目次
セフィロトになぞらえて観測を定められており、10のセ界と一つの虚無がある。
その中で、我々人類が太陽系、銀河、宇宙と認識しているその範囲を、セ界の一つと定めている。つまり、(それぞれで地球と呼称するかは不明だが)地球に近い観測点がそれぞれのセ界に存在していている。セフィロトの中にある世界なので、セ界と呼称する。
また、そのセ界を管轄している存在《色の神々》がいる。人類が祀り上げる神とはまた違った存在のようで、人類の認識を必要としない、人類から認識することが不可能のようだ。
虚無はダァトと呼び、アカシックレコードが存在する位置としている。
まだ説に過ぎないが、真理は何らかの理由で負傷し、その回復のために分裂してセ界が出来上がったとされている。まるで患者が治療のために装備を外したように。
まだ説の一つに過ぎないため、今後も当機関は観測と研究を続けていく。
観測記録――なし
管轄係――白の神
まだ観測が不十分なセ界。
観測記録――「Revenの墓に即席バトラー」
管轄係――灰の神
基準セ界と比較した際に限りなく同等のセ界。ただし一部、呪術的なものが行使されている。
「Revenの墓に即席バトラー」では強欲のぺトロールの観測を行ってきた。
観測記録――「Carnival Rhythm」
管轄係――黒の神
基準セ界と比較した際に限りなく同等のセ界。
「Carnival Rhythm」では憤怒のぺトロールと色欲のぺトロールの発生観測を行ってきた。憤怒のぺトロール発生が影響し、黒の神により星が崩壊。生命のいない不毛の星となってしまった。
観測記録――「青、明けに鳥がナキ」
管轄係――青の神
基準セ界と比較した際に限りなく同等のセ界。ただし部分的に神秘が具現化している。
「青、明けに鳥がナキ」では青の神の観測を行ってきた。青の神の神格低迷は他セ界への影響も危ぶまれている。また、崩壊し始めていたセ界を無理に維持しているため、摂理に反しているならどのように修正が強行されるかわからない。引き続き警戒に当たりたい。
観測記録――「瓊のイスクラ」
管轄係――赤の神
基準セ界と比較すると、観測点の構造がまず異なる。だがそれに合わせて類似した環境、生命、文化は発生している。また、部分的に基準セ界にはない生命が存在している。ただし部分的に神秘が具現化している。
「瓊のイスクラ」では傲慢のぺトロールと不自然発生の《ファンシー・ホモリトル》の観測を行ってきた。発見第二位の傲慢のぺトロールは今後のぺトロールの観測で基準となるため、入念に観測を行った。また、人類が意図的に生み出したファンシーホモリトルがどう作用するかも観測していきたい。
観測記録――なし
管轄係――黄の神
詳細のわからないセ界。光り輝くセ界だがそれにより観測が難しい。引き続き調整を行っていく。
観測記録――「四季の嫁と龍角」「」
管轄係――緑の神
基準セ界と比較すると限りなく同等のセ界。緑の神の采配が強く、緑の神の好み通り愛溢れる豊かなセ界となっている。観測記録をまとめ中。引き続き観測していく。
観測記録――なし
管轄係――橙の神
基準セ界と構造の異なりは観測できていないが、文化歴史の点で実にディストピア的なセ界であることがわかってきた。文明発展度はかなり高いが、文化が失われている可能性がある。より観測が明確になるよう調整をしていく。
観測記録――「僕のハナシを聞いてくれますか」
管轄係――紫の神
本来、生命圏のほとんどないセ界だった。ほとんどが幽霊やエーテルのカス、命を持たない幻想の存在などで満たされていたが、賢者ナーヴゥが生命圏を置いた。その安定化にイィラ女史が尽力し、原始皇帝を立てて安定化。だが範囲が広くなく、ギ山より向こうは魔獣が集まりやすく、また暗黒大陸はプロトタイプが置かれているために厳しい環境となってしまっている。
主にアストラル光を利用した《魔法》が主要技術として発展している。
観測記録――「楔荘」
管轄係――虹の神
基準セ界としているセ界。すべてのセ界の要石と断定し、多少の維持のための処置と観測が続けられている。
イィラ女史による処置が行われ、《イモータリアン》と《宝器》それぞれ20数ほど設置が完了されている。また赤の神からの保護として様々な記録を層にして覆っている。
各セ界を管轄している存在。人類が祀り上げる神とはまた違違う存在。人類の神々は人の認識を必要とするが、こちらは必要としないようで、さらには人類から認識することができない。
ファーストコンタクトは不明だが、色の神々と接触したことのある人間はだいぶいるが、それは謁見となり対価を求められるので、ただの人間は生きて言葉に残せたためしがない。イィラ女史が紫の神へ謁見、そして交渉、契約を交わし、その対価に己の命を捧げた。それにより職人ナァルは不死性を得ている。
根源を担う。至高、唯一、点などをキーワードとする。髭を生やした古代王の横顔。とされていたが、最近、若く美しい人間の姿を取るようになった。白の神のこういった突発的で予測不可能な行動は過去にもいくつか観測されている。
そもそも、ぺトロールという存在が白の神の行動が影響して生まれたと言っても過言ではない。賢者ナーヴゥを失った白の神が、また彼を再現しようと様々な試みを打ったが、すべて失敗。その失敗がぺトロールとして発生している。そういった予測不可能な行動をとるのが白の神の性質。
意思疎通は可能。人間の思考回路をよく理解して、共感もする。だがそれは人側が無自覚に望んだからそれに応えているだけかもしれない。
白の神は他全ての神々の運命を握っているが、白の神の運命は他全ての神々が握っているとされている。
父を担う。直線、能動、陽などをキーワードとする。髭を生やした男性。
意思疎通可能かは不明。セ界への干渉もほとんどなく、活動も活発ではない。
母を担う。原初の海、時、母胎、陰などをキーワードとする。成熟した女性。
意思疎通はほぼ不可能。憤怒のぺトロールに異常に執着している。原因は不明だが、負傷してしばらく活動停止していたが、憤怒のぺトロールの元である高念縁という存在が発生してから活発になった。
そもそも、あのセ界自体、高念縁のためだけに作り上げた疑いがある。
建設者を担う。慈悲、海、建築などをキーワードとする。王冠を戴き玉座に座した王の雄姿。青の神の《文明》と橙の神の《文化》を交換している可能性が高い。セ界崩壊を阻止するために行ったのだろう。
神格がかなり低迷しており、もはや妖怪や幻霊に近い状態になっている。このままだと人間となり消滅してしまう恐れあり。意思疎通はかなり可能で、人間の思考回路への理解も高い。神格低迷が影響しているのかもしれない。非常に慈悲深い性格なため、このような状態に至ってしまったのだろう。
破壊者を担う。死、戦争、破壊、刺激物などをキーワードとする。力強い戦士。赤の神の《正義》と緑の神の《性交とその裏側の死》を交換している可能性が高い。死としての役割が非常に強いが、セ界が全く崩壊する様子がないことに驚いている。
虹の神にひどく執着しており、マルクトにたどり着こうとやって来るが、赤の神の通った場所はひどく汚染され、全くの不毛と化すため、白の神により鎖で繋がれ黄金の籠に閉じ込められている。だが時々指を伸ばして小指だけでも侵入させてくる。これによりイェソドまで来た赤の神を追い返そうとして、職人ナァルは呪いを受けた。
意思疎通はそこそこ可能で、人間の思考回路を理解しているが共感はしていない。人間が主食と語る。
調停者を担う。小さな神、人間、犠牲などをキーワードとする。威厳に満ちた王子。希望と期待を強く抱く傾向があるが、決して弱者に手を伸ばすわけではない。
感情を担う。勇気、愛、多産、優美などをキーワードとする。美しい裸の女性。愛や優美さ、そして多産など豊かなものを好む傾向が強く、セ界への干渉が強い。意思疎通は可能で、箱庭の中で人間を愛でる。
知性を担う。言葉、素早さ、ネットワークなどをキーワードとする。文化を持っていたが青の神の文明と交換した可能性が高い。両性具有の存在。意思疎通は若干可能、ほとんどスラングを返答するだけなので鳴き声にも近い。
星幽光を担う。月、海、幽霊などをキーワードとする。全裸の力強く美しい男。顕現した際の姿は職人ナァルが紫の神により命じられて作った「自身の中で一等美しい姿」である傀儡。死者の記録を担っているとされる。意思疎通は可能で、人間と同じ思考回路も持つ。そのため職人ナァルとの契約の続行が難しくなってくると姿を現し、直接干渉して来たり交渉を持ちかけてくる。表情の表現は著しいが、《人》というものを楽しんでいるようにも見える。
イィラ女史が紫の神へ謁見、そして交渉、契約を交わし、その対価に己の命を捧げた。それにより職人ナァルは紫の神からの《死を見逃されている》不死性を得ている。
物質を担う。物質の役割。処女、大地、王国などをキーワードとする。冠を戴きヴェールを纏い玉座に座す若い女性。顕現した際の姿は聖女ニーアを模した(原初の宝器・器を使って顕現した)。セ界の状況が影響するのか、一番古い観測では髪が長かったはずだが、乱雑に切られたように短髪になっている。
基本的に傍観を貫くが、赤の神襲来の際は姿を現して出迎えた。神格は全く低迷しておらず、赤の神を跪かせるだけの力は有している。
人間社会が生み出してしまった癌で、混沌化細胞を持ち、不死性があり、超人的な能力を持つ者たちのことを指す。その存在が人間の罪源を誑かす様から、七つの罪源になぞらえて称号で呼ばれている。
ぺトロールという名前は石油から由来し、その存在は人類を繁栄させることもでき、人類を滅ぼすこともできることから、希望的観測によりイィラ・セァ=ヴィィ女史により名づけられた。
また、人類の癌という名前は、人類社会の大量の小さな過ち、摩擦により生まれてしまった癌のような存在であることから、ラダム・アダムスにより名づけられた。資料においては人類の癌という呼び方が最初に始まった。
その存在と交流・理解を深めて、より良く関わりあっていくか、危険視して完全排除してしまうかで意見は対立している。
混沌化細胞…本来の生物の細胞と異なり、一定の形を持たず、だが細胞に必要な要素を持ち合わせている。細胞膜が無い液体性の細胞とも言える。まだ未解明な部分は多いが、エーテルと強い結びつきがあることがわかり始めている。
一見何でもない人間だが、ひどく人間が誘引される、そんな存在がぺトロールとしての候補となる。まだ種の状態から周囲の影響を受けて発芽、蛹となって羽化、全てを開放した覚醒状態となる。
ほとんどが覚醒まで至らず寿命や病気などで死ぬが、その中で不死性を得た者がぺトロールとしてカウントされる。カウントされたすべてが覚醒を得ているわけではないが、羽化はしている。→羽化しなければ不死性も定着しない?
存在作用…存在しているだけで周囲に与える作用、周囲が受ける作用
直接作用…本人から直接接触したり行動して起きる作用
応答作用…作用に応えた後の後遺症や副作用、依存症状の内容など
イブ
人類の母。亡くなった際にアカシックレコードを覗き、未来を見てしまい子供たちの行く末を案じて絶望し、子供たちに眠るような終わりを与えようと動き出した。骨格、外見は男性だが生殖器は女性のまま。おそらく灰の神に頼み込んで肉体を改造していると思われる。
覚醒度合いは不明だが、そこそこ理性は持ち合わせている。子供絡みになると非常に理性が働き、子供の保護・世話を最優先に取る。アカシックレコードを覗いた時にアカシックレコード側にいた何かが取引を提案し、魔女としての不死性を得た可能性。
混沌化細胞の性質は不明。
存在作用…ダメ人間生産機
直接作用…失神、強烈な眠気
応答作用…依存
直接作用…失神、強烈な眠気
応答作用…不明
囁きを聞くだけで強烈な眠気が襲い、失神してしまう。その間に夢を見るかどうかは人による可能性がある。その夢も悪夢かどうかも定かではない、検証中。コマンドは『おやすみ』。
イィラ・セァ=ヴィィ
赤のセ界にて発見・保護された。人間社会において人間ではないという存在事実とそういった扱いによる逆境で成長。人間様なら私を超えられるはずだ、という希望的観測を強く持つが、本人の能力が人間を超えつつある。賢者の石による不死性。
出生環境と幼少期の育成環境、そして時代が影響して成長し、戦場での負傷を機に覚醒。おそらくその時点で即死の致命傷を負っていたが、体内の賢者の石が発動してこうして生き延びている。
紫の神への謁見で対価として命を差し出したと言われているが、近年、アカシックレコードの下位権限内でアクセスまたは第三者からの発見報告がある。もしかすると紫の神が持って行ったのは肉体で、魂や精神はアカシックレコード内に隠されている可能性がある。当機関においても重要な学者であるため、早急な救助が求められる。
混沌化細胞の性質は不明。→エーテル
存在作用…従属
直接作用…絶対服従・強制力
応答作用…達成感
囁きを聞くだけで絶対的に従ってしまう。コマンドの直後の言葉に絶対的に従ってしまう。元より心から忠誠心のある人間であれば作用しない。コマンドは『命ずる』。
存在作用として非常に強いカリスマ性を持つ。羨望を抱かれ、何もしなくとも周囲が勝手に追従していく。→故に嫉妬のぺトロールと対象関係にあると言える。
具体的な行動までしか命じられないので、「秘匿している情報を吐け」といった作用は不可能。何かをさせることしか命じられない。
通称:黄色い砂
姿、能力など多くの詳細が観測できていないぺトロール。基本的に害を成していないがために報告が少ない。
発生場所は不明で、各セ界を移動して回っていることから、セ界を移動する手段を持つだけの能力の高さはあると推定。現在は虹のセ界に留まっている。そのせいか、まともな意思疎通が不可能になっている。
吸血鬼という報告もある。
混沌化細胞の性質は粒子。
存在作用…不明
直接作用…意識的・無意識的に秘匿している自身の情報の開示
応答作用…不明
囁きに関する情報はまだ無い。
高念 縁
黒のセ界にて発生。黒の神に気に入られ、安土桃山時代を生きた人間がいきなり平成時代に飛ばされ、第二の人生を送っていた。黒の神は性根を気に入っていたが、この判断が仇となってその性根に悪く影響してぺトロールとして成長、そして羽化して覚醒。セ界を一つ滅ぼすという最悪の結果となった。
成長の主な要因は感情や個人の主張を外から抑圧したこと。憤怒と言っても、その怒りの根底には嘆きがある。
不死性は八尾比丘尼と同等、不死の効果を得られるものをいくつか口にしている。
混沌化細胞の性質は結晶。
存在作用…本音の露呈、感情の激化
直接作用…萎縮
応答作用…被虐心を満たす
囁きを聞くだけで精神の萎縮、最悪の場合だと自我の崩壊が起こる。威嚇の効果もある。
存在作用にはどんなに冷静な人間でも本音で話すようになり、最終的にはひどく感情的になる。また応答作用として、彼女に冷たくあしらわれたり罵られるとひどく喜びを感じるようになる、被虐心を増幅させ満たす。
それにより彼女の許婚の夫と弟は彼女の言葉に非常に喜んで付き従う行動をとる。
八千・マリクォト=ヴィィ
ナァルと屋号で呼ばれることが多い。
黒のセ界で発生し、憤怒のぺトロールに呼応するように覚醒した。他ぺトロールの中では豊かな時代の生まれで、時代の中でも普遍的な家庭で育っているが、本人の性質、ぺトロールとしての作用が働き加虐されることが多く、理想を押し付けられ、願われ、個を認識されずに育った。それを飲み込まなければ生きることすら許されない、という環境が非常に強く影響してぺトロールとして成長し、憤怒のぺトロールに促されて覚醒。
イィラ女史により発見・保護・観察を経て、青の神の協力によりぺトロールとしての制御に成功。混沌化細胞を自分で操作し、覚醒も自ら発動させることもできる。また覚醒の制御の成功率も上がってきている。ぺトロールの中では希望の存在と言えるだろう。
不死性は神々の加護と呪い。赤の神の呪いにより「生者と目を合わせる」ことができないが、他の死の呪いを全て無効化できている。
混沌化細胞の性質は液体。
存在作用…加虐心の誘発、魅了
直接作用…強制的なオーガズム
応答作用…庇護欲
囁きを聞くだけで強制的に性的快楽を与えることができる。コマンドは「愛し」。コマンド「可愛い」「『愛し』い」で軽度の作用を与え、「『愛し』てる」でオーガズムを強制することができる。コマンド作用は最悪の場合だと心停止や血管の破裂による死を与えることもある。
上記のように制御はかなりできているが、存在作用はまだ制御できないようで、居るだけで高確率で人間を魅了させてしまう。報告書02-000でも移動先で一人魅了させてしまい廃人にしてしまっている。その部分はおそらく羽化後の生活が影響していると思われる。
特記:色欲と聞くと性に奔放で色っぽい姿が想像されやすいが、この個体はそれと真逆に慎んだ姿に聖職者で、むしろ子を成す意味での性に繋がっている。現に、男でありながらも子供を四人出産している。人間の社会的な部分だけでなく、生物としての本能にも囁いてくるのがペトロール、ということかもしれない。
月見里 直
発生場所は不明だが、虹のセ界にて発見。以後、逃走を続けているため保護が不可能。各セ界を飛び回っているため、相当に成長している可能性がある。覚醒は確認できていないため、刺激を与えないよう扱いには細心の注意が必要。
発見時点でまだ芽の状態だったが、強い存在作用は確認されている。
不死性はおそらく誕生を確認されていないため。生まれていなければ死ぬことも無い、といった状態である。だからか愛に飢えた行動をよく取る。
混沌化細胞の性質は不明。→プラズマ?
存在作用…嫉妬の対象。同調圧力?
直接作用…感情の激化?
応答作用…不明
囁きについては不明。だが存在作用が非常に強く、同調圧力のような作用の仕方をする。その作用が時々間違うのか、本人が嫉妬の対象となってしまうことがしばしばある。それが成長に影響したとうかがえる。
アシュトン・フォーゲルフライ
灰のセ界にて発生。2度の人生を経てアンデッドとして復活、前前世までの記憶を保持する。
一度目の神父として濡れ衣を着せられ破門され餓死した人生と、二度目の伯爵としてフランス革命に巻き込まれ領民の裏切りから処刑された人生を送っている。そのどれもを経てゆっくり成長し、アンデッドとして復活すると同時に羽化した。神父時代で既に存在作用は働いており、小さな教会の神父見習いであったにもかかわらず、周囲の住民から貢がれることがよくあった。伯爵時代はさほど作用は働いてないにせよ、革命によりすべてを奪われる、という経験が成長を促した。いずれにせよ発端は神父時代の「全てを手にして貧しい人々に分け与えたい」という慈善の心から来るものだった。
不死性はアンデッド。非常に出来の良いアンデッドで、自然が成したとは思えない奇跡である。五感がしっかり残っていて、生存に関わる部分は欠損しているため、痛みは感じてもそれに対し脳が危機を感じないので、避けたり咄嗟に手を離すといった反射行動が無い。
本人は最初にコマンドを理解したため、決して「欲しい」とは言わず周囲にねだっていた。その言葉を言っては、伯爵時代に自分に預けてくれた人々の思いを無かったことにしてしまうと、誠実な態度から決して口にはしないようにしている。
また、覚醒に条件があることも確認されている。首を切断されたときか、うつ伏せで長時間拘束されたときである。それ以外では覚醒することはほとんどなく、錯乱して多少暴れる程度。覚醒の条件はどちらも伯爵時代の名残であり、神父時代のものは覚醒には関りが無い。→各時代で成長影響の部位が異なる?
覚醒時に舌に逆さ十字を確認。→本人から見た正位置の可能性が高い。
混沌化細胞の性質は軟体。
存在作用…利他的欲求を煽る
直接作用…提供の強制
応答作用…ウォームグロー効果
囁きを聞くだけで指定されたものを絶対差し出したくなってしまう。また、差し出したときに喜んでいる様を見て快感を覚えるという応答作用がある。コマンドは「欲し」。仮に心臓をコマンドで臨んだ場合、囁かれた対象は自らナイフで胸を開けて心臓を手に乗せて渡す行動が確認されている。そして感謝と共に受け取られた際、対象はこの上なく嬉しそうな顔をする。
存在作用として、施したくなる様子に見えてきて施してしまう。そのために神父時代は痩せて健気な青年として人々の目に写り、当時では貴重なバターを使った菓子まで施されていた。
これら能力と混沌化細胞について、本人は理解できていなかったが、色欲のぺトロール:ナァルの指導により理解を深め、制御もできるようになってきている。
不死性、不老性を兼ね備え、地球上の生物を複数掛け合わせた特徴を再現し、おおよそ人間と同じ姿の生命体。どこで発生し、どのように発生したかはいまだ不明だが、宇宙より飛来した何かと混ざり合って生まれた可能性が示唆されている。そのことから、Immortal+Alien=〈イモータリアン〉と呼ばれるようになった。この見解はイモータリアン第5号・巫小町によって発表された。
不死性の実験では個体を可能な限り粉砕したり、燃焼、生命維持に必要な物質を断つなど様々な手段を試したが、そもそも体組織に様々な耐性を備えているため、有効的な検証には至れなかった。ただ、地球上のどのような環境であっても生命活動が絶えることは無い。
〈Lp-C-Ic-T-AH-ius 〉イィラ・セァ=ヴィィ女史が開発。自身を参考にテロメア由来不死化細胞と生物の綱を融合させた新生物。
主に職人ナァルが生産しているもの。形状は武器や日用道具や芸術品など様々なアーティファクトである。
人工神器とも呼ばれ、神々の道具の下位互換とされる。
楔鋼をベースとし、宝器それぞれで素材が変わってくる。一器一命と言われるほど、生産には非常に危険が伴い、死者も良く出た。そこを改善しようとイィラ女史が紫の神と取引し、弟子のナァルが不死性を得て宝器の量産を可能とした。
壊れても自動再生し、通常の金属より強度があり、中に何かしらの魂を内包して自律思考運転と浮遊可動を行い、宝石が埋め込まれており、それぞれ多機能さを持つ。
紫の神はこの世の存続に役立つと考え、量産して撒くことにした。
生産した職人ナァルでさえ把握していない機能も多く、無銘の個体も大半。当機関ではこれらの観測も行っている。
宝器の中でも神の力を借りて製作されたもの。中に入る魂は人間など輪廻を通ったことのないものに限られるなど、特異性がある。
機能――幽閉塔、松明
所有者――リウノ・ウェイベルが最後の記録となっている
聖霊――
概要――炎。
機能――メモリー、鍵
所有者――
聖霊――
概要――風。アカシックレコードにおけるすべての権限を可能とされる。また、アカシックレコードの端末であり、コピーともされる。
機能――護符、パンタクル、生命圏の発生
所有者――
聖霊――
概要――地。不毛のセ界に生命圏を置いた。プロトタイプが隣接している。賢者ナーヴゥによって作られたとされる。
機能――AI、人形
所有者――虹のセ界である星そのものが使用中。
聖霊――
概要――水。職人ナァルの第一作品。器としての機能があり、星の魂を受け入れる。
〈宝器〉の由来は、宝物であり器であることから。形状はどうあれ、命を屠るために作られたものではない。数える単位は「器」。ほとんどが職人ナァルの血肉を元に製作され、よって彼の混沌化細胞を通して瞬時に召還することが可能。設計図から疑似展開させることもできる。
また、内包する魂にはそれぞれ司るものがあり、自らそれを名乗る。誰がどう決めているかは不明だが、その名乗りで持ち主はその魂が誰だったのかおおよそ理解するそう。
完成はしておらず設計図だけのものもまだまだ多い。
機能――全ての汎用宝器の支配と支配権
所有権――ニーア・アルヴァンド
聖霊――永遠の魂・黄金妃(オウゴンヒ)
概要――手のひらほどの大きなダイヤモンドが埋め込まれている。最小サイズでバングルほどになる。
機能――
所有権――八千・マリクォト=ヴィィ
聖霊――
概要――最初に作られた楔鋼の塊の中で、唯一心臓に届いていた一本。その一本を限りなく宝器と言える状態にした。サイズ変更不可。八千・マリクォト=ヴィィの心臓から無詠唱で直接召喚・射出できるよう設置してあるため、他に契約できる者はいない。
機能――幸運のダイスロール、ダウジング
所有権――アシュトン・フォーゲルフライ
聖霊――執事の魂・Rs(ルス)
概要――仕込み刀であるが鞘は分離せず護拳部となる。最小でハットピンほどになる。ブルージルコンが埋め込まれている。
機能――
所有権――青の神
聖霊――
概要――青の神が何らかの理由により粉砕してしまったため、修繕のために自動搬送。修繕中。
機能――
所有権――イブが赤の神から借りていると証言
聖霊――
概要――汚染がひどい。
機能――
所有権――
聖霊――
概要――
機能――
所有権――
聖霊――
概要――
機能――セ界の外まで瞬間移動が可能。
所有権――
聖霊――
概要――金の額縁。起動させていないとただの額縁だが、起動させると向こうに宇宙が見える。大きさを変えられて、観測史上最大で地球までとされているが、おそらく無限に広げることが可能。最小で写真立てほどになる。
機能――生命の星
所有権――
聖霊――
概要――球体。星を再現し、生命圏を成立させる。
機能――
所有権――
聖霊――
概要――セ界を渡れる。小規模ワープ機能搭載。最小でミニチュアほどになる。
機能――ガスマスク、赤外線ゴーグル、望遠機能、視力補正など。
所有権――八千・マリクォト=ヴィィ
聖霊――
概要――物理以外の全てを遮り、仮面内の環境を最適に維持する。物理攻撃はある程度は遮るが限度がある、それ以上に装着者の顔が痛くなる。全面真っ白で視界確保の穴など無いが、内側からは裸眼と変わらず視界が確保されている。最小で根付ほどのサイズになる。内側に青みがかったダイオプテーズが埋め込まれている。
機能――長距離飛躍、矢の増幅。
所有権――紬織雲千が一時的に使用
聖霊――
概要――弦の無い弓。あると思って引くと引ける。繭玉をかけるだけでも銃と変わらぬ勢いで飛び、銃を超える威力を出す。
機能――見えないものを切る
所有権――紬織雲千が一時的に使用
聖霊――
概要――部分的に職人ナァルの子供たちが製作。刃の無い柄だけの状態。魂を肉体から切り離すなど、見えないものを切る。主にエーテルの分断。
機能――鋏、双剣の2パターン変形。電子機器への接続と操作。
所有権――五月雨禊
聖霊――性別の魂・白銀姫(シロガネヒメ) 存在の魂・黒鉄彦(クロガネヒコ)
概要――白銀姫の方は刃が無いので鈍器としても使用できる。最小サイズで一般的な鋏のサイズになる。白銀姫には翡翠、黒鉄彦には黒曜石が埋め込まれている。
機能――伸縮
所有権――蒼月要
聖霊――記憶の魂・璨乃宮(サンノミヤ)
概要――振り回した遠心力に合わせて伸縮するため、ハッタリを食らわせられる。最小でインダストリアルピアスほど。アメジストが埋め込まれている。
機能――防御、炎上
所有権――太龍
聖霊――忠誠の魂・戶珆佳(ヘイカ)
概要――最大で星一つ分の防御を張れる。間流盾を中心にして赤く光る模様が展開される。おおよその物理攻撃、ガス、液体、ガンマ線などを防ぐ。また防御範囲を上手く展開させることで限定的に炎上させることができ、温度は500℃まで。最小でブローチほど。ルビーが埋め込まれている。
機能――穴を掘る、葬る
所有権――七河忍
聖霊――望郷の魂・釽土(サト)
概要――機能的にはただのシャベル。だが、一度は死を体験して完全な生の状態でない永遠性を持つ存在を、葬ることができる。イモータリアンには不可能だが、アンデッドの処分に使える。最小で手持ちスコップほど。シトリンが埋め込まれている。
機能――指定した鏡に映る像を映し出し、ワープのパスを繋げる。
所有権――巫小町
聖霊――懺悔の魂・寂赤金(サビアカガネ)
概要――指定した鏡に映る風景を映し出して覗き見たり、逆にこちらを映し出して見せたり、テレビ電話のような機能がある。さらに実際に人が鏡を通してワープすることができるが、範囲はそのセ界に限られるので、その点では額縁の簡易版と言える。最小で手のひらほどのミニミラーに。アベンチュリンが埋め込まれている。
機能――
所有権――アーサー・ナイト・ザンハー
聖霊――友情の魂・Koivuveli(コイブヴェリ)
概要――最小サイズで15㎝定規ほど。ラリマーが埋め込まれている。
機能――瀕死・仮死状態の生物を復活させる
所有権――斑真尋
聖霊――慈愛の魂・膻鍟(センセイ)
概要――もはや助かりようもない瀕死の状態、仮死や脳死の状態の生物を中に入れ、血のつながった両親の血をささげると、健常な状態にまで復活させられる。復活までの期間はその生物の妊娠期間と同じ、人間なら38週間ほど。生まれ持った持病や欠落を健常に戻すことはできない、あくまで後天性のみ。最小サイズでラトルほど。実際に振ると子供にとって心地よい音色を出す。ガーネットが埋め込まれている。
機能――
所有権――華宮宵彦
聖霊――守護の魂・明星丸(ミョウジョウマル)
概要――柄が無く鍔だけがある刀。最小でペーパーナイフほど。ラピスラズリが埋め込まれている。
機能――
所有権――玉前言葉
聖霊――言語の魂・文画(カザエ)
概要――光るので振り回して使える。最小サイズで小さいペンほど。チューライトが埋め込まれている。
機能――その土地に眠る戦士を蘇らせて従える
所有権――甲尊
聖霊――闘争の魂・厳慈道(ゲンジドウ)
概要――正確には、その土地に眠る戦士の情報を読み取り、エーテルで編み上げて従えることができる。最小サイズでインダストリアルほど。カイヤナイトが埋め込まれている。
機能――櫛の中を清められた地とする
所有権――平安時ノ百足
聖霊――雅趣の魂・天君(アマギミ)
概要――円形の櫛。広げて突き立てた場所の櫛の内部を清められた場所と定める。最小サイズで櫛ほど。ネフライトが埋め込まれている。
機能――闇夜を照らす。方角を示す。周辺の空気を暖める。
所有権――家守美紗
聖霊――家族の魂・鈥寧衞(カネイエ)
概要――最小サイズで卓上の燭台ほどのサイズに。タンジェリンクォーツが埋め込まれている。
機能――投擲するとどこまでも飛んでいく
所有権――辛楽嫌好
聖霊――幻想の魂・憶玉(オクユゥ)
概要――弓と合わせて矢として使うこともできる。最小で爪楊枝ほど。リチオフィライトが埋め込まれている。
機能――通常の槌では打ち込めないものを打ち込む
所有権――ハルシュタイン・リヒター
聖霊――叡智の魂・那亜荢紆(ナアウウ)
概要――釘型の宝器や楔鋼を杭として打ち込む際、通常の槌では槌の方が壊れてしまうため、それらを打ち込むための宝器。最小でペンほど。エメラルドが埋め込まれている。
機能――物質の精製
所有権――雲母美友
聖霊――鼓舞の魂・律歌(リッカ)
概要――三本足の鍋で、その足を地面に突き刺すことでその土地から精製できるものを出してくれる。素材を入れれば勝手に調理もしてくれる。最小でマグカップほど。サファイアが埋め込まれている。
機能――洗脳、操作
所有権――ココロ・ニーマフート
聖霊――感情の魂・SyahTeIya(セァーティァ)
概要――どのように接触し、洗脳に至るかは不明。最小でソーイングシンブルほど。アイオライトが埋め込まれている。
機能――狙った的を絶対外さない
所有権――渡工
聖霊――好奇の魂・環唄(タマウタ)
概要――少し押してやるだけで高速で飛翔し、どこまでも的を追いかけて来る。ゴムタイプではないので投擲となる。最小サイズでフォークほどのサイズになる。ターコイズが埋め込まれている。
機能――その場に留まる、錘になる。
所有権――早乙女優
聖霊――自由の魂・愛子(マナコ)
概要――どのような存在もその場に繋ぎ止める要となる。船型の宝器の錨としても使用可能。最小サイズでペンダントトップほどのサイズになる。モルガナイトが埋め込まれている。
機能――雷を起こす
所有権――永友李冴
聖霊――希望の魂・夛真愉等(タマユラ)
概要――空気を振動させたり、その摩擦で静電気を起こして落雷を誘発させる。最小でキーホルダーほど。アクアマリンが埋め込まれている。
機能――傷を癒す
所有権――マーサ・フォーサイス
聖霊――夢想の魂・Pelvis(ペルヴィス)
概要――中に入れた水は傷を癒す聖水になる。最小で盃ほど。レッドアゲートが埋め込まれている。
機能――
所有権――レオニダス・ベネット
聖霊――絶望の魂・吭登刃(コトギリ)
概要――最小で包丁ほど。スモーキークォーツが埋め込まれている。
機能――無限の収納
所有権――ニヴェ・ヴェルデ
聖霊――生命の魂・万葉号(マンヨウゴウ)
概要――完全独立していて他からアクセスできない次元空間となっていて、ほぼ無限の広さを持つ。宝器にどれだけ衝撃が加わっても中への影響はない。最小で指輪ケースほど。グリーンアンバーが埋め込まれている。
機能――どんな鍵穴にも適応して解除。別宝器の起動キーにもなる。
所有権――絆地悠香
聖霊――縁故の魂・Ol Ahava(オル・アハバ)
概要――使用記録がほとんどないため、未解明。最小サイズで一般的な鍵の大きさになる。カルセドニーが埋め込まれている。
機能――
所有権――
聖霊――矛盾の魂
概要――