合唱曲集「地平線のかなたへ」の一曲。無伴奏の静かな始まりから躍動的に転調を繰り返して、一気にクライマックスに飛び込みます。夜空を見上げながら、地球人と同じく火星人がいるのではないかと夢見つつ、孤独感から思わずくしゃみをしてしまいます。
英国の作曲家ラターが東日本大震災で被害を受けた東北地方のために書き下ろした合唱曲です。災害で遠くに去った人たちを花にたとえ、「私たちはいつまでも忘れない」という強いメッセージが込められています。ラター氏の意向で付けられた、日本語の歌詞で歌われます。
夏と冬の童謡を、おしゃれに編曲されたハーモニーでお届けします。夏の訪れはスイングのリズムでさわやかに。夏はこれくらいさわやかさが欲しいですね。冬景色は節が移るごとに曲想も少しずつ変わり、最後には滝廉太郎の「花」で春の息吹を感じさせます。
結婚行進曲で有名なメンデルスゾーンの合唱曲。雄大な森の中で木々を見上げながら、樹木が語りかけてくる自然の姿を、時に力強く、時に繊細に無伴奏で歌い上げます。
曲目と同名の合唱団からの委嘱で作曲された合唱曲集のタイトルとなった曲。枝葉が広がる葡萄の樹のスケールの大きさ、たわわに実った房、風に揺れる姿が見えてくるでしょうか。
昼、夕方、夜、空を見上げる景色の中に子どものころを思い出す、そんな人もいるでしょうか。シンプルなメロディと、少しずつ変わっていく武満独特のハーモニー、後半に流れる口笛がノスタルジックな気持ちを盛り上げます。
ベトナム戦争の頃、平和集会のために作られた反戦歌。合唱版は武満自身による無伴奏のものが有名ですが、ピアノ伴奏による編曲でお届けします。サビの部分、節ごとに微妙に異なる歌詞を聴き分けていただけるでしょうか。プログラムでは作詞も武満徹となっていますが、正しくは谷川俊太郎です。お詫びして訂正いたします。
どうぞお先に
フィガロと結婚間近の伯爵夫人侍女と、その結婚を阻止したい女中頭が鉢合わせ。お互いを意識した慇懃なやりとりが、どんどんエスカレートして火花散る展開に。恋敵同士の冷え冷えとした会話は、目撃するとスリリングです。
Ave Verum Corpus
モーツァルトがその妻の療養を世話した合唱指揮者のために作曲した作品で、聖体への感謝の言葉が歌われています。各パートが折り重ねる天上の美しい響きをお楽しみください。
おお、ひばり
春の野原に空高くさえずるひばりを思わせる軽やかな曲です。どこかで聴いたことがあるという人もいるでしょう。メロディとハーモニーの歌い手が入れ替わりながら歌われます。あちらこちらでひばりが鳴いているように聴こえるかもしれません。
猫の二重唱
歌詞がすべて猫の鳴き声という変わった曲です。外国の曲ですから、鳴き声はニャーではなく”miau”となります。原曲は二重唱ですが、三人で歌います。どんなことを猫たちが語っているのかは、お客様の想像力次第。お楽しみください。
Pie Jesu
「キャッツ」などのミュージカル作品で有名なウェバーのレクイエムからの一曲。Pie Jesuはフォーレやデュリュフレのレクイエムでもとても美しい曲ですが、劣らない美しさです。
シャンパンの歌
オペレッタ「こうもり」の大団円を飾る曲です。ウィーンでは大晦日に「こうもり」、年始にニューイヤーコンサートが恒例になっているそう。にぎやかにシャンパンで乾杯しましょう。
数々の合唱曲を手がけている千原英喜が、自由気ままに時空旅行をする気分で作曲したという組曲。曲ごとのテーマのつながりはなく、キラキラと輝く五つの曲が聴いていて心を包んでいき、楽しくなってきます。パーカッションも曲を引き立てます。
1. さよなら僕の時間
思わせぶりな無伴奏のハーモニーから始まるのは青春歌謡。小さかった頃の美しい思い出を紙飛行機に乗せて、時に感情を高ぶらせつつ、最後には落ち着いた雰囲気で綴ります。
2. 友よ、君の歌を
ワーグナーの「マイスタージンガー」を思わせるような音列で始まる力強い無伴奏の曲。遊び心を持ちながら、明日へのハーモニーを奏でます。
3. 空泳ぐ魚
サボテンの生える砂漠のバルでのくつろぎのひと時をイメージしたという曲。砂漠にはいない魚を思いつつ、それが思想だというのは酒を酌み交わしたときの戯言なのかしら。
4. 寒梅の歌
サンジェルマン・デ・プレの街角を散歩するというイメージの曲。寒梅の香りを運ぶそよ風の中、時々つむじ風が舞う、ふとあなたのことを想います。
5. 木よ、風よ、星よ
インカ・マチュピチュの古代都市の庭に立ち、木、風、星という自分の想像を超えた存在に助けられながら、力強く新たな一歩を踏み出すフィナーレです。
(文責:テノール 鈴木亮二)