ヴァーサス・アラカルト
ヴァーサス・アラカルト
━━悪い奴ら大集合!
【PC1:シング・シング・シング!】
君はジマーというハービンジャーの知り合いだ。 ジマーは仮面をつけた音楽好きの陽気な男で、不審な見目とは裏腹に善良な男だった。 しかし君は、そんなジマーが逮捕されたという報告を受ける。それも、殺人の容疑で!「わ〜た〜し〜じゃ〜な〜い〜で〜す〜!!」 冤罪を訴えるジマー。君は彼の無罪を証明してやることにした。【PC2:揺れるポリスストーリー】
君はダニーという刑事と知り合いだ。 ある日、ダニー刑事からつい先日起きた事件のタレコミを受ける。「被害者は腹を内側から突き破られる形で即死。名前はスコット・キャッスル。通称インペインと呼ばれていた、当時護送中の囚人だ」 ダニー刑事の依頼を受け、君はこの件を調査することにした。【PC3:アポトーシス・パラサイト】
君はA-Zというヴィランを追っている。 A-Zが拠点としていた研究所に乗り込んだ君は、そこで大勢の人間が腹を食い破られて死亡している惨状を目撃する!『素晴らしい。ついに完成です。これで人類は完全に死を克服できるでしょう』 A-Zはそう告げるとその場から姿を消してしまう。 やつは何かを企んでいるようだ。止めなくてはなるまい。【イベント1:シング・シング・シング!】
【状況1】
君はスイング・ヒューマンズの楽団長、ジマーという人物の知り合いだ。 ある日、PC1のところにスイング・ヒューマンズという楽団の楽団員達が押し掛けてきた。「「「お願いします、楽団長を助けて!」」」 何でも、ジマーが警察に逮捕されてしまったのだという。それも、殺人の現行犯として! 君はジマーという人物がどんな人物なのかを知っている。普段から仮面をつけて生活をしている事やその独特な口調から不審さは拭えないが、音楽好きで剽軽な、善良な男だ。 君はスイング・ヒューマンズの依頼を受け、ジマーのもとに向かってやることにした。まずは、警察署だ。【状況2】
「わ〜た〜し〜じゃ〜な〜い〜で〜す〜〜〜〜!!!!」 君は警察署内の面会室で、オイオイと泣き喚くジマーから話を聞いた。 曰く、オフの日に遊びに行ったジャズバーで食事を楽しみ、気分が乗ったので自分も演奏をしようと楽器を手に壇上へと上がったのだという。そうして彼が演奏を始めようとした、その瞬間……。「パァン!という音がして〜! 周りの人たちが〜! 一斉にお腹が破裂して〜! 死〜ん〜で〜し〜ま〜い〜ま〜し〜た〜!!??」 その場にいた店員や客達が一斉に腹が破裂し、死亡してしまったのだという。 後から来た客がその光景を目撃し、悲鳴を上げ通報。かくしてジマーは現行犯扱いで逮捕されたのだ。【エンドチェック】
□ジマーの話を聞いた□調査に乗り出した【解説】
楽団長ジマーとスイング・ヒューマンズからの依頼を受けるシーン。 ジマーおよびスイング・ヒューマンズとヒーローの関係性は自由に設定して構わない。 ジマーの事件が起きた日、および彼が逮捕された日はエントリーの前日である。【イベント2:揺れるポリスストーリー】
【状況1】
君は馴染みの刑事に呼び出され、内密に警察署を訪れた。 ダニーはヒーローに対して協力的な刑事であり、君にもたびたび情報をリークしている。 君を出迎えたダニーは、風邪でも引いたのか、ゴホゴホと咳をし、マスクをしていた。「おー、なんか風邪引いちまったみてーでよ。不格好だが気にしないでくれ」 ダニー刑事は君を地下の死体安置所へと連れていく。「お前に調べて欲しいのはこの件だ」 ダニーが一つの遺体を取り出し、君へと示す。 そこには腹に大穴が空いて絶命している男の亡骸があった。【状況2】
「名前はスコット・キャッスル。通称インペインと呼ばれていた、当時護送中の囚人だった。死因は腹を内側からブチ破られたことによるショック死だ。正真正銘の旧世代(ノーマル)だったからな」「この男、元々は地方刑務所に収監されてたんだが、一般のムショじゃ手に負えないってんで、ロックウェイブ島へ送る予定だったんだよ。くたばったのはその最中、護送車のど真ん中でのことさ。……俺もそこにいた」「コトがコトだ、表沙汰にゃされてねえ。だが、警察だけで解決出来る案件じゃねえだろうよ、なんたってこの男は……元ヒーローだ。それがこの不審死、裏に何かがあると思った方がいい」「お前にはこの男が何で死んだのかを調べて欲しい。こっちでも動く、分かった情報があれば共有しよう」【状況3】
密談を進める君たちのもとに、扉越しに声がかけられる。「誰かいるの? この時間帯の使用申請は受けていません。ここを開けなさい」「ゲッ、ヤベッ」 ダニーは慌てて君を死体安置所の物陰へと隠す。「俺が気を引くから、その隙にコッソリ抜け出してくれ。謹慎処分は御免だぜ」 どうやら彼から君への情報リークはあまりよろしくない方法だったらしい。 君はダニーがサイオンの女警部補の気を引いている隙を見計らい、その場を後にした。【エンドチェック】
□ダニー刑事から依頼を受けた【解説】
インペインの件を介してダニー刑事は既にパラサイトに感染しており、より強い個体への感染を求めてヒーローに接触しているのだが、彼にその自覚はない。 サイオンの女警部補は後のクエリーで登場するエレクトラ警部補だ。このシーンでちょっとした顔出しをしておこう。 インペインの事件が起きた日はエントリーの数日前のことである。この時、体内から何も出てこなかったように見えた(体内から爆ぜたように見えた)のは、パラサイトが微粒子としての姿を保ったままだったからだ。【イベント3:アポトーシス・パラサイト】
【状況1】
君はA-Zと呼ばれるヴィランを追い、『ノストロモ』という組織の所有する研究所を訪れた。 A-Zはセカンド・カラミティの際に生まれた意志を持つマルウェアであり、インターネット上で増殖を繰り返しながら、『不死の人間』の開発を目論むヴィランである。『ノストロモ』研究所がA-Zに感染したという情報を掴んだ君は、急ぎ現場へと向かう。 しかし君が研究所を訪れたとき……研究所の職員たちは、みな絶命していた。それも、腹を内側から食い破られたように!【状況2】
研究所の職員達は、ここで何かの研究を行っていたようだ。しかし、それは彼らの意志ではあるまい。A-Zというヴィランは、人を操り、自らの手足とすることに長けたヴィランだ。 注意深く研究所を調査し、やがて地下へと向かった君は……そこでA-Zと対峙することになる。『こんにちは、PC3。こんなところまで、わざわざご苦労様です』 暗い部屋の中、A-Zの映像が灯ったモニターの明かりが青白い光を放っている。『丁度いいところに来てくださいました。あなたも祝いの言葉を贈ってください。ちょうど今、完成したところなんですよ』『さあ、ヒーロー様にご挨拶を致しましょう』 A-Zの言葉とともに、物陰から怪物が姿を表した。それはぬらぬらと血と脂でぬめる体表を持った、人の形をした肉塊のような何かだった。それはヒーローが来るのを待ち構えていたように、暗闇から君へと襲いかかる。 A-Zが歓喜の声を上げた。『素晴らしい! これで人類は死を完全に克復できるでしょう!』【状況3】
君が怪物と戦っている間に、A-Zは姿をくらましてしまった。 怪物の亡骸をよく見れば、それは研究所で倒れていた職員の身体的特徴と同じ特徴を有していた。まさか、職員達の腹に大穴が空いていたのは……。 A-Zは何を企んでいるのか? いずれにせよ、惨劇につながることだ。奴を止めなければなるまい。【エンドチェック】
□怪物を目撃した□A-Zを止めるため、動き始めた【解説】
エントリー1〜3の出来事は全て同じ時期に発生していると考えて良い。そのため、パラサイトの事件はインペイン→ジマー→A-Zの順で進化を遂げている。ジマーの件やインペインの件では微粒子のまま姿を表さなかったパラサイトは、A-Zのシーンでは宿主の個性を引き継ぎ、新たな形となって生まれてくるのである。【チャレンジ1:おぞましき死因】
【状況1】
PC達は各々の状況に直面し、改めて調査を開始する。【情報】
『判定1』 被害者は皆、腹を内側から食い破られて絶命していた。また、体内の栄養の流れや、歪められた骨や内臓の形から、体内で『何か』が育まれていたようだと感じる。人間の体内で育った寄生体が、十分に育ちきった為、体の外へと出てきた……そんな印象を受けたのだ。【状況2】
チャレンジ判定とその調査を行っていく中で、君たちは似たような案件を調べている、自分以外のヒーローの存在を知る。【エンドチェック】
□チャレンジ判定に成功した□PC達が合流した【解説】
このシナリオのエネミーである「パラサイト」に関するこのシナリオ内での説明シーン。かつ、PC同士の合流シーンだ。【クエリー1:倒れる旧世代】
【状況1】
PC2のもとに、ダニー刑事から電話が入る。「よォ、良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?」「悪いニュースは、インペインの死体がモルグから消えやがった。誰かが盗み出したらしい」「良いニュースは、新情報だ。だが、電話で伝えるのはまずい……会って話がしたい、署まで来れるか?」【状況2】
署へ向かうPC達。 強化ガラスで出来たドアの向こうから、マスクをつけていないダニーが、気さくに手を振りながら歩いてくる。 ……それを、横からタックルで止めるものがいた。 PC2がモルグで見た、サイオンの女刑事だ。 暴れるダニーを押さえ込みながら、女刑事は君たちへと叫んだ。「来るな!」【状況3】
パトカーの無線越しに聞いた詳細によれば、こういうことだった。 旧世代の警察官を中心に、パラサイトの感染を確認。何人かは既に『出産』をした者も。 生まれた雛は何体か倒したが、まだ物陰に隠れている可能性は十分あるだろう。バリアを展開し隔離した為、ひとまずの隔絶は保たれていると思いたい。 感染経路はおそらく同様の死に方をしたインペインの死体だろう。しかし死体が何者かの手によって盗み出された今、感染が広がっている可能性がある。「……いざとなったらここごと燃やして頂戴」 エレクトラと名乗った女刑事は、そう、君たちに申し出た。【エンドチェック】
□警察署の状況を理解した□エレクトラの要請に対し答えを示した□グリットを1点獲得した【解説】
パラサイトの猛威が既に警察署に及んでいることを明かすクエリー。ヒーロー達が急ぎ事件を解決できなければ、彼らはまとめてボンッ!だ。 エレクトラ警部補が現時点でまだ理性を保っているのは、彼女が(戦闘力の可否はさておき)肉体的に強固なサイオンだからである。【クエリー2:楽団長の疑問】
【状況1】
エレクトラと相談を進めるPC達のもとに、無線越しに間延びした声が届く。「あの〜ちょっと〜お話ししたいのですが〜良〜いで〜すか〜?」「だめ。今大事な話をしてるの」「そ、そんな〜!」 PC1にはそれがジマーの声だとわかる。 殺人事件の容疑者として捕まっていた彼は、渦中の警察署の中にいたのだ。 彼はPC1に折り入って相談したいことがあるらしい。【状況2】
「今の状況を見ていて~思い出したことがあるんです~。 私が~逮捕された時の~状況なのですが~」 ジマーは自分が逮捕された時の状況を詳しく説明する。 地下のジャズBARで他の客や店員と会話と食事を楽しみ、気分が良くなってきたところで壇上に上がって演奏をしようとした。しかし演奏を行う直前で、店内の人々が一斉に死亡した。「今回の件を聞いていて〜、とても不思議だったんです〜。 店内には〜、サイオンもハービンジャーも旧世代もいました〜。 あれがパラサイトのせいなら~、感染は店内で起きた、ということですよね〜? それならど~して私は今もピンピンしているのでしょ~う~か~!?」「…………それで~、一つだけ……可能性に~気付きまして〜……。 その~、確証はないのですが~、え~と……。 ……いま、周りにどなたかいらっしゃいます~?」 ジマーは話しにくそうに口を噤む。どうやらこの話はPC1にだけしたいらしい。【状況3】
「私の~……おそらくは故郷と思われる土地に関することなのですが~」(PC1がジマーの正体について知っている場合、はっきりと固有名称を出して構わない)「昔~、調べたことがあるんです~」「一説によれば~、彼らの奏でる音楽には~感染症への免疫を活性化させる作用があると~されていまして~、だから私の故郷の人々は病気知らずで元気に異世界に渡れるんだとかなんとか~……」「実際に~どうなるかは、分かりません~。分かりませんが~……ここで演奏を行えば、もしかしたら……おまわりさんたちの感染の進行を~遅らせることも~出来るのではないかと思~い~ま~~~し~~~て~~~~~……」「…………や、や、や、やっぱり、メチャクチャですかね〜〜〜〜〜?????」【エンドチェック】
□ジマーの提案を採用することにした□グリットを1点獲得した【解説】
ジマーの件でパラサイトに感染した人々が一斉に爆ぜたのは、偶然にもそのタイミングでA-Zの指示が飛んだ為だ。あるいはジマーの演奏を本能的に拒絶したパラサイトが一斉に大気中に逃れたためかもしれない。 ジマーの素顔に関しては「シング・シング・シング!」に登場する情報だ。PCは知っていてもいなくても構わない。PLは知っていた方が話がスムーズだろう。 ジマーの言う「彼らの奏でる音楽には感染症への免疫を活性化させる作用がある」というのはこのシナリオ独自の設定だ。ちょっと無理やりだが、このシナリオではそういうものなのだとして進めてほしい。おかげさまでスイング・ヒューマンズは創設以来、楽団員で風邪を引いた者がいないらしい。【チャレンジ2:迫るリミット】
【状況1】
消えたインペインの死体。 罹患、隔離された警察署。 全ての陰謀を指揮するA-Zは、一体どこに消えたのか? 残された時間は、もうあまり多くない。【状況2】
調査の結果、君たちはA-Zの行方とインペインの死体の行方が同じ場所を示していることを知る。 場所は南太平洋。かつて『シニロ島』という島があったポイント。 1979年に、核の投下によって島ごと焼き払われ、地図から失われたと思われたその島の近海……否、海底の洞窟の中に、彼らはいるという。 核による汚染で近隣の生物が乏しくなったことで、パラサイトの存在が長らく外部へと漏れることはなかったのだろう。それをA-Zが発見したということだ。 わざわざそんな所にA-Zが居り、インペインの亡骸が搬送されたということは、そこに彼らにとって重要な『何か』があるということだ。 君たちは急ぎ、そのポイントへと向かった。【エンドチェック】
□判定に成功した【解説】
A-Zの足取りを辿り、パラサイトの拠点を探るシーン。 プライムバースは科学力が発達しているので、遠く離れた地にも、何らかの方法で制限時間内にも向かえるものとする。 ジマーの楽器に関する解釈は自由だ。メロディに合わせて壁を殴らせたり、警察署内にある日用品や事務用品を使って楽器をDIYさせたりするのも立派な楽器だ。警察官達を巻き込んでしまってもいいだろう。【クエリー3:生存/適合/進化】
【状況1】
君たちはシニロ島がかつて存在したエリアの海底を調査した。 すると、島に存在していた実験施設の一部が、海底の洞窟に埋まる形で残されていたことが分かる。岩盤が天然のシェルターとなり、偶然にも残されてしまったのだろう。 不気味な海底トンネルを抜ければ、やがて洞窟の奥にぽっかりと広がった空間へと辿り着く。 A-Zによって修復されたのか、研究施設には電力が戻っていた。空間の片隅には、『使い捨てにされた』人々の亡骸が多く横たわっている……。【状況2】
『来てしまったのですね』 A-Zの声がする。同時、部屋の電気がブツンと落ちた。 暗くなった室内で、培養層だけがぼんやりと光を放っている。 暗闇の中、たくさんの『何か』が蠢く気配があった。薄暗がりの中に現れるのは、PC1がかつて研究所で戦った、あの不気味な肉塊たちだ。だが、それらはあの時よりもさらに洗練された動きを可能としているということにも、同時に気づくはずだ。 それは母胎を守ろうとするように、兵卒めいて統率の取れた動きで、君たちの周囲を取り囲んでいく。【状況3】
A-Zが言う。『パラサイト・ウォーリアーといいます。 生存と繁殖に協力的な、素晴らしい兵士たちですよ。 この短期間の間で、ここまで進化を遂げてくれるとは。正直、私にとっても予想外でした』 暗闇の中から、一際不気味な存在感を放つ肉塊がずるりと姿を現した。(インペインと面識のあるPCであれば、その立ち振る舞いに既視感を覚えるかもしれない)『彼らは人類ですよ。少なくとも半分はね』『その個体は、そこのジャスティカの体内から摘出しました。優秀な個体ですよ』『より強靭に、より強力に、より早く進化を遂げる彼らであれば……いずれは私の目的にも手が届く』【エンドチェック】
□A-Zの言葉に答えた□ロジックボムを受けた□グリットを1点獲得した【解説】
本作のメインヴィランでもあるA-Zの目的を知るシーン。そして死亡したインペインから生まれたパラサイトが姿を見せるシーンだ。ヒーロー達に格好いい断罪の文句を述べてもらおう。【決戦:A-Zの目的】
【状況1】
暗闇の中で激しく明滅するケバケバしい光と、脳髄を揺さぶる電子音。 光に照らされ、おぞましい怪物達が周囲を取り囲んでいる様を君たちは見る。 A-Zの声が高らかと響く。『彼らだけでは不完全です。まだ足りません。 彼らは強力ではありますが、いずれ必ず死を迎え、次世代を生み出していく。 それは私の望む進化の形ではありません。もっと完璧に、もっと適切に、もっと進化を!』『彼らを利用するのですよ』『例えばそう、このように──!』 研究室内の機器が蠢く。それは培養層の前に横たわる、インペインの亡骸に、何らかの施術を施したようだった。 インペインの亡骸が痙攣する。彼の口から激しい咳が溢され、腹に開いていた大穴から、内臓が再び動き出す様が目に入る。失われていたはずの血が溢れ出し、やがて傷口が逆再生するように塞がっていく。その頃にはインペインの苦悶の絶叫が室内に響いていた。 暴れる人間の傍に寄り添うように映像が灯る。 A-Zが嗤った。『──完成だ!』『何度死んでも必ず起こしてあげましょう、人類(ヒューマン)!』『だから、さあ、何度でも──安心して死んでくださいね!』 インペインは蘇った。【状況2】
そんな君たちの耳元で通信の音がする。「ヒ~~~~~ロ〜〜〜〜〜さ~~~~~ん~~~~~!」「長い! 伸ばすな! 代われ! 演奏してろ!」 ジマーの声だ。間延びした彼の声を遮るように、エレクトラが鋭い声を発する。 周囲では警察官達の声と、ジマーが奏でる演奏の音色が聞こえてくる。「DLPD、エレクトラよりヒーロー! 状況は成功、彼の演奏を聞いた警察官達の体内のパラサイトの活動が収まり始めた。どこから聞きつけたんだか、楽団員までネット回線越しに参加する始末よ、もう滅茶苦茶ね! でも、完全な沈黙には至らず。根本的な対処が必要よ」「彼の演奏はそっちにも影響を及ぼす可能性が高い。このまま通信を繋ぐ。手早く済ませなさい!」【戦闘情報】
【エネミー】
・パラサイト・マザー・A-Z・パラサイト・インペイン・インペイン・パラサイト・ウォーリアー×3【エリア配置】
■PC初期配置 エリア1■NPC初期配置 エリア4:パラサイト・マザー エリア3:A-Z エリア2:パラサイト・インペイン、インペイン、パラサイト・ウォーリアー×3【勝敗条件】
勝利条件:パラサイト・マザーとA-Zの撃破敗北条件:PCの全滅【備考】
■エリア2・エリア4を「エリアタイプ:暗闇」とする。■パラサイト・インペインのステータスはインペインと同じものを使用し、「移動適性:暗闇」を追加する(通常インペインは「移動適性:暗闇」を取得していない)【難易度調整】
【A-Zへの追加パワー】
■『局地専用装備:暗闇』 属性:強化・装備 タイミング:永続 判定:なし 射程:なし 目標:自身 代償:なし 効果:選ばれたタイプのエリアにいる限り、君は全ての判定に+30%の修正を得る。──対策していないはずがないでしょう?(このパワーを採用する場合、GMはエリア3を「エリアタイプ:暗闇」にしてみてもいいだろう)【パラサイト・マザーへの追加パワー】
■肉体操作(感染) 属性:移動 判定:霊能80% タイミング:行動 射程:3 目標:1体 代償:ターン6 効果:目標は君のいるエリアに移動する。 このパワーは1ラウンドに1度まで使用できる。──体が動く。いつの間にか。君は“そこ”にいる。【エリアタイプ:スイング・ヒューマンズ】
【スイング・ヒューマンズ音響効果表】
1:ドラムロール! どんどんテンポが早くなる! ターンカウンターを-3する。2:サックスのソロ! メロディアス! 行動順ロールを振り直す。3:クラリネットの優美な演奏! 心が落ち着く! 全てのパワーの代償が半分になる。4:パーカッションが盛り上げる! テンションが上がる! 全てのパワーの射程が1伸びる。5:フラッグ隊ゾーン!(見えないけど) 与えるダメージの値が1d6上昇、受けるダメージの値が3減少。6:楽団員同士の突発セッション対決だ! エリア内のキャラクターは全員【意志】判定を行い、失敗で回避判定・攻撃判定に-10%。成功で回避判定・攻撃判定に+10%。【シナリオの結末(一例)】
【シナリオ経験点】
初期グリット:4点クエリーグリット:3点リマークグリット:3点---------------------------------------経験点:10点