このトイレは1992年に完成した山荘のトイレです。

 それまでは小屋の横に小さな掘っ立て小屋を作り、ポットンと落ちる昔ながらのトイレでした。

モロに汚物は見えるし、臭いし、虫もいる。

汚物処理も柄杓で汲み上げ穴を掘って埋めていました。

　このトイレは一応かなり大きな浄化槽を作り、雨水を貯めて流していて、汚物は見えないし、臭いも少ないとかなり進歩はしました。

　2008年西日本鉄道創立１００周年記念事業の一環としてバイオトイレを寄贈して頂きました。

　以前のログ材を再利用していますので同じ様に見えますが、バイオ浄化槽を格納するために1ｍほどノッポになっています。

　階段を上がると、男子小便器、男子大便用バイオトイレ、女子小便用和式、女子大便用バイオトイレと並んでいます。

　使用するのには普通のトイレと同じです。

　この便座はバイオトイレ用の固液分離型の洋式便座です。一般的には固液分離トイレは珍しいと思いますが、便槽に出来るだけ水分を入れないためです。

　用足が終わったら緑色のボタンを押して頂きますと良く分解が進みます。

　普通の和式トイレですが、バイオトイレではありませんので出来るだけ小用に使用されて下さい。奥から2番目です。

　トイレットペーパーは窓の上に予備用がありますので大切にお使い下さいね。

 黒いビニールのゴミ袋を置いています。

不要な物は袋に入れてお持ち帰り下さい。

今どき珍しい手洗器ですが、底辺に出ている小さな突起をチョンと押すと水が出ます。

冬場は凍りついて出ませんし、タンクが空の時も出ません。余分の水を入れて頂くと助かります。

　バイオトイレは約300リットル程度のステンレスの便槽にバイオ菌を付着させたおが屑などの木チップを入れて撹拌分解するシステムです。

　便槽を加熱する為に大量の電力を必要として発電の為に小屋の屋根にソーラーシステムを設置しています。

　夏場は外気温も高くソーラーも良く発電してくれますが、冬場は気温も低くソーラーの発電効率も悪くなりバイオトイレは上手く作動しません。

　また雨が降ったり雪が積もれば発電は無くなりバイオトイレはただの便槽になってしまいます。

　冬場のトイレ管理は大変難しくなります。

　ソーラーで発電した電力は一旦バッテリーに充電し100Vに変換してバイオトイレを稼働させます。

　しかし、2日3日とソーラーが発電しないとシステムは電力ダウンでストップしてしまいます。

　これは、バイオトイレシステムを監視する制御盤です。

　管理人はこれを見てバイオトイレの稼働状況を把握して運用を行います。

楞伽院山荘へ女道を登って来ると、大谷尾根道との分岐の所に”女道の水場”と言われる場所に来ます。

　昔から宝満一の名水と言われていて、コーヒーやお茶を好む方はポリタンクに詰めておられます。

　鬱蒼とした杉の大木と修験道の名残の石垣に囲まれて、細いパイプから流れ出る清水は、名水の名に恥じない雰囲気です。 

　乾季が続くと出ない事が多くなっています。

この写真は楞伽院山荘の生命線である水場です。

　小屋前の”水場”の標識に従って、トイレの前を通って道なりに下って行くと３分ほどで到着します。

　よほどの干天が続かない限り、水の増減はあっても枯れる事はありません。

　大雨の後などは砂が流れ込んで、上部にある溜桝が埋まりパイプから出ないこともあります。

　常連の方や管理人によって出来るだけ早く復旧はなされています。

　洗面器などが汚れている事もありますが、ちょっと洗って頂きますと清潔感溢れる水場になります。