ブラックジャケットRPG キャンペーン

レイド・ゲーム・ジョーカー

──正義が意味を無くした世界で、悪党たちの饗宴が始まる!──

【全体事前情報】

■全三話

■登場組織:ブラックジャケット、盤外視座、グラッジドッグス他

■オリジナルヴィラン要素:無

■世界観の独自解釈要素:強

■傾向:シリアス、オカルト、陰謀劇

■GMに要するルールブック

・基本ルールブック(以下BJR)

■ストーリー理解にあると便利なサプリメント等

・デッドラインヒーローズ基本ルールブック(以下R1)・デッドラインヒーローズ学園マッドネス(以下R2)・デッドラインヒーローズ同人サプリメント:ファインド・ウィークネス(以下D2)

■キャンペーン概要

 日本政府と、日本の国防を担う組織・超人特殊部隊ネバーモア。 その二組織の会談の席が、超人種自治区である己護路島・麻神学園で行われることになった。 交渉担当である葬送法師という人物の護衛を務めるのは、G6ヒーロー・ヘルムズマン。 そしてブラックジャケットが会場の警護を担うことになった。 しかし会談の前日、葬送法師が何者かに殺されて死亡する。 犯人として全国指名手配を受けたのは、鍾馗と呼ばれるヴィランだった。

■世界観について

 基本的にはブラックジャケットの設定のみを参照し、同一の名称であったとしてもデッドラインヒーローズの設定を使用することはない。あるいは、PCがそれを知っているべきではない。 よって、葬送法師は「正体不明のネバーモアの交渉人」であり、「百寄夜會の幹部」ではない。少なくともPCの認識は(盤外視座のPCであったとしても)その認識となる。 独自の設定や、意図的な公式設定からの乖離を多く含む。キャンペーン独自の世界観だと割り切って楽しんでほしい。 一部用語はデッドラインヒーローズより引用しているが、極力ブラックジャケットの世界観のみで楽しめるよう、必要な詳細や補足は解説に記載した。

■キャンペーン全体エントリー

 より詳細なエントリーは各話ページを参照。(キャンペーン全体のネタバレを含むため、GM以外の確認は非推奨)

第一話「ブラックジャック・リミット」

◆所属組織:ブラックジャケット 君たちはブラックジャケット捜査官だ。 ネバーモアと日本政府の会談を行う会場警備のチームリーダーとして抜擢された。 しかし会談前日、ネバーモアの交渉人・葬送法師が死体となって発見される。 君たちはこの事件の捜査を担うことになったのだが…。

第二話「ボーダー・ポーカー」

◆所属組織:盤外視座 君たちは盤外視座の陰陽師だ。 正体を隠して日夜魔のものとの戦いに明け暮れる君たちに、鍾馗から謎めいた指示が送られる。

第三話「オペレーション・レッドドッグ」

◆所属組織:グラッジドッグス 君たちはシルベットからの信頼厚い、グラッジドッグスの傭兵だ。 ある日、シルベットと共に、とある極秘ミッションへと参加することになる。

■キャラクター作成について

 このキャンペーンでは、各話ごとに新しいPCを作成し、それぞれの所属組織の視点でシナリオが進行していく(要は最初に3枚のキャラクターシートを作成する必要があるということだ)。 キャンペーンと銘打ってはいるが、実質PLとGMが同一のレイドシナリオだと思ってほしい。 GMはキャラクター作成に際し、「キャンペーン全体エントリー」や「各話のイベント数」などを伝えて、必要があれば適宜質疑応答などをしながら、キャラメイクを促すと良いだろう(特に、第三話は道中戦がメインになることを伝えておくと良い)

【キャラメイクについて】

 最初にプレイヤーへ作成用点数30点を配布する。 プレイヤーはその点数を任意に振り分けながら、「ブラックジャケット」「盤外視座」「グラッジドッグス」所属のPCを合計3人作成。継続PCを使う場合は、使用している点数配分が上記の形内におさまるようにする。 クリア後の成長点は当該PCにのみ与えられ、次の話のPCに引き継がれることはない。 点数の配分は任意だが、必ず余りの出ないよう作成すること。 第一話開始時点で、GMは第三話までのPCの設定を全て確認していることが望ましい。例)OK:0点のブラックジャケットPCを1人、10点の盤外視座PCを1人、20点のグラッジドッグスPCを1人作成した/8点のブラックジャケット、7点の盤外視座、15点のグラッジドッグスPCを作成NG:0点のPCを作成し、30点分を卓中でリアルタイムに使用することにした
 一応の目安として、第一話の推奨点数は0点、第二話は10点、第三話は20点となっているが、配分は任意とする。 経験豊富なブラックジャケット捜査官を作成してもいいし、グラッジドッグスの新兵を作成してもいい。相談しながら決めると良いだろう。

【キャラクター作成に関する注意事項】

 ネバーモア関係者、葬送法師関係者を作成するのはシナリオ進行上の情報管理の観点から避けた方がいい。 各三話は全て同時間軸の事件をテーマとする為、同じ人物が複数のシナリオを跨いで登場することは出来ないものとする。 また、各話を跨いだPC同士の間に面識があると設定するのも、基本的には非推奨だ。

※以下、キャンペーンのネタバレを含む※

第一話「ブラックジャック・リミット」

【事前情報】

 チャレンジ:1 クエリー:3 リーサル:1 リトライ:2

【主な登場組織】

ブラックジャケット・ガーディアンズ・シックス・盤外視座

【あらすじ】

 君たちはブラックジャケット捜査官だ。 超人傭兵部隊ネバーモアと日本政府の交渉の席「麻神学園」の警護任務を担うことになった。 囚人である君たちがそんな場所を任された裏には、組織同士のパワーゲームがあるらしい。 しかし会談の前日、ネバーモアの交渉役であった「葬送法師」が死体となって発見され、「鍾馗」という人物が指名手配を受ける。 君たちは事件の捜査を担うことになった。

▼シナリオ本文

第二話「ボーダー・ポーカー」

【事前情報】

 クエリー:3 チャレンジ:2 リトライ:2

【主な登場組織】

盤外視座・虚構操連

【あらすじ】

 君たちは盤外視座の陰陽師だ。 ある日、君たちの組織の長である鍾馗が指名手配を受ける。 姿を消す直前の鍾馗が最後に下した指示は「野に伏し、葬送法師を探れ」。 しかし潜伏する君達に、不気味な襲撃者が忍び寄る。

▼シナリオ本文

第三話「オペレーション・レッドドッグ」

【事前情報】

 クエリー:1 チャレンジ:1 リーサル:1 バトル:3(+決戦) リトライ:6※特殊ルール このシナリオでは、リトライを消費して行う休息で、エナジーと同様にカルマも回復して良いものとする。(リトライ一点につき1d6点のカルマ回復となる)

【主な登場組織】

グラッジドッグスネバーモア盤外視座・ドールハウス・ウォッチメイカー・ブラックジャケット

【あらすじ】

 君たちは超人特殊部隊ネバーモアの下部組織、グラッジドッグスの構成員だ。 ……そして今、とんでもない秘密を抱えている。 そして、皆、思いは一つ──「ちくしょう、ハメられた!!!!!」

▼シナリオ本文

7.キャンペーン全体解説(全編ネタバレ)

【キャンペーンの背景】

 このキャンペーン内には三人の葬送法師が登場する。まず、第一話で登場する影武者の葬送法師。これはG6からの依頼を受けた外部のヒーローだが、後述する三人目の葬送法師の手によって精神を操られている。PC1へと接触し、ブラックジャケット内部への干渉を成功させるに至ったのも、この影武者を介してのことだ。そしてこの影武者は後に葬送法師として殺され、東京・神田川に死体を捨てられ、都内へと穢れを循環させる呪物としての役割を担った。
 二人目の葬送法師は、第二話で登場する神官である。彼自身は清め役の役目を帯びた一族のものである(火霞一族における声聞師のようなものである)。本来ならば正道に則った実力ある陰陽師の一人であったが、日本政府を介して三番目の葬送法師の洗脳下へと置かれることになってしまった。
 三番目の葬送法師は、本来のネバーモアの交渉役たる人物である。いわゆる本物の葬送法師と言って良い。その正体は、天津神に席を追われた国引きの国津神、大和朝廷と対立し土蜘蛛と呼ばれたまつろわぬ民たちの恨み、そして望まぬ役目とともに長らくを穢れに触れ差別され続けてきた、葬送法師としての役目を押し付けられた者たちの怨念が、一個人としての形を成したもの。その在り方は妖怪というよりも、怨霊と呼ぶべきものに近しい。
 その積み重ねられた恨みの目的は、すなわち「日本という国の消滅」。 けれど葬送法師は慎重だった。彼は形を為して即座にことを起こしたのではなく、長らくを下積みへと当てた。彼の望みが最も叶う可能性が高かったのは第二次世界大戦最中、彼は人同士の争いに乗じて人知れず日本への呪いを振りまき、この国が消滅するよう働きかけ続けた。しかしそれは戦中に姿を現し世界へ存在を認識されるに至った超人種という存在、その過程で起きた混乱の中、不完全な形で幕を引く。日本は戦争に敗北こそしたが、国一つが消えるには至らなかったのである。あるいはそこには、人知れず国の崩壊を防いだ、当時は確かに存在していた崇高な精神を持つ英雄(ヒーロー)たちの活躍があったのかもしれないが、それらは全て記録には残されていない話だ。
 そのため、葬送法師はさらに身分を隠し、時を待った。在日米軍との交渉を担い、国防を超人へと委ねさせた。そして「この国本来の民ではない」超人種たちが多く国内へと移住する環境を作り出し、自身は交渉役として彼らと日本政府との橋渡しの役目を担う。
 葬送法師はひたすらに待った。力持つ超人種たちが、英傑ではなく凡夫へと変わり果てていくのを、日本という国が凡夫たる超人へと依存していくのを。 あるいはそれは、いずれはゆっくりと実り、超人大国・日本を少しずつ自然な形で崩壊させていく呪いであったのかもしれない。しかし、そうした葬送法師の思惑を知り、背を押し、決定的な引き金を引かせた存在がいた。それはG6代表ヘルムズマンと接触後、急遽として組織の方針を転換し、クーデターの計画を発案した、ネバーモアのトップを担う『誰か』であったのだ。

【Q&A】

Q.なんでヘルムズマンは死んだのに動いてたの?A.葬送法師③が『影繰り』で操ってたよ。黒不浄の体も同じ方法で操ってたよ。 黒不浄の体を回収して再利用したのは彼の体は穢れの巣窟みたいなものだからだよ。便利に再利用してたよ。 ヘルムズマンの死体と穢れ爆弾黒不浄の体を使って荒夜髭神社や他の神域を徹底的に穢してたよ。
Q.なんで葬送法師①はPC1に自分の死の予言を告げたの?A.葬送法師③に操られていたよ。 あの予言の接触で葬送法師③は葬送法師①を介して第一話のPC1に『影繰り』をかけたよ。
Q.葬送法師②は誰に操られてたの?A.葬送法師③だよ。正確に言えば葬送法師②以外も日本政府側の偉い人たちがいっぱい操られてるよ。交渉役としての立場を使って少しずつ少しずつ手駒を増やしてたよ。 盤外視座や鍾馗が日本政府から襲われたり狙われたりしたのはそのためだよ。京都秘密地下路線は葬送法師③がずーっと昔から計画してたよ。はっきり動き出したのは戦後からだよ。
Q.葬送法師①を殺したのは誰?A.誰でもいいけど、多分葬送法師③だよ。 要らなくなったので、神田川を穢す呪いとして再利用したよ。
Q.レディ・レンズが撃たれたのは何故? 誰が撃ったの?A.グラッジドッグスに調査の手を向けさせて四面楚歌にする為だよ。 レンズを撃ったのはネバーモア派の誰か(バングかもしれないね)だけど葬送法師③の術がかけられてる第一話のPC1には別の人に見えてたよ。
Q.グラッジドッグスの誘拐は計画通りだったの?A.計画通りだったよ。彼らがそういう風に動いてくれることを期待して情報をリークしたりしてたよ。 目的は対鍾馗に関するボディガード兼目眩し。クーデターの手駒になればラッキーぐらいの認識だったよ。
Q.葬送法師の計算外は?A.エゴイストの集団のはずの盤外視座が団結し、グラッジドッグスが思ってたよりも強くて、さっさと動きを封じるつもりだったブラックジャケットに対してグレート・ワンが21時間の猶予を与えちゃったこと。