非平衡・非線形現象から探る固体物理
レーザーを用いた分光、特に時間分解・非線形分光の手法による物性研究を行っています。
我々が物の性質を調べるときは、外部から刺激を与えてその応答を測定します。微弱な刺激に対する振る舞いは、物質の平衡状態の性質で決まる線形応答関数で理解できますが、刺激(外場)が強くなっていくと、平衡状態・線形応答の枠組みを超えた領域に入ります。この状況では、物質は普段見せるものと質的に異なる未知の振る舞いをするようになります。
我々は強い電場強度を持つ光(特にテラヘルツや中赤外光など、エネルギーの低い光)を用いて、非平衡な物理現象・非線形な応答を探求することで、固体物質中に隠れている基礎的な性質を明らかにしたり(①、③)、光によって新奇な現象や機能を引き出す(②、④、⑤)ことを目指しています。