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大池 広志 (Hiroshi Oike)
国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター(MANA)
量子ビット材料グループ 主任研究員
OIKE.Hiroshi_at_nims.go.jp
過去の科学者たちが残してきた研究の蓄積は膨大なものですが、現在でも新たな発見が次々と生まれています。これは自然が無限に奥深いのに対し、人智がその表層しか捉えられていないからだろうと思います。この無限の可能性の中から自然を理解する斬新なコンセプトを見つけ出し、革新的な技術へと繋げることを狙って研究を行っています。私の研究テーマは、多様な物質中に無数に存在する電子の運動を理解し、新現象を開拓することです。電線を通して電力が供給され、PCやスマートフォンの中で情報処理が行われるのは、金属や半導体の中で電子が流れているからです。また、電子は原子核を繋ぎとめる結合を作る役割も果たしており、固体がその形状を保つ起源にもなっています。このように、多様な物質の性質や安定性の背後では、電子が多様な役割を果たしています。物質中における電子の変幻自在な振る舞いはまだまだ未解明であり、新現象を引き起こす可能性を秘めています。
研究の蓄積の膨大さは、近い研究分野だけでもフォローしきれないほどです(少なくとも私にとっては)。そのような中で最先端の研究成果をあげるためには専門分野に特化する必要がありますが、それだけだと細分化して孤立した分野が増えて行く恐れがあります。またそれに伴って、研究者の視野が狭まってしまうかもしれません。今後の研究においては、各分野で確立された高度な概念を分野を超えて繋いで行くことがますます大事になるでしょう。もし研究内容を見て頂いて少しでも面白そうだと思える部分があれば、仮に理解できない部分が多かったとしてもご連絡頂けると、お互いの視野が広がるのではないかと思っています(サイトの内容に誤りがあった場合もご指摘頂きたいです)。