保安装置解説

※L53様のブログより転載。

同梱のReadMeと合わせてお読みください。


※独自調査に基づく解説ですので、実際と異なる場合があります。

運転中 

◆駅間走行時は、運転台にあるATS表示器の速度、および駅間最高速度を超えないようにしてください。特にノッチオフ時注意。

◆速度制限のないカーブは駅間最高速度以下で通過できます。

◆阪急ではレール間電流の周波数を常時検知する方式のATSのため、制限信号が変化(例:減速→進行)した場合は、即座に加速しても構いません。なお、運転席から実際に信号が見えなくても、ATS表示器が変化すると即座に加速できます。


駅の停車 


駅停車時は原則として速度照査がかかります。速度照査のかかり方は駅によって異なりますが、基本的に途中駅は①の高速パターン、終着駅は②の低速パターンがかかります。


さらにざっくり説明すると…

★場内進行の場合…ブレーキの調整で一発停車。停まれそうにない速度の時のみブレーキアシスト。

★場内注意の場合…A標(70km/h)→場内注意(50km/h)→A標(30km/h)→S標(20km/h)→停車


上記2パターンの基本を覚えておけば、ほとんどの駅で照査にかからない停車が出来ます。

ただし京都本線で公開している旧ダイヤでは、高速パターンが無い時代ですので、また違う停車方法になります(⑤⑥⑦参照)。

【イメージ図の見方】

◆赤い線は常用最大ブレーキがかかる境界線、青い線は運転士による理想ブレーキ曲線です。

◆背景が緑の場所はなにも起きませんが、黄色の場所はブレーキがかかります。

◆ATSの欄はそのときにATS表示器に表示される内容です。

◆信号、標識の欄はその地点に立っている信号や標識です。

◆図は独自調査を元に簡略化して描いています。あくまでも参考に。


①高速パターン設置駅

【該当駅】ほぼすべての駅。

◆○P標を過ぎるとチャイムが鳴って高速パターン域に入り、ATS表示が赤く点滅します。以降常用最大でも停まれない速度になると、常用最大ブレーキがかかります。

◆高速パターンはホームの先端までに停車できるようにしているため、ホーム中程などに停まる場合、パターンに当てながらの停車だとオーバーラン必至になります。

◆パターンは停車域で微速になると解除されます。また、一部路線ではキャンセルコイルを通過しても自動で解除されます(ATS表示の色が元に戻ります)。


◇神戸線のみ、速度に合わせたブレーキの目印(標識解説)がありますが、他の路線にはありません。

◇副本線がある駅において、副本線に入る場合は③へ。

②終着駅

【該当駅】梅田・西宮北口(今津線)・今津・塚口(伊丹線)・甲陽園・石橋(箕面線)。

◆各標識にて順に速度照査がかかります。照査内容は各標識の内容に準じます。

◆15km/h以下、停止位置数十m手前になると低速パターン域に入ります。低速パターンは超過して自動ブレーキがかかると、停車するまで解除できません。


◇京都本線の梅田において。2・3号線に進入する場合、場内信号手前の赤○A標において50km/h照査が行われます(画像のピンクと紫の線)。


③高速パターン設置駅(副本線)

【該当駅】副本線がある駅で、副本線に入る場合(一部駅除く)

◆標識のある位置および制限速度は、上の図の順序とは異なる場合があります。

◆副本線(待避線)に入る場合のみ、700mほど手前にある赤○A標において80km/h照査が行われます。

◆それ以降は信号の制限に従って停車してください。


◇上記は基本形であり、赤○A標が無い駅もあります。信号の表示と標識をよく見て照査に備えてください。

◇正雀と六甲は冒進防止のため、ホームに入るところにあるA標にて、30km/h照査がかかります(そのあとのS標照査はありません)。


④低速パターン設置駅(途中駅)

【該当駅】次の駅に警戒現示で入線した場合…淡路・松尾大社・上桂・神戸三宮・西宮北口・石橋。

◆赤○A標では何も起きません。

◆高速パターン標識では何も起きません。

◆S標にて20km/h照査がかかったあと、停止位置直前のP標より低速パターンとなります。低速パターンは超過してブレーキがかかると、停車するまで解除できません。


◇上記駅でも場内信号が注意以上の場合は、低速パターンが働かず、高速パターンもしくは階段停車(⑥参照)となります。

⑤速度照査が無い駅

【該当駅】花隈・京都本線旧ダイヤの烏丸。

◆照査は無いので、停止位置をめがけて普通に停車してください。 

⑥信号による階段停車駅

【該当駅】天神橋筋六丁目・高速神戸・京都本線旧ダイヤの停車場各駅。

◆信号機の指示に従って速度を落とせば問題ありません。


◇さらに下位の「警戒信号」(30km/h照査)がある場合もあります。その場合は停止位置手前のS標照査も発生します(標識解説参照)。

⑦照査による階段停車駅

【該当駅】京都本線旧ダイヤの停留場各駅

◆約250m手前にある最初の○A標にて、70km/h照査がかかります。

◆ホーム中程にあるループコイルで、50km/h照査がかかります。

◆停止位置手前で、30km/h照査がかかる駅もあります。


照査配置は駅によってバラつきがありますので、駅によって照査位置をおぼえていただくしかありません。

◇ループコイル部には基本何も標識はありませんが、地下駅のみ○A標が立っています。