニュースやSNSで「かんむり座T星、80年ぶりに新星爆発か?」というような記事を多く見かけます。この星は反復新星(回帰新星、再発新星)と呼ばれ、爆発を繰り返すことが確認されている新星です。銀河内での反復新星は、十数個ありますが、中でも T CrB(かんむり座T星)は、爆発時の光度が2~3等まで明るくなる星として有名です。過去、約80年ごとに爆発していて、現在の観測と先回1946年の爆発前の光度や色指数の変化などの類似性から今度は、2024.4年1月~9月の間に爆発すると推測とされ、今夜爆発してもおかしくありません。爆発すれば、1975年の白鳥座新星(V1500 Cyg)以来、約50年ぶりの明るい新星出現ということになります。この白鳥座新星は、NHKラジオのニュースで聞き慌てて外へ飛び出て見上げると、白鳥座の形が変わっていたので驚いたことを覚えています。ただ、T星の爆発時の明るさは3等前後で、北極星が見えない、または見えにくい所ではわかりにくいかもしれません。爆発すれば、あっと言う間に現在の10等から3等前後まで急増光し、一週間もしない間に眼視では確認できない状態になってしまいます。一生に一度のこの新星爆発を是非確認したいものです。
久々の大彗星になりました。良い天気になったのでいつもの一色海岸まで出かけて撮影しました。まだ4等級で双眼鏡ですぐわかる充分な明るさです。画像は、180㎜レンズのカメラを赤道儀に載せて追尾撮影したものです。途中、薄い雲が流れて邪魔されましたが、他にも三脚に固定して、f=85㎜F1.8、f=55㎜F1.8レンズでも撮っています。数秒以下の露出で簡単に写ります。しかし、これからどんどん暗くなっていくので、一般的な観望、撮影が可能なのは今週末までといったところになります。
写真データ: 2024.10.21 18h14m~ 5.0sX10 SIGMA f=180mm F2.8 + EOS6D
良い天気でしたが、いつもの海岸の撮影は止めて話題の彗星にしました。思ったより暗いと言えど明るい彗星に違いありません。場所は無理をせず近場の遠望峰山の夕陽スポットしました。日没直後に着きましたが、道路脇にはもう車5台、三脚が並んでいました。昨夕の同時刻にここを通過した時は車1台だけでした。報道の影響でしょうか、覚悟はしていましたが、時間が経つともっとすごいことになると思い、この場所は諦めました。ということで、昨夜と同じく、お取引先の「天の丸」様にお願いしてテラスで撮影させていただくことにしました。彗星は、18時過ぎるとカメラのモニターでもわかるようになり、10分頃には肉眼で頭も尾っぽも見えるようになりました。レリーズ不良もあってバタバタしながら2台のカメラで18時45m頃まで撮影しました。明るさは、右のアルクトゥルスが0等なので同高度に置いてみて、1等台前半というところでしょうか? 今日になると、各地で撮影された彗星の画像が氾濫していますが、暗い場所で撮影した彗星には長いアンチテールが見えています。85㎜で撮影した画像のコントラストを上げるとそのように見えなくもない輝線がみえます。画像はすべてJPEGからで、一昨日撮影した画像も、昨夜のもう一台のカメラも処理が終わっていません。