詳しい研究業績は以下のサイトをご覧ください。
Google Scholar: Shio INAGAKI
Research map: Shio INAGAKI
過去の卒研・修論テーマ
[1]~[18]は前任の九州大学のものです。
2023年度修論 松田 朝之
墨汁を水に垂らしたとき、ブラウン運動で墨の微粒子は拡散します。粉粒体の場合、大粒子のなかに小粒子がどのように拡散していくかを実験で調べました。セルオートマトンを用いた数値計算も行いました。
2023年度修論 村上亮太
光弾性体とは、力がかかると光の向きが変わるため、偏光板で挟むと明るく見えます。粉粒体は、一般的には内部でどのような力がかかっているかを可視化するのは難しいのですが、光弾性体を使うと、粒子の集合体の内部でどのように力が伝わっているかを見ることができます。本研究では、粒子の画像の輝度から粒子にかかっている力を推定する方法について研究を行いました。
2023年度修論 河野 快
仕切られた矩形容器の中に、大きさの異なる二種類の容器を入れて鉛直に加振すると、粒子の局在する場所が周期的に変わる現象が知られています。 これは粉体時計と呼ばれます。 先行研究では、コンパートメントの数が二つまででしか周期的なクラスタの運動が確認されていませんでしたが、本研究では7コンパートメントまで周期的なクラスターの運動を実現することに成功しました。
2020年度卒論・2022年度修論 山口 雅也
狭い出口を粒子が通り抜けようとすると、入り口で詰まりやすくなってしまいます。入り口の近くに障害物を置くことで、詰まるのを阻害し、障害物がない時より粒子の流れが速くなる現象について、実験を行いました。もともとは、コンサート会場など大きなイベント会場で、急に大人数が外に出ようとしたときに、出口付近で詰まる現象に興味を持ち、パラメータ制御の容易な2次元粉体流で実験を行いました。
2020年度卒論・2022年度修論 山科 スミレ
雪崩はいつ起きるか予測が難しい自然現象の一つです。剣山のように、串を立てた場合に安息角がどのように変わるかについて、実験的に調べました。
2020年度卒論・2022年度修論 米田 翔一
円筒容器にほぼ完全に粒子を詰めたら、がちがちに固まって動かないと思うかもしれませんが、実際にはすごくゆっくり流れることを実験的に示すことに成功しました。一種類の大きさの粒子の一部を着色し、縞状に配置して充填し、円筒容器を回転しました。すると、非常にゆっくりと、左右対称に粒子が流れることが観察されました。着色した粒子の位置の変化から、円筒容器の各位置での流速を測定し、移流拡散方程式を解いて実験結果を再現することに成功しました。
以下のサイトから論文を読むことができます。
Convection of monodisperse particles in a highly filled rotating cylinder, Yoneta, Ebata, and inagaki, Physical Review E 109, L022901 (2024)
Preprint: https://arxiv.org/abs/2308.00337
2022年度修論 大野燎
ろうそくを3本束ねて燃やすと、ろうそくの炎が振動する現象が知られています。本研究では、ろうそくを円筒容器で囲うことで、一本のろうそくが非常にゆっくりとした周期で振動する現象を見出しました。本研究は、九州産業大学猪本修先生との共同研究です。
参考文献: Oscillation and Synchronization in the Combustion of Candles, Kitahata et al., J. Phys. Chem. A, 113, 8164 (2009)
2020年度卒論 辻村 翔輝
2種類の粒子を円筒容器に入れて回転させると、粒子が混合せずに、分離して縞模様のパターンを形成することがあります。これまでの研究で、粒子のサイズ差や比重比などに着目した実験を行ってきていましたが、本研究では回転速度を変えて、バンドの出る条件がどのように変わるかを調べました。
2017年度卒論 ・2019年度修論 近堂くるみ
回転円筒容器内の粉粒体の分離現象について実験を行いました。従来バンドができる条件とされていた動的安息角では、分離が起こるかどうかを正しく予言できない場合が少なくないことが、大石くんの研究で明らかになっていました。本卒論では、比重や大きさを系統的に変えることで、円筒容器内の分離現象が起こる条件を定量的に調べる研究を行いました。
以下のサイトから論文を読むことができます。
Segregation patterns in rotating cylinders determined by the size difference, density ratio, and cylinder diameter
Kondo, Ebata, and Inagaki, Scientific Reports, 13, 13495 (2023)
2019年度修論 内海 脩帆
高速度カメラを用いて、高充填の場合の円筒容器表面の流動層の流れ場測定を行いました。また、しばらく回転した後に、内部の着色した粒子の分布を見ることで、円筒容器内部でどのように流れ場が生じているかを調べました。
2019年度卒論 黒河 俊介
珪砂とガーネットサンドでほぼ完全に充填した、回転円筒容器内の粉粒体の分離現象について実験を行いました。 珪砂の平均粒径を変えたときの、バンドの速度について実験的に調べました。
2019年度卒論 河本 彩帆
粉粒体を容器に入れて鉛直に加振し、流動化した状態で粘性を測りました。振動数や粒子の粒径を変えて、粘性がどのように変わるかを調べました。
[6] 二分散粉体ガスのクラスタリング現象
2019年度卒論 益永 真聡
仕切られた矩形容器の中に、大きさの異なる二種類の容器を入れて鉛直に加振すると、粒子の局在する場所が周期的に変わる現象が知られています。 これは粉体時計(砂時計とは違う)と呼ばれます。 3つに仕切った容器を用いて、粉体時計の実験を行い、加振強度を変えて振動周期がどう変わるか調べました。
参考文献:Viridi et al. https://doi.org/10.1103/PhysRevE.74.041301
粉体時計の現象はYoutube動画で見ることができます。
[5] 回転ドラムにおける粉粒体の分離現象
2017年度修論 大石隼道
回転円筒容器内の粉粒体の分離現象について実験を行いました。 充填率を回転速度を系統的に変化させて実験を行いました。低充填・低回転速度の時に、従来見られていたパターンとは全く異なる時空間ダイナミクスが現れることを新たに見出しました。
2017年度卒論 岩崎大喜
セルオートマトンという手法を用いて、粉粒体のストラティフィケーションについての数値計算を行いました(参考文献:H. Makse et al., Nature 386, 379-382 (1997))。
2016年度卒論 徳田真之介
粉粒体の分離現象で、粉体の流動性を表す指標として、動的安息角と呼ばれる物理量がよく知られています。これは、流動層が水平面となす角度で、粒子の大きさや、比重、形状などによると言われています。しかし、具体的にどういった物理量で動的安息角で決まるのか、定量的には明らかにされていません。本卒論では、3次元の離散要素法を用いて、円筒容器内の粉粒体の振舞いを調べました。動的安息角や、流動層の流れ場測定を行いました。
2016年度卒論 都武蔵
円筒容器内の動的安息角について、実験的研究を行いました。球状粒子であるガラスビーズを用いて、粒径と回転速度を変えて測定を行いました。
2015年度卒論 大石隼道
回転円筒容器内で起こる粉粒体の分離現象に関する実験を行いました。 ポピーシードとバジルシード、珪砂とガーネットサンド、という2つの組み合わせで、それぞれの動的安息角の回転速度依存性を調べました。従来よく知られている経験則では、小さいほうの粒子が大きい安息角を持つ(小さい粒子のほうが流れにくい)時にバンドが形成されやすい、ということになっていましたが、上記の二つの組み合わせはいずれもこの条件を満たしていないことが分かりました。分離現象が起こる条件について、より定量的な物理量を明らかにしていく必要があることが分かりました。