教育学部書道専攻・書道コースの紹介

大学の組織改組に伴い、2023年より、東京学芸大学 教育学部 学校教育系 中等教育教員養成課程(B類)書道専攻は、東京学芸大学 教育学部 学校教育教員養成課程 中等教育専攻(B類) 書道コースになります。

東京学芸大学教育学部書道コースでは、以下のような流れで学びを深めていきます。

1年生

 

 書や書写・書道教育の基礎、書道実技の基礎、中国書道史、日本文学や中国文学、国語学の基礎について学びます。


○主な授業科目 

「書道コース入門セミナー」

 「漢字研究A」

 「仮名研究A」

 「漢字仮名交じり研究A」

 「書道史研究A」

 「書道科カリキュラム論」

 「日本古典文学概論」

 「中国古典文学概論」

 「日本語学概論Ⅰ」など

書道コース入門セミナー」の様子

「漢字研究A」の様子

年生

 

 書道実技や書道史、書の鑑賞にくわえ、書道科教育法など、書写・書道教育の理論や指導法について学ぶ授業がスタートします。また、国語の各分野についても、演習の授業を通してさらに深く学んでいきます。


○主な授業科目

 「漢字研究B」

 「仮名研究B」

 「篆刻・刻字」

 「書道史研究B」  

 「書道科教材論」

 「書道科教育法」

 「近代文学演習A」

 「古典文学演習A」

 「中国古典演習A」など

「漢字研究B」の様子

漢字仮名交じり研究B」の様子

3年生

 

 春学期には教育実習の事前指導の授業がおこなわれます。秋学期には附属学校での教育実習があり、それまでに学んだ知識や技能を生かして、高等学校芸術科書道や中学校国語の授業を実際の生徒の前でおこないます。

 また、卒業研究(作品制作や卒業論文・課題研究)に向けて、実践的な作品制作や学術研究の方法を学ぶ授業科目の履修がはじまります。


○主な授業科目

 「書論・鑑賞研究Ⅱ」

 「書写A」「書写B」

 「書作品制作研究」

 「書学Ⅱ」

 「教育実習Ⅰ」など

書作品制作研究」の様子

「教育実習」の様子

4年生


 卒業研究に取り組みます。卒業研究は、作品の制作と卒業論文または課題研究の執筆からなり、4年間の学びの集大成として、「漢字の書」「仮名の書」「漢字仮名交じりの書」の3分野の作品制作と、書写・書道教育や書学・書道史についての論文の執筆、書の作品や教育課題について課題研究をおこないます。

 4年間で学ぶ専門科目や教育実習、卒業研究のカリキュラムをもうすこし具体的に示すと以下の図の通りです。下の方が下位学年、上の方が上位学年です。書写書道についての授業を大きく分けると、①書の実技に関する科目、②書の歴史や理論に関する科目、③書写・書道教育の理論や指導法に関する科目、④教育実習に関する科目、⑤卒業研究、となっています。


○主な授業科目

 「卒業研究」

 「教育実習Ⅱ」など

「卒業研究」の授業

   ー 作品制作の様子 ー  

「卒業研究」の授業

   ー 批評会の様子 ー  

カリキュラムについて

その他・学生による展覧会の運営など

 およそ大学の文化祭に合わせて専攻生全員での専攻展を開催し、2年生、3年生時に学年展を実施しています。

 専攻展では書道専攻の希望する学生全員で展覧会を企画し、運営します。学年展では各学年ごと学生が展覧会を企画、運営していきます。

 その他、様々な書道の自主ゼミやサークル等で書道の専門性を高めることもできます。

学年展の様子   

4年間の大まかな流れ


卒業論文について 


 2023年度の卒業論文タイトルは以下の通りです。それぞれが自分でテーマを決め、執筆をおこない、卒業論文提出、卒業論文発表会での発表をします。


○「芸術科書道における ICT 活用について ─ 仮名の書(創作)の草稿作成における ICT 活用の提案 ─ 」

「小学校国語科における漢字の筆順指導の効果的な指導と評価に関する研究」

「高等学校芸術科書道Ⅰ『漢字の書』における臨書学習についての考察 ─ 近現代書家の臨書観・臨書の変遷をふまえた授業プログラムの構築 ─ 」

「小学校国語科書写の筆順指導における『筆順の原則』の検討と効果的な指導法の考案

「書写教育における書き初め指導の研究 ─ 言葉の選定を中心に ─ 」

「書字障害を持つ児童・生徒の書写授業における学習支援について ─ 指導案の再検討を通して ─ 」

「中学校国語科書写における行書学習についての一考察 ─ 行書の特徴を指導する意義とその検討 ─」

「国語科書写における児童・生徒のメタ認知に対する教師の評価についての研究」

「視覚障害者の効果的な書道の学習方法」

「学校教育におけるICTを活用した授業実践に関する一考察 ─ 高等学校芸術科書道における考察 ─」

「『石山切伊勢集』の継紙付近に見られる線質変化の要因 ─ 継紙に用いられた料紙の質の違いに着目して ─」

「品等論からみる書の審美規準の考察」

「河井荃廬における漢印表現の受容とその展開」

「近衛信尹の書風変遷に関する研究  ─ 文禄五年期における「病後、右肩痛み」を手掛かりに ─ 」

「笹山梅庵編『筆道稽古早学問』にみる書教育」

「高等学校芸術科書道における『表現』と『鑑賞』の相互関連 ─ 鑑賞教育に焦点を当てて ─ 」

「教育のDX化における中学書写の課題と展望」

「小学校低学年国語科書写における平仮名の硬筆学習材の考察と展望」 


卒業論文発表会の様子 

取得可能な免許・資格

 取得可能な主な教員免許状は以下の通りです。高等学校教諭一種免許状(書道)と中学校教諭一種免許状(国語)は卒業するために必要な免許状として設定されています。

・高等学校教諭一種免許状(書道)

・中学校教諭一種免許状(国語)

・高等学校教諭一種免許状(国語)

・小学校教諭一種免許状

・司書教諭

 

 他、詳細は大学HPの取得可能な免許・資格ページ (クリックすると外部リンクに飛びますを参照ください。

卒業後の進路につい

 卒業後は多くの学生が教員を進路として選び、各地域での書写書道教育の中心的な立場を担っていきます。


主な卒業後の進路


教員就職

・国公私立の高等学校芸術科書道の教員

・中学校国語科の教員

・小学校教員


大学院進学

・東京学芸大学の教職大学院(教育実践専門職高度化専攻/教科領域指導プログラム/書道教育サブプログラム)

・他大学の大学院に進学


その他

・学芸員

・教育系出版社

・公務員

・一般企業

入学試験について


 入学試験は学校推薦型選抜と一般選抜の2回実施しています。詳細は大学HPをみてください。


①学校推薦型選抜

学生定員4名

試験科目は、小論文、書道実技・書道理論、面接


②一般選抜

学生定員16名

大学入学共通テスト、前期試験(国語、書道実技・書道理論、小論文


入試過去問題は以下で公開されています。

cybercollege.jp [東京学芸大学過去問題]

http://www.cybercollege.jp/u-gakugei/index.php

動画での説明は以下から見ることができます。