19.10.03 温室&山より~卒研、はかどってますか?~
皆さんこんにちは!
植物だよりの配信メンバー、5年の安里です。
あと2カ月で約1年ぶりになるところでした、危ない。気が付けばもう、5年生になって半年が過ぎてしまいましたよ。
本日も植物の魅力を伝えていこうと思いますが、5年生なので。卒業研究での私の研究対象、温室で大量に鉢植え増殖されているアカネ科ボチョウジ属の彼らを紹介したいと思います!
じゃん。まずこちら
ボチョウジ(Psychotria rubra)さんです!!
のっぺりとした扁平な葉がチャームポイントのボチョウジさん。非石灰岩性土壌に生息していて、名護の森林では二見や名護岳でたくさん会えます!(私も大体週1で会いに行ってました)
そしてこちら。
ナガミボチョウジ(Psychotria manillensis)さんです!!
ハリと光沢のある、葉脈の浮き出た葉が印象的なナガミボチョウジさん。
野生環境において石灰岩性土壌に生息していますが、実は非石灰岩土壌でも生育することができます!
1花序あたりにつける花の数がボチョウジさんより多く、花のサイズもナガミボチョウジさんの方が大きめなんですよ~
個体の大きさ、葉の大きさもナガミボチョウジさんの方が大きめだったりします。
ボチョウジさんが4倍体であるのに対して、ナガミボチョウジさんは8倍体とゲノムサイズが大きいから体のサイズも大きいんじゃないか、と考えられているんです。
彼らの見分け方ですが、葉を撫でると分かります。
ボチョウジは葉の表面が扁平でフラットなので、すべすべしていますが
ナガミボチョウジはハリがあり、葉脈が浮き出ているのでぽこぽことしているんです。
……伝わるかなこれ。まあ、要するに触ればわかるということです!慣れてきたら触れずに判別できますよ~
私は卒業研究で、彼らの石灰岩性土壌・非石灰岩性土壌に棲み分けるしくみについて研究しています。繁殖干渉が起こっているかどうか、みたいな…まあ、気になった方は連絡下さったら説明しますよー。
研究を引き継いでくれたらとてもうれしい…!
今回はこの辺で。次回をお楽しみに~
18.12.10 温室より~ジャボチカバ美味しそう~
皆さんこんにちは!
植物だよりの配信メンバー、4年の安里です。
本日も植物の魅力について配信していきます。…と言いつつ初回きりだったのですが
きっとこれからは忙しい時期も抜けたし、更新頻度も増えるはず!(たぶん)暇なときに読んで下さると光栄です!
さて、第2回はですね。ホームグラウンドの温室から。
じゃじゃーん。ジャボチカバの花が咲きました!
よく見ると、花弁が半透明で可憐…なんという愛らしさ。真っ白な花糸と葯が清楚で素敵!
みたいな具合で投稿しようと考えていたんですが。
テスト期間明け、久々に温室でジャボチカバちゃんをまじまじと見たところ…
あれっ。もう実になってる。
いやいや、テスト期間中まともに見てなかっただけですよ。成長早すぎるでしょジャボチカバさん。
ってはじめは思ったんですが、そういえば今回テスト期間が3週間でしたね。そりゃあ花も散って実になるわ。
花が咲いた時も良い香りがしましたが、実はやっぱ美味しそうな…
あっ、食べてませんからね。ちゃんと「誰かの卒研材料だから」って自分に言い聞かせて、指一本も触れませんでした!
いい香りの花といえば、サガリバナも。
夜に咲く花、なんだかロマンがありますよね~。最近6時ごろにはもう真っ暗なので、水かけに行ったついでに撮れました!
満開の時期にカヌーで花を見に行くと、川一面に流れる花が本当に風情たっぶりで現実離れした時間を過ごせます!日暮れに樹木を見に行くのもいいですよね。
それでは、今回はこの辺で。
次回をお楽しみに!
18.09.30 北海道より~逞しき高山のコケさんたち~
皆さんこんにちは!
植物だよりの配信メンバー、4年の安里です。
これから植物の魅力について、情報を配信していきます。暇なときに読んで下さると光栄です!
さて、初回ですが
夏休みに北海道の実家へ帰省したので、そこで出会った“コケ”たちを紹介します。
実はまだ、植物の同定には自信がありません(-_-;)
今回は予想を挙げる形になりますので、「これ、○○じゃないの~?」と思うものがあればbr151401までご意見をお願いします。
まずこちら。ふわふわしていそうな姿が愛らしい!
乾燥した姿が霜が降ったかのように白っぽいですね…。「シモフリゴケ」でしょうか?
シモフリゴケは高山性のコケで、白く見えるのは“透明尖”という葉先の葉緑素が無いパーツ。
乾燥時に葉が茎部分にくっつき、透明尖が植物体に絡みつくことで高山の強い日差しから身を守るそうです。
お次はこちら。
スギゴケ科でしょうか?でも図鑑のスギゴケ科はもっと青々とした緑色なんですよね。
先に透明尖があって、柔らかな黄緑色をしたエゾスナゴケの方が似ている気がする…。
スギゴケ科と違うポイントとして、エゾスナゴケは乾燥すると茎に葉が螺旋状にくっつくそう。
残念ながらこの写真では、湿っていたらしく一つ残らず葉が開いていますね。
エゾスナゴケは湿ると"瞬時に”葉が開くそうなので、皆綺麗に葉を開いているこのコケはやっぱりエゾスナゴケかも!
そしてこれ。
ナガエノスナゴケ…ではない。先端が天を仰いでいません。
これはまさか、アオギヌコケ科の仲間?
なぜ“まさか”なのかと言いますと、手元にある種ごとにコケを記載した図鑑が、アオギヌコケ科の仲間だけわざわざ1ページ使って
「同定難しい。専門家でも野外での同定は無理」
といった内容を記載しておりまして…。
種数が多い上に、形状やサイズの変異の幅が広いためそのように言われるそうです。
そう言われると、ちょっと頑張って調べたくなりますね。
以上です!
こうしてみると、コケって個性的ですね。
北海道にいると、複数種のコケが狭い範囲に群生しているのをよく見かけます。上記の3つは、十勝岳望岳台付近で撮りました。
撮ってみて思ったことは、ルーペが欲しい!(切に)
肉眼ではこんなに見えません。デジカメを必死でコケに近づけて撮りました。
皆さんにはルーペ片手に、コケ散策することをお勧めします。
それではまた、次回をお楽しみに!