《感染対策について困っていること、不安なこと》
外来感染対策向上加算施設より
Q.コロナ検査時にここ最近ガウンを着用していないスタッフもおり、ガウン着用はどうすればよいか?
回答
鼻咽頭など呼吸器検体採取時に、患者の横に立つ/ドライブスルーなど直接飛沫を浴びない場合は、ガウン着用は必須ではないと考えます。
「新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第9.0版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000936655.pdf)の
「6 院内感染対策」表6-2(検体採取時の個人防護具)や、日本環境感染学会の「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第5版)
表2(COVID-19確定患者に対する様々な状況におけるPPEの選択)を参考に、施設での検体採取の状況を考慮した個人防護具の使用方法を検討されてはいかがでしょうか。
《その他》
Q.施設でのクラスター発生時の相談先や職員の援助をどのようにしたらよいか?
回答
クラスター発生時の感染対策や治療などに関しての相談先として、
①感染対策向上加算を取得されている場合は、まず連携している加算1の施設に相談をされてみてはいかがでしょうか。
②感染対策向上加算を取得されていない場合は、福井感染制御ネットワーク事務局にご相談いただければ結構です。
《次回のFICNet会議で取り上げてほしいテーマ等》
Q.耐性菌にかかわらず一般細菌でのアウトブレイク時に感染経路を調査する環境培養調査等の方法等を教えてほしい。(感染対策向上加算2施設より)
回答
アウトブレイク時、当該部署にリスクとなる患者や処置/環境などを感染管理担当の看護師または医師が聞き取りを行います。共通する環境があれば環境培養を検討します。
また微生物の特徴を知る臨床検査技師の視点で、必要な環境調査を追加することもあります。例えばグラム陰性桿菌のアウトブレイクであれば、トイレや洗面、浴室、汚物室などの水回りの環境培養を、MRSAのアウトブレイクであれば、ベッドサイドやルート関連、医療従事者の使用するパソコンや配線等の環境培養を検討、実施します。
環境培養における検体採取は、採取箇所に応じてスワブやスピッツを使い分けます。採取したスワブは、液体培地に浸漬し、ボルテックス後に一晩前培養を行うと、検出率が向上します。翌日遠心分離を行い、目的菌のみが発育する選択培地(ESBL/MBL培地やMDRS培地等)に沈査を塗抹すると、検出が容易となります。環境からも同菌種の耐性菌が検出された場合、可能であれば遺伝子型も検査し、同一株由来か否かを調査します。