ごあいさつ


北海道森田療法研究会会長 

資生会 千歳病院 芦澤 健

 

 当研究会は、日本森田療法学会本部の依頼を受けて、2006年6月に発足しました。日本森田療法学会としては、当時入院森田療法から外来森田療法へとパラダイムシフトしていく途上でした。また、認定制度が様々な学会で誕生し、日本森田療法学会としても認定制度(認定医、認定心理療法士、認定指導員がある)が誕生し、全国で森田療法の展開のための拠点づくりが必要であった背景があります。

北海道では、個々の治療者が様々に森田療法的に関わっていることはあっても、森田療法を学ぶ者が集うことはありませんでした。私も森田療法に興味があって、勝手に森田療法を学び、臨床応用をしてきた1人です。私の森田療法は正しいのだろうかと検証の意味もあって、不安のままに、思い切って日本森田療法学会で発表したところ、思いのほか好評でした。不安のままに思い切って発表は、森田療法そのものの行動でした。そして毎年のように学会発表していたところ、突然私に北海道で森田療法研究会を作って欲しいとの話が来たのが始まりです。現在17年経過している研究会で、調度思春期です。研究会はまだまだ様々に成長する可能性があると考えています。我流で森田療法を学ばなくとも当研究会で十分学べる体制ができてきたと考えています。認定制度のポイントも出席すると付与されます。

さて、研究会の特徴ですが、非常に楽しく、自由に意見でき、ユーモアにあふれた研究会です。道外から招聘した著名な先生も普段言えないことも、フランクな雰囲気の中で発言し、大いに北海道を満喫して帰られることも少なくないようです。従来の絶対臥辱や症状不問等の漢字が並ぶ固いイメージから現代風に解釈され柔らかな森田療法が様々に展開していく面白さがあります。しかも認知行動療法との異同や第3世代が話題になる森田療法の最先端の意見や考えに触れることもあります。

最後に私の森田療法の日常臨床で使っているダジャレを紹介して稿を終わります。簡便にして面白く、森田療法の内容を含んでいます。

「症状を取ろう(トロウ)、取ろう(トロウ)とする」とどうなりますかと患者に聞くと、様々な答えが返ってくるでしょう。すかさず「徒労(トロウ)に終わります」と伝えます。徒労に終わるのだから症状は取らずに、あるがままに、為すべきことを為すこと(目的本位)が治療的であることを伝えます。そして次回からの外来では同じ質問を繰り返し、患者に「徒労に終わります」を毎回言わせています。どうでしょうか、少しでも面白かったら当研究会はとても性にあっているでしょう。よくわからなかったら、よくわかるように研究会に来てみませんか。

どうぞ参加して下さい。お待ちしています。