橋本久夫の一般質問(ダイジェスト版)
過去の一般質問項目(2017−2019)
■災害情報のあり方について
■スポーツアクティビティの取組について
■港の価値を高める港湾振興策について
■海洋ゴミ対策の発生抑制の取り組みについて
■シビックプライドの醸成について
■三鉄八木沢新駅に短大側道路設置について
■インバウンドと客船ポートセール対策について
■水産資源育成にブルーカーボンを
■ICTを活用した市民参加型インフラ管理を
■ICT教育の現状と課題について
■国際理解教育の現状について
■木材港のプレジャーボート泊地の見通しについて
■中心市街地商店街の賑わいについて
■歩道橋の安全管理対策について
■若者定住化対策でボードパーク等の検討について
宮古市議会一般質問のホームページ
https://www.city.miyako.iwate.jp/gikai/situmontuukoku.html
3月議会の質問
■「津波・歴史」の学習、伝承施設のあり方について
令和4年度宮古市経営方針で田老総合事務所跡地の整備について、「津波・歴史」の学習、伝承施設に着手することが示された。市民検討委員会での協議の結果を受けての整備で、本年1月に改めてその方向性の説明を受けた。しかし、この施設が未来永劫にわたって何を表現し、被災した人々、被災地域に対してどのような存在になるのか、その施設のあり方が問われると思う。
東日本大震災に限らず、宮古地域は歴史の中で数多の津波被害を受けてきた。だがこの惨状はいつかは時間と共に風化し、忘れ去られていくものでもある。津波および災害の歴史は、誰かが「正しく伝える」努力をしなければ本来、残らないものである。そうした意味での伝承施設という考え方であろうが、今般の事業化は、本市全体における津波の歴史、資料を表現できるものであるのか、未来のための地域復興を担っていくものであるのか。そのことをしっかり示していかなければならないと考える。施設の規模感、資料内容や被災物収集の取り組み方、立地場所、運営方法など充分に検討されたのか。目的を達成するための「伝える意思と伝える表現」をどのように考えて整備していくのか、市長の考え方を伺う。
答 山本市長
東日本大震災から11年が経過し、記憶の風化が叫ばれている。東日本大震災以前の津波に関しても資料の散逸が危惧される。再び人命が失われないようするためにも必要な施設である。施設の規模は展示室150平方メートル、資料室60平方メートル、事務共用スペース合わせて約330平方メートル。資料のデジタル化を進めながら施設の詳細は実施設計において検討する。運営方法は直営または指定管理の両面で検討を進める。
■IT関連企業の誘致と中心市街地のにぎわいを
本市の産業施策を推進する宮古市産業立市ビジョン実行計画が策定され、その中でリーディングプロジェクトが示された。本市の産業の発展と地域経済のさらなる活性化を図るため目指すべき将来像の実現に向けた重点施策を推進していくとある。地域経済を新たに活性化させるための実行計画として期待するものだが、本市を取り巻く現状は水産業の不振、宮蘭フェリー航路の休止、駅前大型店の閉鎖、中心市街地商店街の賑わい減少、人口減少など様々な課題が山積している。昨年の高校生議会でIT関連企業の立地要望があった。そうした分野の企業立地も視野に入れて取り組むべきではないか。IT関連企業が地方に対してどのようなニーズを持っているのか、地方に望んでいるものは何かなど進出ニーズ調査を含めた積極的なアプローチ、情報収集が必要ではないか。
また、駅前大型店の閉鎖により、今後あの区域がどうなるのか心配する市民の声を聞く。まちの顔である駅周辺、中心市街地商店街のにぎわいが薄れている。今こそ市の中心部のにぎわいを取り戻すべきである。今後の取り組みをどう考えているのか伺う。
答 山本市長
IT関連の情報収集に努め、本市が選択されるよう情報発信、企業ニーズに応える環境づくりに取り組む。中心市街地は商業進行対策事業補助金を拡充し、商業・サービス事業者、新規創業者を支援し賑わいづくりをしていく。
教育関連の質問
■生涯学習の推進について
問 本市における生涯学習は、市民が生涯を通じて「いつでも・どこでも・誰でも」自分にふさわしい方法で学習機会を選択して学び、その成果を地域に発展や社会参加活動に生かすことができる環境づくりを進めていくとしている。現状、生涯学習推進本部の機能実態はどうか。コロナ禍にあって生涯学習全体の取り組みが停滞していないか。生涯学習が被災者等に対する心のケアの取り組みとも繋がっているのか伺う。
答 伊藤教育長
学識経験者等で構成する生涯学習推進会議を設置し、市民の意見を取り入れた生涯学習の推進に取り組んでいる。コロナ禍で事業を取りやめた事例は多数あった。本年度、公民館等では利用件数が前年に比べ約22%増加し、利用は回復している。震災後、健康課では「こころの健康相談・健康教室」、公民館等では「社会経験者大学」「いきいきセミナー」など実施して、被災者や高齢者に寄り添う事業を展開してきた。(2021年12月定例会)
■海洋教育の推進について
問 東日本大震災以降に海洋教育の重要性に対する認識が高まり、新学習指導要領の改訂で海洋教育の充実が求められている。国際目標の「持続可能な開発目標(SDGs)」のターゲット14には「海の豊かさを守ろう」という目標がある。地球温暖化や海面上昇、海洋ゴミなど、地球規模で取り組まなければいけない課題が多くある。児童生徒に対しどのような形でこれからの海洋教育に取り組んでいくのか。また水産科学館を海洋教育の活用の場にもっと活かせないか考え方を伺う。
答 伊藤教育長
各学校では産業や生物と環境、気象と海洋の影響、防災、復興など、社会や理科、総合的な学習の時間を中心に海に関わる内容を教材としている。体験学習では地元の水産加工業、カキ養殖、鮭稚魚放流、ワカメ種苗水槽育成など全小中学校で特色ある取り組みが進められている。今後も宮古の海に理解を深めるように努める。水産科学館は単に見学する施設としてではなく、体験できる施設として活用もしている。生涯学習の場として活用を図っていく。(2020年3月定例会)
コロナ感染症対策と経済対策関連質問
■コロナ集団感染での経済停滞をどう捉えているか
問 商業施設内でコロナ感染症の集団感染が発生した。客離れによる経済の停滞で店舗維持が困難になる可能性がある。経済活動への影響をどのように受け止め、課題をどのように捉えているか。
答 山本市長
商業施設での集団感染の接触者532人にPCR検査をし拡大を防いだ。経済の停滞は商業施設のみならず市内の営業店舗にも見られる。感染拡大防止とともに地域内経済循環を促すことが重要だ。「家賃支援給付金」「地域企業経営支援金」「感染防止対策事業所リフォーム補助金」の実施と、市民の命を守るため円滑にワクチン接種を進めつつ、時期を逸することなく必要な対策を講じる。
■学校におけるコロナ対策は
問 10代にも感染者が発生している。学校で安全に学ぶ環境をつくるために現状どのような対策がなされているか。
答 伊藤教育長
文部科学省の様式に沿って進めている。基本的な感染対策の徹底と感染リスクが高い学習活動の慎重な実施、時間・内容を工夫し安全に学ぶ環境作りを行っている。感染防止用品も配置し、発熱者一時待機場所も確保している。教職員のワクチン接種も8月末で89.4%2回目が終了している。修学旅行も行き先を県内で実施する。(2021年9月定例会)
■コロナ感染症対策と経済回復支援策を
問 新型コロナウイルスの感染者が11月に入って本市でも多く発生した。今後、さらに感染者が増加した場合の感染症対策と飲食店等経済の回復支援についてどのように考えているのか伺う。
答 山本市長
市民一人ひとりが基本的な感染症対策の徹底をすることが重要。毎日の健康観察、換気、マスク着用、手洗い、咳エチケットなどの対策の継続を呼びかけていく。緊急経済対策として「市の独自事業」を実施する。タイミングを逸することなく事業継続と雇用維持に必要な支援策を、必要な時期に実施していく。
■電子地域通貨の構築を
問 コロナ禍における経済対策として、プレミアム付商品券事業が行われ、地域経済の一助となっている。今後、地域経済がさらに循環するため、スマートフォン、カード等を利用した新しい形での「電子地域通貨」の取り組みが必要と考えるがどうか。
答 山本市長
電子地域通貨は健康マイレージやボランティア活動ポイントまで拡大して利用されている例がある。商業事業者と先行事例の調査や研究などを実施していく。(2020年12月定例会)
観光・港湾関連質問
■観光振興に向けて戦略の見直しが必要
問 コロナで観光戦略の前提が大きく変化した。マイクロツーリズム、ワーケーション、リピーターのフォローアップ、コンテンツの磨き上げ等、どのような戦略で臨んでいくのか。
答 山本市長
昨年度の観光客入り込み数は111万人。対前年比58.8%となっている。コロナ収束後を見据え観光戦略の見直しを図る。今年度は閉伊川流域の観光素材の掘り起こしをし、既存の森川海のプログラムの充実と地域おこし協力隊と連携する。コロナ禍でも誘客コンテンツ造成を行い、マイクロツーリズム、ワーケーションにもつなげていきたい。リピーターについては宮古版DMOの動態調査のデータ分析を行い、特色を活かした魅力あふれる観光施策を実施していく。
■宮古版DMOの成果と課題は
問 これまでのDMOでの取り組みはどのような成果と課題があったか。
答 山本市長
地域の「稼ぐ力」の機運醸成を図り、戦略として「瓶ドン」の企画開発を行い、令和3年4月末で総売上約1億6千万円と試算された。課題は「瓶ドン」にとどまらず更なる取り組みで地域振興に結びつけること。マーケティング研究会と連携を図りながら、多様な観光資源の再開発、再活用を行う。
■サイクルツーリズムの推進を
問 歴史文化を学ぶコース、道の駅周遊、街中散策などのコースを検討できないか。
答 山本市長
サイクリングモデルコースとして県道41号重茂半島線や、国道106号についても検討したい。安全面や道路状況、ビューポイントなど関係機関と協議し、新たな体験型観光として構築したい。(2021年6月定例会)
■遊覧船事業の今後の方向性を示せ
問 遊覧船事業が60年の歴史に終止符を打つことになった。市民からは突然の終了に大きな驚きと惜しむ声が広がっている。遊覧船は海の観光地とは切っても切れない存在でもある。市長は「新しい水上の交通機関としてつくり上げたい」と示したが、今後、具体的にどのような形でいつから展開しようとしているのか伺う。
答 山本市長
今後のスケジュールについては、具体的なスキームについて慎重に関係機関からの意見をまとめ、市観光審議会及び市経営会議で方針を定め、年内に市議会において方向性を示したい。
■小型船による観光ルートの策定を
問 これまでも小規模人員を対象とした小型船舶、遊漁船などを活用した「海上タクシー」や「観光ガイド・クルーズ船」などの導入の質問をしてきた。再度、構築についての検討や社会実験に取り組む必要があるのではないか。
答 山本市長
水上交通機関の構築については、遊覧船事業の今後のあり方の中で、その視点も検討していく。
■クルーズ船と宮蘭フェリー休止の対応は
問 クルーズ船はより良い「おもてなし」を展開して地域振興につなげていくべきである。休止となった宮蘭フェリーの再開にむけての対応策を伺う。
答 山本市長
クルーズ船は「宮古港クルーズ船おもてなし本部」を中心に取り組んでいく。マップの作成や街中案内表示の整備も進めていく。宮蘭フェリー休止の対応は各機関と連携して再開に向けて取り組む。(2020年9月定例会)
■みなとまちとしての新しいまちづくりを
問 海や港は市民の精神や暮らしを豊かにし、街に賑わいや憩いをもたらすことができる貴重な資源である。その価値を引き出すための空間整備が必要であることから、以下の点について伺う。①令和3年度に埋め立て工事が完了する出崎ふ頭についてどのような活用を考えているのか。②公設民営の遊覧船について、水上交通のネットワーク化も探る考えを示していたが、その具体的なイメージは。③「みなとオアシスみやこ」で人々が水辺に集う仕組み作りはあるのか。④藤原ふ頭内の緑地化、景観計画を具体化すべきと考えるが。⑤海辺の国際環境認証として「ブルーフラッグ」という制度がある。宮古地域の海辺の環境、海水浴場、砂浜を持続可能なものにするため、この国際的な認証制度を理解する必要がある。
答 山本市長
①出崎ふ頭には小型船も接岸できる浮き桟橋を整備し、港を核とした海での余暇活動を楽しむ機会を創出する。②遊覧船は浄土ヶ浜と出崎地区を結び、白浜、重茂を結ぶ水上交通についても小型船活用で協議をしたい。③「シートピアなあど」の事業運営の充実を図り、親水性イベントや海事学習などにも取り組む。④宮古港インターチェンジ付近の緑地化を図り、遊具を備えた公園を復旧し供用を開始したい。⑤国際環境認証は海水浴場のブランド化による観光客の増加が期待されるが、認証取得に係る経費等を考慮しながら必要性も含めて関係者と協議したい。(2021年3月定例会)
デジタル・ ICT・移住定住関連質問
■ デジタルアーカイブの推進を
問 文化財資料や公文書などデジタル化して記録保存するデジタルアーカイブの取り組みは、次世代に引き継ぐべき貴重な資料として長期に保存できる。インターネットで発信できるなどのメリットがある。オープンデータ化することで様々なまちづくりにもつながるが見解は。
答 山本市長
宮古市デジタル戦略推進基本計画において推進していくとしている。文化・歴史資料の調査を行い、計画的に取り組みを進めていく。オープンデータ化を見据えた取り組みも進めていく。(2021年12月定例会)
■ リモートワークにおける移住・定住促進を
問 コロナ禍により地方移住・定住に一層関心が寄せられている。空き家や空き店舗等の活用により新しい働き方を検討している企業や創業を目指す方々を呼び込むための環境整備はどのようか。
答 山本市長
戦略的に新しい働き方へのニーズへの対応を進めていく。情報収集に努め移住者の増加につながるよう魅力を発信していく。(2020年12月定例会)
そのほか
■ 過去の災害史のまとめを
問 災害の歴史や大きな事故も風化して忘れ去られがちとなり、後世に語り継ぐ機会も少なくなっている。市全体の災害をまとめた「災害史」が必要だ。
答 山本市長
今年度作成するハザードマップには、台風や大火、津波など過去の各種災害の歴史を取り込み、後世に語り継いでいく災害史としての効果も高めていく。(2021年9月定例会)