人間活動により生物の絶滅,外来性生物を含めたある特定の種の個体数の増加などにみられる生態系の劣化が懸念されています.これによって,我々が生態系から受けていた食料や飲み水などといった恩恵「生態系サービス」の質が低下するだけでなく,食害問題など我々の営みが逆に脅かされるといったケースが増えています.この研究では,生態系サービスの持続的な活用を目指して,カメラやソナー,水質計などのセンサ,IoT技術やUAV等のロボット技術,画像処理,AI技術などの最新の技術を用いて,遠隔地にて自動で個体数監視が可能なシステムの開発を進めています.
広域モニタリングにより蓄積された膨大なデータを時空間軸の両面から多角的に解析します.環境劣化の「時期・地点・要因」を科学的に特定し,その背後にある物理的・生物学的メカニズムを解明することで表面的な処置に留まらない,生態系の根源的な保全・再生アプローチの確立を目指します.具体的には,GIS(地理情報システム)や統計モデルを活用し,生態系劣化のプロセスを時空間的に可視化・分析します.これにより,劣化の根本原因を取り除く「根治療法」を提案します.抜本的な解決が困難な事象に対しては「順応的管理」を導入し,試験的な介入とモニタリングを繰り返すフィードバック・ループを通じて回復への最適解を探究します.
鳥獣被害という人間との軋轢を解決するため,私たちはモニタリング技術を活用した「スマート鳥獣追い払い装置」を開発しています.高精度センサやAIなどによる自動検知と非殺傷の撃退システムを組み合わせ,農地や居住区を守りながら野生動物との健全な境界線を再構築することを目指しています.最近ではカラス用レーザ追い払い装置やマガン用追い払い装置を開発しています.
北海道大学構内,北海道の湿原,湖沼で保全活動を行っています.湿地の研究や保全活動に関するセミナーも開催しています.詳細は以下のフェイスブックをご覧ください.