本講演では、あるシステムやインターフェイスの知覚的な品質がいいかどうかを理解するには、多感覚統合を扱う研究を考慮する必要があることを示す。
近年多感覚的デザインの重要性が認識されるようになってきているのも、本来顧客は製品、デバイス、あるいはインターフェイスと、多感覚的に関わるものだからだ。
しかしながら、実に多くの人が、製品、デバイス、あるいはインターフェイスに関して、「非常に厳密に単一の感覚特性を変化させるという方法で、その知覚的品質の向上をもくろむ」という、典型的な間違いに陥っている。これらは通常その他の感覚とも関連づいているものだということを無視している。
例えばモバイルデバイスにユーザーが触ったとき、タッチ音を鳴らすなど、音声を変えることでその品質を変えられる場合がある。
同様に、音を加えることで消費者との相互作用を促進することは、ARを使った服飾アプリから、モダーンなレストランで提供される料理などにも応用可能である。
多感覚知覚に関する研究は、様々な場で働くオペレーターのための多感覚提示技術や、警告システムのデザインに関する重要な示唆を与え始めている。
例えば、運転者への多感覚警告システムなどが、その顕著な例である。
人間の多感覚知覚を制御しているルールをよく理解すれば、製品やシステムの知覚的な品質やユーザビリティを計測する方法についても、向上させる方法についても、よりよく理解する事ができる。
このことは、我々の使うデバイスや、日用品においても、より刺激的で、楽しく、直感的に使うことができ、直感的な反応を返してくれるもの、そしてより安全なものにすることもできる。
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共催
科学研究費16H05958、広島実験心理学研究会、COI広島大学