令和6年11月10日(日)午前11時より千里阪急ホテルにおいて、来賓に辰巳砂昌弘学長ほか5名をお迎えし、会員29名が出席して総会・懇親会を開催した。
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鈴木淳幹事(法昭53卒)の司会進行により開会。
阪口善雄支部長(文昭46卒)から来賓等紹介の後、次の内容の開会挨拶があった。
大学が統合し3年が経過し、校舎の整備が進み来年秋に森之宮に大学本部、教養部、文学部、生活科学部が移転予定。同窓会の方は公立大スタート直後に大阪公立大学校友会(全学同窓会)が立ち上げられ、来年3月には同窓会が校友会に一本化され大阪市立大学同窓会の名前が消えることになる。そんな中で同窓会本部から大阪市立大学同窓会北摂支部の名称を大阪公立大学校友会北摂支部とするよう依頼がある。役員会で何回も協議しているが、市大卒業生がいる限り大阪市立大学同窓会の名を残す必要があると思う。数年後には公立大学の卒業生が出るので、これの受け入れの準備も必要となるが結論は未だ出ていない状況である。市大同窓会と校友会支部の併存でどうかと考えており、皆さんのご意見をお聞きしながら決めてゆきたいと思っている。
来賓の辰巳砂昌弘学長から次の内容の挨拶があった。大学の方は統合して2年半、3年生までが新大学生となった。統合効果はサークル活動で顕著で、キャンパスの整備状況は、杉本キャンパスに理学部新棟、阿倍野キャンパスに看護学新棟、森之宮新キャンパスは来年9月にオープンし新入生全員が通い、6~7千人の学生が集うことになる。万博への関わりはボランティアを指導するボランティアリーダーの育成と大阪パビリオンへ植物工場の研究を基にした自給自足システム、飯田グループとの共同パビリオンで人工光合成によるエネルギー自足・ヘルスケアシステムの住宅を出展する予定。
同窓会は重要なので、多くの支部総会に出席させて頂いた。自分は箕面出身で北摂支部には親しみがあり校友会北摂支部として存続してほしい。府大卒業生と市大卒業生で新大学の卒業生を受け入れていただくようお願いしたい。
大学統合により大阪公立大学は全ての学問領域を包含した態勢が出来た。どこの国立大学にも引けを取らず、規模も国公立で3番目となった。開学時に大学の目指すものとして産・学・官・民共創のイノベーションエコシステムの拠点を作るイノベーションアカデミー構想を提唱。そのための建物建設のため20億円の資金拠出が決まり、大学のランク付けを進める国から、トップの国際卓越研究大学(3~4校)に次ぐ地域中核大学(25校)に選定され5年間で55億円が出ることになった。
最後に実質負担が少なく寄付ができるOMU基金への協力依頼があった。
来賓の宮川庄一有恒会副理事長(経昭45卒)からも、既に8支部が大阪市立大学同窓会支部から大阪公立大学校友会支部に名称変更している事。変更に際しては大阪公立大学の同窓会であることが分かるようにしてほしい事。前身大学の卒業生にも参加の声掛けをしてほしい等の依頼があった。
次に令和5年度活動報告として、事務局の渡辺博己副支部長(法昭46卒)から会員状況(15名減少して285名に、物故者7名)、会報誌発行、行事の実施状況、会議の状況等の報告と、情報充実のため北摂支部HPを開設したとの報告があった。次年度の活動方針としては、同窓会行事の実施、HPの充実により北摂支部が会員の身近な存在として意識されるように努めるとの説明があった。
最後に田路博士幹事(商平7卒)から会計報告を行って総会を終えた。
続いての講演は、著述家の青木育志氏(法昭46卒)をお招きし、「二つの文明圏と二大要素」と題して、日本文明論、比較文明論について講演頂いた。
青木氏は、世界の文明は戦争などの軍事面と議論法の二つの要素により敵対的文明圏と温和型文明圏に大別されると考え、日本文明はほぼ唯一の非抗争的文明であり温和型文明圏に位置づけられる。大陸という風土的要因から戦争・侵略を繰り返した西欧やロシア、イスラム、インド、中国の文明は敵対的文明圏に分類される。
敵対的文明圏では議論教育はスピーチ、ディベートを重視し、政治家はスピーチ力、ディベート力、判断力に長け国際会議に強いが、温和型文明圏の日本は政治家にそれらが劣り国際会議に弱いなどの特色がある。
近年温和型日本の良さが見直され、日本文化は世界的人気となっているが、国家の対応として軍事面、外交面で多くの課題を持っており、その対策として ①個人のディベート術の取得、②外交官、企業の対外折衝者のディベート力の向上、③研究者はディベートを駆使した研究と授業、④国民全員にはディベート訓練を通じて分析力、判断力を養い有権者としての資質を高くする ことが求められるとの内容であった。
日頃日本の政治、外交等に弱さを感じている状況下、その要因と解決策を示して頂いたところです。
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懇親会は、まず初めに物故会員に黙祷。大阪公立大交響楽団カルテットによる演奏(モーツァルト「ディベルティメントK136」より)を聴き、来賓の北村吉文有恒会事務局長(経昭48卒)による乾杯の発声で開宴。
食事、歓談の中、来賓の金村福寿市大同窓会大阪南支部長から、大阪市立大学への愛着を持っており大阪公立大学の大いなる発展を願って、府大卒業生も支部に入って頂き一緒になって大阪公立大学の発展に協力して行きたいとの発言があった。
次に亀梨祐司大阪市立大学同窓会事務局長代理から学生活動である起業部が行っている八木孝昌先生の著書「五代友厚名誉回復の記録」の刊行をクラウドファンディングにより行う起業部の活動を応援しているとの紹介があり、起業部の田中えみりさん(理学部1年)より活動に至った経緯の説明と出版費用と図書館等への本寄贈など五代友厚顕彰の費用をクラウドファンディングで調達したく協力依頼があった。
司会者の指名により、総会初参加で本日最長老出席者の朝倉治美氏(医昭36卒)からご経歴の紹介および支部行事には参加経験あり今後も参加したいとの発言があった。
小林由幸北摂支部副支部長(法昭49卒)から、北摂支部幹事、副支部長としての活動経緯及び北摂支部は豊中市、吹田市とエリアを拡げ会員は300人近くおられるが総会等への参加者が少ないので、知り合いの方に声掛けいただき北摂支部あることを広めて頂ければ有難いとの発言があった。
最も若い参加者の間宮亮氏(経平9卒)から、日ごろ忙しく仕事をしているが毎年楽しく参加させて頂いている。ご年配の先輩方多く参加されており、来年も元気なお姿を拝見できればと思っているとの発言があった。
来賓の北橋和也大阪公立大学渉外企画課長から、大学からイベント案内やお知らせが届き、また同級生やOB-・OG-の検索ができるオンラインコミュニティ「OMU-Net」の案内、共創パートナーの募集、企業向けネーミングライツパートナーの募集、OMU基金への協力依頼があった。
大阪市立大学同窓会から寄付頂いた本「大阪で生まれた開高健」(難波利三著)、「ラスト・イチダイ学長奮闘記」(荒川哲男著)を希望者に配布した。
再度カルテットの演奏(ハイドン「弦楽四重奏曲第53番ひばり」より)を楽しみ、各テーブル歓談で盛り上がる中で予定の時間となり、最後に全員で桜花爛漫を斉唱。
閉会の挨拶は萩の寺住職村山廣甫氏(法学研究科昭45修了)から、桜花爛漫に因む話があり、大阪公立大学の発展と大阪市立大学同窓生の健勝を願って一本締めを行い、午後2時半過ぎに閉会となった。