Research
九州工業大学 情報工学部 早川研究室
九州工業大学 情報工学部 早川研究室
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代謝物とは生命が生体内で合成する化学物質であり、エネルギー源となるグルコースや神経伝達を担うドーパミン、生物毒やフェロモンまで、その構造や機能は生命活動のあらゆる側面に関与しています。代謝物の研究は、代謝という生命の基本原理の理解から始まり、有用天然物、生命進化、医療、食品、環境保全に至るまで、幅広い分野に革新をもたらす可能性を秘めています。
我々は最新の分析化学とデータサイエンスを駆使し、多分野の研究領域と連携することで、「自然界・生命史における代謝物の多様性と進化」や「生命現象の背後にある代謝変動のダイナミクスとそのメカニズム」の解明 を目指しています。 また、そのための独自のデータ解析技術の開発を行うことで従来の手法では捉えきれなかった代謝物の複雑なネットワークと、その動的な変化を包括的に理解することに挑戦しています。
この分野は、アカデミアの基礎研究にとどまらず、産業分野への発展性や環境問題などの課題解決にも大きく貢献すると期待されています。今後、オミクス技術やAI、ビッグデータ解析などの先端技術との融合により、代謝物の研究はさらに加速し、予想もしなかった発見や応用が生まれる可能性があります。代謝物の世界は、ミクロな視点からマクロな課題解決まで、科学と社会を橋渡しする重要な研究領域です。
キーワード: 分析化学、データサイエンス、代謝物、ペプチド、質量分析、天然物化学、生物進化、食品、環境化学
質量分析とインフォマティクスによる機能的二次代謝物の探索(毒キノコ・クラゲ等の原始的生物・毒性植物) (https://www.nature.com/articles/s41559-022-01835-7)
マルチオオミクスによる多彩な生物の二次代謝物の多様性と進化の解明(神経伝達物質・毒ペプチド等)
膨大な質量分析データに隠れた未知の二次代謝物群を一挙に解析するアルゴリズム・解析ツールの開発・応用
大規模メタボロームデータと生成AI(LLM)の連携によるデータ駆動型の疾患メカニズム研究(https://biosciencedbc.jp/funding/project/202403.html)
分析データサイエンスによる食品の安全性研究 (国立医薬品食品衛生研究所生化学部とのコラボレーション https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/download_pdf/2022/202224012A.pdf)
分析データ駆動型の環境解析プラットフォーム開発( 国立環境研究所他とのコラボレーションhttps://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23H00539/)
これ以外にも学生自身の興味・発想に基づいたプロジェクト案を歓迎します。興味のある生物・現象に対して当研究室の質量分析インフォマティクスの技術とノウハウを活用することで他に例のない新規の研究が可能です。
研究内容に関する詳細は早川(eisuke.hayakawa[AT]bio.kyutech.ac.jp ※ [AT]は @ に置き換えて下さい)までお問い合わせください。
私たちの研究室では、最先端の分析化学とデータサイエンスを駆使し、未知の代謝物の世界に挑戦しています。当グループでの研究を通して、分析化学や生化学はもちろん、最先端のオミクスサイエンス、ケモインフォマティクス、そしてそれらを統合するデータサイエンスの技術が身に付きます。
本研究室で研究をするために必須な事前知識・経験(プログラミング等)は特に設定していません。本学(九州工業大学)や理系の専攻で学ばれた方であれば、どなたでも参加可能です。
オミクスサイエンス
メタボロミクス、プロテオミクス、トランスクリプトミクスを統合し、生命システムを包括的に理解します。マルチオオミクスの解析経験はビッグデータ駆動のこれからの生命科学・医療などの他分野で強い武器になります。
分析化学データサイエンス
分析化学の中でも質量分析は最も広く使われている技術であり、「古くて新しい」技術といえます。近年は装置の高度化と多分野での活用が進み、その市場は年率7-8%で成長していると言われています。この成長率は多くの科学技術分野を上回り、今後も拡大が続くと予測されています。特に注目すべきは、膨大な質量分析データを解析する技術の高い需要とその可能性です。この分野は現在、大きな可能性を秘めた未開拓領域となっています。
私たちの研究室では、質量分析を中心とした分析化学とデータサイエンスを融合させた先端的なアプローチに取り組んでおり、ここで培うスキルは将来研究者・技術者としてもデータサイエンティストとしても高い価値を持ちます。急成長する分野でのニーズの高い高度な専門性を身につけることは将来のキャリアに大きなアドバンテージになります。
プログラミング・データサイエンス
本研究室ではテーマによって、機械学習、大規模言語モデル、グラフ(ネットワーク)解析、データ可視化などの近年注目度とニーズが高い技術を積極的に取り入れています。研究を通してこれらの技術を習得することで、アカデミア・企業問わず、将来多分野で活躍することができます。
研究室に参加する時点では必須ではありませんが、プログラミングの技能は研究する上で少しずつでも身につけてもらいたいと考えています。
研究室配属後にプログラミング(Python)講習を行う予定です。それぞれの興味・ニーズに応じて目標を設定しますので、必ずしも全員が高度なプログラミングを習得する必要はありません。
基礎は理解しつつも、LLMなど生成AIでのコーディング補助は積極的に行って構いません(Cursor等のツール利用を推奨します)。
生成AI(LLM等)のAPI利用や、HPCなどのリソースのコストは研究室がカバーします。個人では試しづらいリソースを是非活用してみてください。