秋は飽きない
秋の星と月
日暮れを早く感じる季節になってきました。夕方はまだ、こと座の1等星ベガ、はくちょう座の1等星デネブ、わし座の1等星アルタイルで作る夏の大三角形が、西の空に見えています。天頂には、秋の四辺形、ペガススの四辺形を見つけることができます。四辺形を目安に南に目を向けると、1等星の土星、さらに南に、秋の唯一の1等星、フォーマルハウトが輝いています。25日には、この土星の環を真横から見る状態となり、環が見えなくなる、環の消失という現象が起こります。本当に見えなくなるのか、望遠鏡で観てみたいものです。2日の月は十五夜に次いで美しい月とされる十三夜、5日の月は満月で、2025年で最も地球に近い大きな満月、ゆったり眺めていたいものです。夜になると、北東の空にはぎょしゃ座の1等星、カペラ、東の空にはおうし座の1等星アルデバランが見え始め、とうとう冬の星座たちが顔を出してきます。
お月見は
名月と土星の串団子
天空も夏の星座が西の空に傾き、涼しげな秋の星座が支配的になってきました。中でも秋の代表、ペガスス座の秋の四辺形が高くなっています。春夏秋冬、星を結ぶ三角形は秋にはありません。秋だけの特別な四角形を今確認しておきたいものです。南東の空には土星が輝いています。周辺に明るい星がないので目立ちます。見かけ上、環が細くなって、望遠鏡で観ると一個刺しの串団子です。団子といえば、10月6日は「中秋の名月」でお月見です。名月の隣には土星の団子が供えられています。今年の名月は満月でなく、満月は翌日の7日です。名月と満月がずれることは度々起こり、次に同じ日付になるのは2030年とのことです。天文現象としては、21日にオリオン座流星群が極大で月の条件も良いので1時間当たり数個みられそうです。他にはマニア向けですが、今年の1月3日にアメリカのレモン天文台で発見されたレモン彗星(C/2025 A6)が今明るくなっています。中旬以降は宵の空で4等前後の予想です。双眼鏡などで観ることができそうです。興味ある方は、位置や時刻などネットで調べてみてください。
秋なのに飽きない夏の空!
猛暑は、もうしょうがないと諦めていた8月ですが、やっと夕涼みをしながら星でも眺めたい季節になります。天頂には、こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルという夏のお三方、大三角形が君臨しています。南には夏の代表格、サソリ座がまだ頑張っています。初秋にゆったりと夏の星座鑑賞はどうでしょうか? 天文現象としては8日の夜に皆既月食があります。2022年11月8日以来、約3年ぶりの月食です。皆既が夜半から明け方なので一般の方には観望は難しいかもしれません。でも、ちょっとだけでも赤銅色に輝く月を見ておきたいものです。夕方には東天高く土星が昇ってきています。21日にはもう衝です。衝の頃は条件がよく一晩中見えています。ただ、今年はちょうど環っかを真横から見ることになり、環っかがわっかるかな?というぐらい環が細いです。土星らしくない土星ですが、それでも人気度ナンバーワンの惑星であることは間違いありません。
夏だ!天の川と流れ星をみるチャンス!
猛暑がずっと続き、もうしょうが無いと思うようになってしまいます。そんな夜にちょっとだけでも空を見上げてみませんか。天頂付近には、七夕の星、織姫のベガ、彦星のアルタイルが見えています。29日は伝統的七夕です。そのカップルに、はくちょう座のデネブを加えると夏の大三角形です。南西の空には、赤いアンタレスが心臓のさそり座も見えます。夕方の空は夏の星座が支配しています。ベガと、アルタイルの間には、天の川が流れています。市街地では見えなくなった天の川ですが、山や海に出かける機会があれば是非確認してみてください。薄い雲のようなものがみえればそれが天の川です。そして、8月は何と言っても、「ペルセウス座流星群」です。12日深夜から13日未明にかけてがピークのようです。月明かりで条件は良くありませんが、空の暗い所では1時間あたり10~30個程度みられそうです。
七夕、晴れたらタナボタ
関西・近畿から西の地方はもう梅雨が明けました。暑い日が続き東海も時間の問題でしょう。さて、街灯りなどで星が見えにくくなりましたが、夕涼みがてら夏の星空を眺めてみるのはどうでしょう。日が暮れると東の空には、こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルなどの1等星からなる、夏の大三角形が見えています。夏の星座たちが君臨する季節になりました。三角形頂点のうち、ベガは織姫、アルタイルは、彦星です。この星の間には、天の川が流れています。残念ながら、天の川は光害のない山間部まで行かないとみることができなくなりました。7日の七夕は、織姫、彦星が1年ぶりに天の川を渡ってデートする日です。天空に雲は無いはずなのでデートはできるはずですが、その公開、非公開については空模様次第です。過去の統計をみると公開されたのは20%以下、今年は梅雨も明けているはずなので期待できそうですが、晴れたら、タナボタと思うしかありません。実は、伝統的七夕(旧暦7月7日)は、8月29日です。7日と言いながらこっそり8月29日にデートしているのかもしれません。
春の夫婦星は三角関係?
11日は入梅です。夕方の空には明るい惑星の姿も無く、目立った天文現象もありません。そこで、星見企画の今月の星空解説の中からその一部を紹介します。「皆さん、星空の中で、カップルの星、夫婦の星をご存知ですか?・・・そうですね、有名なのは織姫と彦星ですね。連星とか二重星と言う言葉が浮かんだ人は私の説明を聞く必要はありませんよ。他にはご存知でしょうか?・・・実は春の星座の中に「春の夫婦星」と言われるカップルの星があります。一番星のアルクトゥルスとスピカです。天頂を見上げてください、オレンジぽいこの星が、アルクトゥルスです。距離は、約37光年、比較的近いのですが、アルクトトオイス、覚えてくださいね。お相手の星は、ここからスッーと下がってピカッツ、これがスピカです。このカップルの星、今、急接近中でとても仲が良いようにみえるのですが、実は、しし座のデネボラと三角関係にあります。春の大三角です。」そろそろ、テルテル坊主でも作りましょうか。
急接近する春のカップル星!
星を眺めるのは良い季節です。1等星の多い冬の星座と比べて春は少し寂しい星空です。それでも、南東には明るい、うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカが輝いています。この二つの星は春のカップル星(春の夫婦星)と言い、数万年後には見かけ上かなり接近するそうです。この二つの星と、しし座の尻尾の二等星、デネボラを結べば、春の大三角形です。その北には、七つの星が柄杓の形で並んでいる北斗七星がわかります。その柄の部分から、先ほどのアルクトゥルス、スピカとつなぐカーブを、春の大曲線と呼びます。この大曲線はの並びをたどってみましょう。天文現象としては、6日や7日の明け方を中心に、みずがめ座η(エータ)流星群が見られます。数は多くありませんが、月が沈んでいるので条件よく観察できます。
桜舞い、冬と春の大三角が共演!
豪華な冬の星座達、その中でも冬の大三角形は有名ですが、この三角形、夕方はまだ西の空で目立っています。南東の空に目を向けると、そこには大きな、しし座が雄姿をみせています。その尾っぽの2等星、デネボラと、東空に明るく輝く1等星、うしかい座のアークトゥルス、そして、おとめ座のスピカ、これを結ぶと春の大三角形です。まさに、今、冬と春の大三角が共演しています。夕方にこの両三角形を見られるのは今月だけです。ずっと、一番星で君臨していた木星ですが、西の空でどんどん高度を下げて下旬には低く見ずらくなります。
初春、今が旬の冬の星座とチャンスな星々
20日に春分を迎えまさに春です。旬といえば、寒さも控えめになったこの時期の夕方こそ冬の星座をゆっくり堪能するチャンスです。今が1等星で創る冬のダイヤモンドを手に入れるチャンスです。明るい木星、火星がこの六角形内にいて更に豪華な輝きになっています。チャンスと言えば、初旬は吉兆の星、カノープスを見るラストチャンスです。晴れたら南の低空を探してみましょう。見つけたらきっと幸運が訪れるでしょう。 夕方1番星の座を守ってきた金星もどんどん高度を下げ下旬には見づらくなります。そして、桜の便りが聞かれる頃、気が付けば東の空には、しし座や春の星座が東の空に顔を出しています。天文現象としては、5日にプレアデス食、14日は皆既月食ですが、北海道・東北・関東など一部で月出帯食になります。
冬の星座と幸福の星
一番寒い時期ですが、星空は一番賑やかです。ベテルギウス、シリウス、プロキオンでなる冬の大三角は有名ですですが、そのシリウス、プロキオンとふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲルと冬の一等星を継ぐと冬の大六角形、冬のダイヤモンドが完成します。宇宙一大きなダイヤモンドを手に入れてみて下さい。ただ、木星がアルデバランの隣、火星がポルックスの隣にいてより明るく輝いているので騙されないようにしましょう。お勧めは、夕方の金星です。中旬には一等星の100倍の4.9等で輝いています。昼間でも見えるので探して見ましょう。もう一つは、 りゅうこつ座の1等星カノープス。この星は、日本では南中の時に地平線すれすれの低空に少ししか顔を出しません。それで横着星ともいわれますが、中国ではこの星を見ると長生きする長寿の星と言われています。日本でもとても縁起の良い星です。冬の大三角や目印にして、南の地平線すれすれに姿を現すカノープスを是非探してみて下さい。
惑星と冬の星座が共演!
2025年の幕開けです。夕方の南西の空には一番星の金星がマイナス4等台で輝いています。その金星に負けじと南東の空には木星も輝き、まさに東西の横綱競演です。夜になると真っ赤な火星が昇ってきます。横綱を追いかけ、燃える大関のようです。惑星の目立つ夜空ですが、冬の星座が支配的になっています。オリオンの右肩ベテルギウス、恒星で一番明るいシリウス、そして、小犬座のプロキオンと冬の大三角がはっきり見えます。そして更に大きな三角形がシリウスと木星、火星でできています。今ならの光景です。天文現象としては、三大流星群の一つであるしぶんぎ座流星群の極大は1月3日深夜で、4日未明が観察のチャンスとなります。月明かりもなく好条件ですが、寒さとの勝負に勝てるでしょうか?