教員紹介

加藤 泰弘 (かとう やすひろ

教職大学院(大学院教育学研究科) 教育実践創成講座、芸術系教育講座(大学院連合学校教育学研究科)教授

プロフィール

 東京学芸大学教育学部特別教科教員養成課程書道専攻卒業、同大学院美術教育専攻書道講座修了。その後、渡米。The Art Students League of New Yorkで抽象絵画を学ぶ。ニューヨーク大学大学院で書と抽象絵画の融合作品を制作・研究するも中退。 東京学芸大学に教員として着任後、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程調査官、また附属世田谷中学校長等を歴任。現在、東京学芸大学教職大学院教授、連合学校教育学研究科博士課程芸術系教育講座所属教員。

研究内容

 書写・書道教育学を専門とし、戦後の書写・書道に係わる教育課程の変遷や今後の展開、また、国語科書写及び芸術科書道の指導計画の作成、教材作成、授業実践、学習評価等の実践的研究を附属学校の教員と連携を図りながら推進しています。 

 画廊での個展、日中韓の国際交流展、グループ展を中心として作品を発表しています。 


担当する主な授業

・「漢字研究C」 

 甲骨文、金文、小篆、隷書等の古典の臨書活動を通して、高等学校芸術科書道の教員としての基礎的な技能とその指導方法を身に付けることを目的としています。また、漢字の生成から楷書の成立と完成に至る書体の変遷を取扱い、書の表現の歴史を通観していきます。 

・「事前・事後指導」 

 3年時の9月~10月に三週間にわたる教育実習があります。その事前指導と実習後の事後指導から構成されます。教育実習はこれまでの大学の学びを統合し、実際に生徒を前にして授業を行います。学習指導要領に示された目標及び内容を理解したうえで、授業観察を行い、授業設計の方法、学習指導案の作成方法等を講義し、自ら授業計画を構想していきます。 


 本学書道コースで学ぼうと考えている方へ

スマートフォンやタブレットなどの情報機器が普及しました現在においても、筆記具は進化し多様化しており、確実に手書きすることの楽しさや意味が再評価されています。 

東アジア漢字文化圏に広がる書は、「言葉」を書いた書きぶりが芸術表現として昇華したもので、その表現の相乗が豊かな歴史を作り上げました。その書という芸術の鑑賞、臨書、創作活動や研究を通して、書の世界を深く理解し、その魅力を実際の授業で伝えることを共に考えていきましょう。


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  いしい たけし

術・スポーツ科学系 美術・書道講座 書道分野 准教授

プロフィール

 東京学芸大学教育学部特別教科教員養成課程書道科専攻卒業、同大学院教育学研究科美術教育専攻修了、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程芸術学(美術史)専攻中退。2000年4月から東京学芸大学助手、その後、講師を経て、現在は准教授。

研究内容

日本書道史の研究を専門としています。最近は『東大寺献物帳』に記される「失われた名筆」に着目し、文献史料の読解によって、奈良時代の書文化のもつ多様性について研究しています。また、江戸時代や明治~昭和の書の教育についても、実際に使われた教科書や教材、当時の文献史料や教育法令を対照しながら検討することによって、その実態や特質を明らかにしていこうと考えています。

 

担当する主な授業

「漢字研究A」(1年生春学期)では、楷書をとりあげ、精密で正確な臨書の方法や作品制作についての基礎的な知識・技能について学んでいきます。「書道史研究B」(2年生春学期)では、日本書道史の特質について、作品や人物、できごと、文献史料から理解を深めていきます。「書道科カリキュラム論」では、高等学校芸術科書道のカリキュラムや評価について学び、「指導と評価の年間計画」を作成するスキルを身につけます。

 

本学書道コースで学ぼうと考えている方へ

みなさん、光明皇后が書いた〈楽毅論〉は、奈良時代には2つ存在していたことを知っていますか? 光明皇后〈楽毅論〉は奈良の正倉院に伝わった名筆のひとつですが、正倉院に伝わる宝物のリスト『東大寺献物帳』を読み解いていくと、高等学校の教科書には載っていない新たな事実に出会うことができます。

 高等学校芸術科書道の教員として必要な書の実技や理論、指導法を身につけていくことも大事ですが、日本の書道史研究の未来のためにも、書道史研究のできる教員を目指すみなさんの入学を心待ちにしています。


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草津 祐介 くさつ ゆうすけ

術・スポーツ科学系 美術・書道講座 書道分野 准教授

プロフィール

 東京学芸大学中等教育養成課程書道専攻卒業。同大学院総合教育開発専攻修了(修士(教育学))。同大学大学院連合学校教育学研究科にて論文提出による学位取得(博士(教育学))。2年間中国の華東師範大学に国費留学。

研究内容

 学部の卒業論文では、中国の清時代の阮元という人の書論について、経学と関連させて分析し執筆しました。大学院(修士)では、「幕府」という私的な学術研究集団に注目し、阮元の幕府のおこなった学術研究の研究をしました。その後、2013年に中国(中華人民共和国)で『中小学書法教育指導綱要』という教育法規が発行されてからは、中国や韓国の書教育に興味をもって研究を進めています。現在、外国と日本の書教育の比較と中国の書教育史に興味をもって研究を進めています。博士論文では、中華人民共和国建国から現代に至る小学校における書教育の教育法規の分析を中心におこないました。

 

担当する主な授業

 書写書道教育に関する授業―具体的には「中学書写」や「書道科教育法」、「書道科教材論」といった授業―と書論に関する授業―「書論研究」―を主に担当しています。

書写書道教育の授業では、実技や書道史の授業で身に付けたものをもとに、どのように教えていくのか、その指導法などを中心に考えていきます。

 書論の授業では、代表的な書論を取り上げ、書道の教育用語や鑑賞の方法について考えていきます。

 

本学書道コースで学ぼうと考えている方へ

 「書道が好き」「書道の教員になりたい」「書道を学問として学びたい」――そういう先輩や同級生、後輩が集まるコースです。そんな先輩、同級生、後輩と書道を中心にした大学生活を送りたい人を待っています。


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城間 圭太 (しろま けいた)

スポーツ科学系 美術書道講座 書道分野 特任准教授

プロフィール

 東京学芸大学教育学部中等教育養成課程書道専攻卒業、同大学院総合教育開発専攻修了。私立中高一貫校に2年、都立高校に7年教諭として勤務。その後、中国へ留学し、中国美術学院書法コース修士課程修了、現在浙江大学芸術与考古学院博士課程に在籍。

研究内容

私は、これまで主に中国から琉球王国へもたらされた書跡にまつわる研究をおこなってきました。現在は、清代の中国書法史、その中でも隷書や篆書を収録した法帖の刊行や、その書道史上の意味について考察しています。これらの研究を行う上では、様々な文献や図版、現物資料の分析・解釈を通じて、当時の社会背景と書文化との関わりを理解するということを重視しています。

 

担当する主な授業

「書道史研究A」では、中国の書道史をメインに取り扱います。それぞれ書跡の成立時代、成立背景、書者、書風などに関する様々な資料を提示しながら進めていきます。

「漢字研究B」では行書や草書の技法について学びます。臨書のみならず、行・草書の創作作品の制作について、題材(語句・文章)の選択、草稿作成といった段階を踏みながら指導していきます。ここでは、学生が自分自身で行・草書の作品制作を行っていけるよう、その基礎を身につけてもらうことを目的としています。

 

本学書道コースで学ぼうと考えている方へ

書道が好きだけれども、それを将来の進路や就職にどのように活かせばよいか分からないと困ったり、諦めたりしていませんか。自分の好きな書道を仕事にでき、その魅力を伝えていけるという点で教員は非常に魅力的な職業です

 本学書道コースには、学生のみなさんが将来教員として書写や書道の授業を行っていくのに必要な力を身につけられるよう、充実した課程が用意されています。実際に多くの卒業生が教員として採用され、活躍しています。ぜひ、本学書道コースで教員を目指し、あなたの「好き」を仕事にしてみませんか?