【セミナー開催記】令和7年度第2回北海道森田療法セミナー(初心者セミナー)を開催しました。(2025年8月9日 土曜日)
第2回は初心者向けセミナー!
前半は砂川市立病院の出利葉健太先生より「森田療法に学ぶ自分らしく生きるヒント」というテーマで講演、後半は出利葉先生の講演内容の理解をより深めるためにワールドカフェ形式のワークショップを、この2本立てのセミナー実施しました。
私は森田療法と出会って10年以上経ちますが、「森田療法って臥辱のやつだよね?」「まだ森田療法ってあったんですね」なんて声を耳にすることは珍しくありません。また森田療法を学んだことがある治療者からも「森田療法特有の用語が難しい…」といった理由で挫折した方も少なくないようです。
しかし今回のセミナーでは、出利葉先生が森田療法の真骨頂である「不安のメカニズムやアプローチの仕方」について、例え話を用いながら誰にでもわかる言葉で咀嚼してお話してくれました。その後のワールドカフェでは、出利葉先生の講演内容について5~6人の小グループで飲み物やお菓子をつまみながら初学者から経験者まで和気あいあいと学びを深めながら交流を深める時間を持つことができました。
そして参加者からは「楽しみながら学ぶことができた」「今まで独学で森田療法を学んできたが、仲間と一緒に学べるとより理解が深まる」といったリアルな声を聴くことができたのは、私たち運営スタッフの何よりの収穫でした!
さて、今年は10月3日(金)から5日(日)、日本森田療法学会の札幌大会が開催されます。札幌大会のシンポジウムでは出利葉先生のお話を聞くことができます!また違うテーマでのワークショップも開催します!今回のセミナーにご参加いただいた皆さま、そして今回お会いできなかった皆さまも、お会いできるのを楽しみにしています😄
💻第42回日本森田療法学会 札幌大会HP https://www.k-cav.com/jsmt42/
(文責:高澤祐介、大通公園メンタルクリニック 精神保健福祉士・公認心理師)
前半:出利葉先生による講義
後半:ワークショップの様子
【セミナー開催記】令和7年度第1回北海道森田療法セミナーを開催しました。(2025年7月19日 土曜日)
第1回のセミナーでは、「<変わる‐変える>をめぐる心理臨床 ー森田療法、リワークと私の物語(ナラティブ)ー」の演題で、鳴門教育大学大学院 臨床心理学領域 廣瀬 雄一先生にご講演いただきました。
オンライン含め40名近い参加者にご参加いただきました。お忙しいところご参加いただきありがとうございました。
講演者と講演内容
廣瀬雄一先生は、かつて大通公園メンタルクリニックのリワークに勤務されており、北海道森田療法研究会とも深いつながりをお持ちの先生です。今回のご講演では、リワークでのご経験を振り返りつつ、当時悩まれた事例を取り上げながら、後の臨床経験を通じて得られた気づきを交えて、森田療法の良さ、そしてナラティブセラピーの紹介と廣瀬先生の考える「語り」の重要性についてお話しくださいました。
また、本人や周囲それぞれの大切にしているものを意識する重要性を教えていただき、さらに「生きにくさを抱える人が生きやすくなるためには、社会全体を変える必要はなく、その人が生きていける半径10メートルを整えることを考える」といった言葉(村中 2020)も紹介され、社会の中で人を支えるとはどういうことかを改めて考える機会となりました。
ディスカッションと参加者の声
講演後にはディスカッションの時間が設けられ、参加者からの質問に対して廣瀬先生よりご丁寧なご回答をいただきながら、森田療法や廣瀬先生のご講演でご紹介いただいたナラティブセラピーの手法などについての熱い議論が交わされました。参加者の皆様にとって、森田療法の魅力とその可能性をより深く理解する機会となりました。
お忙しい中ご参加くださった皆様、そして貴重なご講演をいただいた先生方に、心より感謝申し上げます。
(文責:出利葉健太、砂川市立病院精神科 精神科医)