広島実験心理学研究会

Hiroshima Experimental Psychology colloquium

ホーム | これまでの研究会 | 運営委員 | 内規 | リンク | 入会

これまでの研究会


第37回 2019年12月11日(水) 18時~(広島大学大学院教育学研究科A棟6階 A617 )

※過去の感情制御勉強会 http://rkoba1993.wp.xdomain.jp/research/documents/hoer/

  • 小林亮太(広島大学)「感情制御の代表的なモデルと関連要因の紹介」

内容:感情制御の代表的なモデルにGrossのプロセスモデルが存在する。本発表では,このモデルを中心に,その拡張版モデルや応用モデルなどを紹介していく。また,近年の研究で検討が進められている感情制御に関連する様々な要因についても紹介を行った上で,感情制御研究の展望や応用可能性について議論を試みる。

  • 本多樹(広島大学)「 感情への気づきと感情制御の関連について考える」

内容: 様々な理論において,感情への気づき (emotional awareness) は感情制御を促進する要因であると考えられている。しかし,先行研究を概観すると感情制御との関連は一貫していない。本発表では,感情への気づきの定義や測定方法,感情制御との関連を紹介し,あらためて感情への気づきと感情制御の関連について考える。

  • 河原剛(広島大学)「 注意バイアス修正法 (Attention Bias Modification) の紹介 ‐感情制御の観点から‐」

内容: 感情制御が低下していると考えられる様々な精神疾患において,特有の注意の偏り (Attentional Bias) が見られることが報告されている。近年の研究では,この注意の偏りを修正することにより感情制御を促進しようとする動きが見られる。本発表では,注意の偏りを修正する注意バイアス修正法の研究を紹介し,注意の偏りを修正することと感情制御との関連について考える。


第36回 2019年12月10日(火)12:50~(広島大学大学院教育学研究科第3・第4会議室)

  • 橋本 淳也(広島大学)「抑うつ傾向者における意図的/無意図的想起による気分改善効果の違い」

内容:先行研究では抑うつ傾向者において、ポジティブ記憶を意図的にまたは無意図的に思い出すかによって気分改善への影響が異なることが示唆されている。本研究では、無意図的想起が気分の改善をもたらすことを明らかにするとともに、抑うつ傾向者における意図的/無意図的想起による気分改善効果の違いについての実証を行った。本発表では、本研究について博論構想の形式で発表し、議論を行っていく。


第35回 2019年11月12日(火)12:50~( 広島大学大学院教育学研究科第3・第4会議室)

  • 小林 亮太(広島大学)「脱中心化と認知的再評価の関係性」

内容:近年の認知行動療法において重要とされる概念として「脱中心化」が存在する。本発表では,その脱中心化を認知的再評価が高める可能性を検討した研究を紹介する。その上で,本研究の限界点や今後の展望について議論する。


第34回 2019年10月8日(火)12:50~ (広島大学教育学研究科 第一会議室)

  • 中尾 敬(広島大学)「心理実験における生理指標の位置づけ」

内容:心理学においては古くから脳活動や末梢生理指標が用いられてきた。近年では心理実験と生理指標との関係も多様化してきている。本発表ではそれらを概観し、心の理解に生理指標を用いることの意義と用いる際の注意点について議論する。


第33回 2019年9月9日 (月) 13:00~ (広島大学大学院教育学研究科A617)

  • 藤田和也(東京大学)「意思決定課題において実験刺激をどう選ぶか?―測定の精度を高める刺激選択法―」

内容: 特性の測定および推定は,推定法,モデル (分析手法) ,そして実験刺激あるいは質問項目に依存する。本発表では実験刺激 (e.g. 記憶課題であれば記銘させる単語等,意思決定課題であれば報酬額等) に着目し,参加者の特性に応じて適応的に刺激を選択する手法の効果を示す。前半では,なぜ刺激を適応的に選択するべきか,および適応的な刺激選択の枠組みについて説明する。後半では具体例として曖昧性を含んだ意思決定課題において,適応的な刺激選択により推定の精度が向上することを示す。


第32回 2019年7月9日 (火) 12:50~(広島大学大学院教育学研究科第3・第4会議室)

  • 柏原志保 (広島大学教育学研究科)「健常者における幻聴様体験と自発脳波の複雑性の関連」
  • 中川莉沙 (広島大学教育学研究科) 「ワーキングメモリ容量と課題の難易度がマインドワンダリングの生起量に及ぼす影響」
  • 橋本淳也 (広島大学教育学研究科) 「バランスのとれた時間的展望と自発脳波の関連ーα波の左右差を用いた探索的検討ー」
  • 鶴園隆行 (広島大学教育学研究科) 「歴史教材における文章レイアウトが読み手の主観的理解度と記憶に与える影響」
  • 河原 剛 (広島大学教育学研究科)「社交不安が注意解放におけるバイアスへ与える影響 -表情に着目して-」
  • 桑原るり (広島大学教育学研究科) 「先延ばし時にとっている行動の探索的検討ー課題成績との関連ー」
  • 長柄 明 (広島大学教育学研究科) 「先延ばしタイプとネガティブな結果に対する懸念」


第31回 2019年6月11日 (火) 12:50~(広島大学大学院教育学研究科第3・第4会議室)

  • 馬 達 (広島大学教育学研究科)「中国語母語話者の言語情報保持の特徴―日本語母語話者との比較― 」

内容:本発表では、発表者のこれからの研究構想を発表したいと思います。中国語母語話者と日本語母語話者が同じ漢字という文字を使用しているにも関わらず、言語情報の保持プロセスが異なる可能性がある。中国語母語話者と日本語母語話者の言語情報保持は,何が違うから違うのか?考えられる要因や,それを検証するための研究案を発表したいと思います。博士課程後期で,どの研究をどのように組み合わせて行うのが良いか,アドバイスをお願いします。

  • 平川真 「間接的要求の解釈傾向と社会的報酬に基づく学習との関連」

内容: ことばを用いたコミュニケーションでは、話し手が伝えようとした情報が発話に含まれていないことがあります。たとえば、「この部屋寒いね」という発話は、ことば通りには「話し手にとってこの部屋が寒い」ということを意味していますが、話し手はこの発話によって「暖房をつけてくれ」という要求の意味を伝えようと意図していることがあります。これまで、「どのようにして聞き手は、発話のことば通りの意味には含まれていない話し手の意図を理解するのか」という問いに対しては、「発話のことば通りの意味と活性化した情報を用い、話し手の意図を推論する」という推論過程を想定し、発話理解中の処理過程が検討されてきました。発表者は、間接的発話の理解において、他者からのフィードバックといった社会的な相互作用が重要な役割を果たしているのではないかと考えています。この考えに基づき、本発表では、間接的要求の解釈傾向と社会的報酬に基づく学習との関連を検討した研究を報告します。


第30回 2019年5月7日 (火) 12:50~(広島大学大学院教育学研究科第3・第4会議室)

  • 橋本 淳也 (広島大学教育学研究科)「抑うつ者におけるポジティブ記憶想起による気分悪化メカニズムの解明」

内容:抑うつ状態にある者はポジティブな記憶の想起を行っても、気分が改善が生じずむしろ悪化にもつながることが知られている。しかしそのメカニズムは未だ明らかとなっていない。そこで本研究では、検索を適切に制御する機能の観点からそのメカニズムについて検討を行っていく。以上の内容について、学振の申請形式に沿って発表を行う。

  • 朱 建宏 (広島大学教育学研究科)「外的基準による意思決定と内的基準による意思決定間の関連:価値の共有と意思決定傾向の共通性から検討する」

内容:内的基準による意思決定と外的基準による意思決定がお互いに影響するのかといった関係は未解明である。そこで、本研究は内的基準による意思決定で学習した価値が外的基準による意思決定に影響するかと外的基準による意思決定で学習した価値が内的基準による意思決定に影響するか、この二方向から価値の共通性について検討し、外的基準による意思決定における「固執性」と内的基準による意思決定における「選択による選好」との共通性も検討する。以上の内容について、学振の申請形式に沿って発表を行う

  • 馬 達 (広島大学教育学研究科)「中国人と日本人の漢字情報保持の特徴:WMモデルからの検討」

内容:漢字という共通の文字を使用しているにも関わらず,中国人と日本人は異なる漢字情報保持プロセスを行っている可能性が示唆されている。そこで,本研究では,TBRSモデルの観点から,中国人と日本人の言語情報を保持するメカニズムの違いを明らかにする。以上の内容について、学振の申請形式に沿って発表を行う。


第29回 2019年3月20日 (水) 、13:00-(広島大学教育学研究科B棟3階 B313)

発表内容:http://rkoba1993.wp.xdomain.jp/hoer3/

  • 小林亮太 (広島大学教育学研究科): 「感情制御とマインドフルネスの結びつきについて」

要約:感情制御,マインドフルネスともにネガティブ感情の低減や精神的健康の促進という点で注目を集めている。しかし,この2つの関係性についての研究はあまり多くはない。Handbookの32章 (Farb et al 2013) では,感情制御のプロセスモデルにマインドフルネスを落とし込もうとする取り組みが述べられている。今回はこの32章に基づき発表を行う。

  • 李 受珉 (広島大学教育学研究科):「貧困について考えるー感情制御の視点からー」

要約:経済的地位の低い人々つまり,貧困である人々は,自らコントロールできない様々な逆境に直面しながら,生活に苦しんでいる。しかし,日本では生活保護をはじめとする経済支援は行われているものの,他の先進国 (OECD)とは異なり,貧困家庭の実質的な救済に至っていないという現状がある。この問題に関して,shift-and-persist strategies (S-P)が解決の鍵になる可能性が報告されている。本発表では,(1)Handbook of emotion regulationの34章を紹介した上で,(2)社会経済的地位の低い人々に対するS-Pの効果についての研究事例を紹介する。

  • 本多 樹 (広島大学教育学研究科):「感情制御と内受容感覚の結びつきについて」

要約:身体内部環境に対する感覚として内受容感覚があり,古くはJames (1884) らの抹消起源説により感情体験の基盤を成すものとして捉えられている。近年においては,内受容感覚に対する鋭敏さが,感情制御を行う傾向や能力に関連することが明らかにされている。本発表では,これら先行研究に基づき,感情制御と内受容感覚の結びつきについて紹介する


第28回 2019年2月21日(木)、14:00~15:00(広島大学教育学研究科B棟3階 B313)

野口泰基 先生 (神戸大学大学院人文学研究科)

「笑ってごまかせ」は本当に起こるか? 口の変化による目の微表情変化の抑制

要約:嫌いな人に突然会ったとき、我々は反射的に嫌悪の表情を示してしまうかもしれない。ただその人が上司なら、すぐに切り替えて笑顔で挨拶する必要がある。このような「後付けの笑顔(follow-up smile)」の有効性を、科学的に検証した研究は少ない。後から浮かべた偽の表情は、瞬間的に出てしまった真の表情を隠すことが、本当にできているだろうか?今回私たちは、モーフィングを用いて表情変化の動画を作成し、実験室環境でこのような状況(真の表情の後に偽の笑顔が続く状況)を再現した。その結果「follow-up smile の効果は、ある程度ある」という結論を得た。

企画者:小宮 あすか (広島大学大学院総合科学研究科)、中尾 敬(広島大学大学院教育学研究科)

※日本心理学会の研究会制度の支援により開催いたしました。


第27回 2019年1月8日(火)12:50~ (広島大学教育学研究科 K棟104)

学振採用者からの体験談

  • 平本亮介(実験心理学) 区分:DC1
  • 戸谷彰宏(社会心理学) 区分:DC2
  • 小澤郁美(教育心理学) 区分:DC1
  • 清水陽香(臨床心理学) 区分:DC1


第26回 2018年11月13日(火)12:50~ (広島大学教育学研究科 第三・第四会議室)

  • 朱建宏:選好による選択時の競合検出の個人差に影響する要因
  • 柏原志保:学振特別研究員の申請に向けて―DC2の体験談―


第25回 2018年10月30日(火)18:30-19:30 (広島大学大学院教育学研究科B313)

  • 小林 亮太 (広島大学大学院教育学研究科) 「handbook of emotion regulation 20章」

※発表資料は http://rkoba1993.wp.xdomain.jp/research/hoer/ を参照。


(広島実験心理学研究会共催)

第10回感性脳工学研究会セミナー

Neuroscience-inspired multisensory design

2018年10月29日(月)10:00-12:00

広島大学広仁会館(広島市南区霞1-2-3) https://goo.gl/maps/JH4xCv8yNMB2

詳細はウェブサイトをご参照ください https://sites.google.com/view/kbesem10th/japanese


第24回 2018年9月14日(金)14:00~ (広島大学東広島キャンパス総合科学研究科 第一会議室(事務棟3階))

  • 14:00-14:30 磯村朋子(早稲田大学):社会性認知を支える内受容感覚の役割
  • 14:30-15:00 佐々木恭志郎(早稲田大学,日本学術振興会特別研究員SPD):感情の認知科学
  • 15:10-16:10 渡邊克巳(早稲田大学):感情と行動における無意識的過程

企画者:有賀敦紀 (広島大学大学院総合科学研究科)


第23回 2018年7月31日(火) 12:50~ (広島大学大学院教育学研究科 K203)

  • 藤木大介:「共同がアイデア生成に及ぼす影響」に関する人々の信念
  • 馬 達:中国人日本語学習者の漢字熟語の同音判断に構音抑制が及ぼす影響
  • 小林亮太:心のゆとりと主観的な幸福感は異なるのか?
  • 田中 光:小学校高学年を対象とした意見文産出方略の使用尺度の作成
  • 柏原 志保:他者行為の観察による虚記憶のパラメータの推定―ベイジアンMPTアプローチによる検討―
  • 長柄 明:能動的先延ばし概念の再検討


第22回 2018年6月12日 (火) 12:50~(教育学研究科第3・第4会議室)

  • 楊 琬璐 (広島大学大学院教育学研究科) 「標準化された国際的情動音刺激データベースの拡張」

IADS-E国際情動音刺激データベース(IADS-2)の拡張版)

内容:人間の感情的プロセスをよく理解するために、文化圏にかかわらず同じような感情反応を示す刺激を使う必要がある。フロリダ大学the NIMH Center for Emotion and Attention (CSEA) は、1999年から、感情実験に使える国際的情動刺激データベースを開発してきた。このうち、視覚刺激データベースであるIAPSと聴覚刺激データベースであるIADSは代表的なものである。しかし、IAPSを用いた視覚刺激由来の感情研究に比べ、IADSを用いた聴覚由来の感情研究はそれほど多くない。その主な原因として、IADSの刺激数が少ないことが考えられる。これにより、そもそも条件ごとに刺激を割り振る際に、様々に異なる特徴を持つ音刺激(動物・自然・生活音など)の選択の幅が狭いことや、音刺激から喚起される感情価に偏りが生じる傾向が高いことなど、音刺激の選択を実験上で等しく統制することが難しく、それゆえ感情研究に使われにくいからであると考えられる。以上の事から、音刺激データベースの改善および拡充が必要であると考えられる。本研究は、感情喚起用の聴覚刺激データベースの中で最も使用されているIADS-2に新たな音刺激を追加し、標準化された音刺激データベースを拡張した。そして、この新しく開発した聴覚刺激データベースを使って、聴覚刺激の感情価と覚醒度が再認記憶に与える効果や、視聴覚の統合が感情に与える影響について検討し、IADS-Eの有用性を示した。


第21回 2018年5月8日 (火) 12:50~ (教育学研究科第3・第4会議室)

  • 柏原 志保 (広島大学大学院教育学研究科) 「観察による行為の虚記憶は如何に生起するか―生起機序の解明と応用可能性の検討―」

内容: 他者行為の観察が,記憶の変容をもたらすことがある。他者の行為を観察することで,後に自身は行っていない行為を自己の行為として想起する現象は「観察による行為の虚記憶(observation inflation)」と呼ばれ,その生起にかかる要因が検討されてきた。本研究では,この現象の生起機序の解明を目指し検討を行った。本発表は,上記の計画について,学振の申請書形式に沿って発表を行う。


  • 橋本 淳也 (広島大学大学院教育学研究科) 「記憶の無意図的想起による抑うつ者の気分改善:メカニズム解明とその神経基盤」

内容: 記憶の無意図的想起は抑うつ者にとって気分の改善をもたらす可能性が示唆されている。そこで、本研究ではその現象の確認、メカニズムの解明を行い、無意図的想起の臨床的応用につなげていく。以上の内容について、学振の申請形式に沿って発表を行う。


  • 小林 亮太 (広島大学大学院教育学研究科) 「自身の感情制御が他者の感情制御に及ぼす影響」

内容: 感情制御を行うことで,自分の他の能力や特性が変化すること,すなわち感情制御の波及効果が知られている。しかし,これまで波及効果については個人内過程にのみ焦点が当てられてきた。そこで,感情制御の波及効果に他者の観点を取り入れ,検討を行った。以上の内容などをまとめ,学振の申請の形式に沿って発表を行う。


第20回 2018年4月10日 (火) 12:50- (教育学研究科第3・第4会議室)

  • 橋本淳也 (広島大学大学院教育学研究科認知心理学研究室)「自伝的記憶の想起意図の有無が感情に影響を及ぼすメカニズムの検証」

内容:人が過去の自身の経験を思い出すときの思い出し方には,自ら主体的に思い出す「意図的想起」と,思い出そうという意図がないにもかかわらずふと思い出される「無意図的想起」の2つがある。これまでの先行研究において2つの想起形態は,感情に与える影響が異なることが指摘されてきた。発表者のこれまでの研究では,気分の回復という観点から無意図的想起が感情に及ぼす影響および想起形態の違いがもたらす影響の違いを明らかにしてきた。これからの研究においては,なぜ想起意図の有無によって感情に与える影響が異なるのか,そのメカニズムについて検討を行っていく。以上の内容について学振の申請に沿って発表を行う。


第19回 2018年2月21日 (水) 13:00-(教育学部K203講義室)

・神原利宗 (広島大学大学院教育学研究科・助教) 「音声を短期間保持する際の脳の活動メカニズムを探る皮質脳波研究の1例 」

内容: 本発表では人間が音声を短期的に保持する際の脳の活動について計測した皮質脳波研究の1例について紹介する。


(広島実験心理学研究会共催)

脳解析シンポジウム:日常のこころを読み解く脳信号解析法 ~ウェアラブル脳計測の利用に向けて~

2018年2月20日(火) 13:00-16:00

広島大学 霞キャンパス 臨床講義棟 第4講義室

詳細はウェブサイトをご参照ください https://sites.google.com/view/bransmp18wbs/

ポスター https://1drv.ms/b/s!AnoX-ynKpRmL0GqcYtsZ2Bj4p25T


第18回 2018年2月2日 (金) 17:00~(教育学部 B313)

・小林亮太 (広島大学大学院教育学研究科) 「感情制御と内受容感覚の関連:Grossのプロセスモデルを踏まえた検討」

内容:Grossによる感情制御のプロセスモデル,およびそのモデルに基づく知見を紹介する。その上で,感情制御そのものについて,あるいは感情制御研究の応用可能性,展望について言及する。

※発表資料は http://rkoba1993.wp.xdomain.jp/research/hoer/ を参照。


第17回 2018年1月9日 (火) 12:50~(教育学研究科第3・第4会議室)

・平本亮介 (広島大学大学院教育学研究科) 「視覚-統合型ラバーハンドイリュージョンに及ぼす機能性の影響」

内容:人は特定の状況下で,実際には自己身体に帰属しない外部物体を自己の身体としてみなす。その現象はラバーハンドイリュージョンと呼ばれ,その手法は人の身体表象の獲得メカニズムを検討するために用いられている。近年,現象生起を説明するものとして機能性身体モデル仮説と呼ばれる,外部物体の機能性に着目した理論が展開されている。発表者は,仮説をより詳細に検証するため,機能性を細分化しそれらの影響をラバーハンドイリュージョンパラダイムを通じて調査を行った。本研究回ではその成果をまとめ報告する。


第16回 2017年12月12日 (火) 13:45~ (教育学研究科第3・第4会議室)

  • 柏原 志保 (広島大学大学院教育学研究科) 「運動情報処理過程が観察による行為の虚記憶に及ぼす影響」

内容:他者行為を単に観察することによって,自身では遂行していない行為を「遂行した」と誤って想起する,行為の虚記憶現象 (observation inflation) が繰り返し報告されている。近年,この虚記憶現象の生起について,運動シミュレーションによる影響が示唆されている (Lindner et al., 2016)。発表者は,observation inflation現象の生起メカニズム,特に運動システムの影響に関心を持ち,検討を行ってきた。本発表では,博論の構想と今後の研究方針について報告する。


第15回 2017年11月14日(火) 12:50~ (教育学研究科第3.4会議室)

  • 小林隆昌(広島大学大学院教育学研究科)「注意の瞬きの訓練効果」

内容:注意には,空間的な限界と時間的な限界が存在する。その中でも,注意の時間的な限界を示す現象に注意の瞬きがある。近年では,注意の瞬きが訓練によってその生起を減少できることが報告されている。発表者は,これまで注意の瞬きの訓練効果について複数の研究を行ってきた。本研究会では,それらの「注意の瞬きの訓練効果」に関する研究をまとめ、報告する。


第14回 2017年10月27日(金)13:00~15:30

「Tactile Perception, Bodily Consciousness, and Sense of Self(触覚と身体的意識,そして自己感覚)」

登壇者(発表順、敬称略):

・金山範明(広島大学)

・平本亮介(広島大学)

・Andreas Kalckert(University of Reading Malaysia)

・Treshi-Marie Perera(University of Reading Malaysia)

・北川智利(前 NTTコミュニケーション科学基礎研究所)

共催:科学研究費(若手研究(A))課題番号: 16H05958「身体獲得の生起と維持メカニズムの数理モデルによる解明」

詳細は https://sites.google.com/view/intsymtacbodself をご参照ください。


第13回 2017/10/10

  • 難波 修史(広島大学大学院教育学研究科)「情動体験と表情のつながりに関する実験的検討:表出および知覚の観点から」

内容:発表者はこれまで「情動体験と表情の対応に関する知見を拡張する」という目的のもと、表出および知覚の二側面から複数の研究を行ってきた。本研究会ではそれらの「情動体験と表情の対応」に関する研究結果をまとめ、報告する。


第12回 2017/7/11

  • 平本 亮介(広島大学大学院教育学研究科)「ラバーハンドイリュージョン生起とその神経基盤 -利益獲得機能性による影響と仮想現実の利用-」

内容:自己身体外部に存在する物体を自己身体の一部として認識する,ラバーハンドイリュージョンと呼ばれる現象が存在する。近年,この現象の生起にはその物体が「体の一部として役割を果たしそうか」という観点と,「その利用によって生体にどう利益が得られるか」という2つの観点による影響が示唆されている。発表者は特に後者,便宜上”利益獲得機能性”を呼ぶ,この観点による影響について着目し,検討を行っている。本研究会では主に”利益獲得機能性”がラバーハンドイリュージョンの生起やその神経基盤に対してどのように影響するのか,についての研究方針についての報告を行う。また,発表者の想定する研究方針では,実験材料として仮想現実(バーチャルリアリティ)装置を用いたものを想定しているため,装置利用状況化における実験手続きについて,活発な議論がなされることを期待する。


第11回 2017/06/13

  • 田中 光(広島大学大学院教育学研究科)「レポート作成における読み手を意識した文章作成方略」

内容:近年,大学初年次教育では,大学における学び方の指導として論文やレポート作成の指導が盛んにおこなわれている。レポート作成の指導は,様式等の獲得だけでなく,読み手にとってわかりやすい文章を書くことができるようになることが達成すべき目標と1つであろう。しかし,読み手にとってわかりやすい文章を書くために具体的にどのようなことをすればよいのかは明らかではない。そこで本研究では,レポート作成における読み手を意識した文章作成方略に関する尺度を開発した。今研究会では,その過程と今後研究の方針について報告する。


第10回 2017/05/25

  • 宮城 円(広島大学大学院教育学研究科)「選択による選好の変化の生起とその生起量を規定する要因」

内容:同程度に好ましい2つのものからより好ましい方を選択すると,自分が選んだものはより好ましくなる。この現象は「選択による選好の変化(choice-induced preference change; CIPC)」と呼ばれ,従来自由選択パラダイムを用いて検討されてきた。だが近年,自由選択パラダイムの手続きに問題が指摘されていることから,適切な実験パラダイムを用いてこの現象の生起を検討する必要がある。本研究では,自由選択パラダイムの問題を回避できる閾下提示選択パラダイムを用いて,CIPCの生起およびその生起量を規定する要因について検討した結果を報告する。


第9回 2017/05/09

  • 宮城 円 (広島大学大学院教育学研究科)「選択による選好の変化の生起とその生起量を規定する要因について」
  • 野口 由華(広島大学教育学部)「情動コンピテンスについて」


第8回 2017/04/11

  • 難波修史(広島大学大学院教育学研究科)「体験表情を用いた情動的共感の処理メカニズムの解明」


第7回 2017/01/10

  • 神原広平(広島大学大学院教育学研究科)「反すうの処理モードが課題からの回避行動に与える影響についての検討」
  • 西本美花(広島大学大学院教育学研究科)「競合適応効果に関するコンフリクトモニタリング仮説の検討」


第6回 2016/12/13

  • 福屋いずみ(広島大学大学院教育学研究科)「複数の地図と文章の理解」


第5回 2016/11/08

  • 田中 光(広島大学大学院教育学研究科)「アドホックカテゴリーリストの記憶表象構造の検討」


第4回 2016/10/11

  • 難波修史(広島大学大学院教育学研究科)「感情体験を伴う表情のコミュニケーション機能の解明」


第3回 2016/07/12

  • 宮城 円 (広島大学大学院教育学研究科)「選択による選好の変化の生起過程の検討」


第2回 2016/06/14

  • 福屋いずみ(広島大学大学院教育学研究科)「地理の因果的理解を促進させる教材開発ー地図同士を関連づける読み方略を導く配置とはー 」


第1回 2016/05/10

  • 山根嵩史(広島大学大学院教育学研究科)「記憶課題における学習容易性判断に対する手がかり利用仮説の適用」