複数の分子のblinkingを二次元平面上で同時に測定するため、全反射蛍光顕微鏡(TIRF)を基盤とした1分子測定装置を構築した。本装置には、高感度かつ高速応答を備えたqCMOSカメラを搭載し、これにより、1分子レベルでの蛍光blinkingの同時観察が可能となった。加えて、本システムは共焦点観察モードへの切り替え機能も有しており、必要に応じて観察条件を最適化することができる。これにより、個々の分子について空間的・時間的に高精度な解析が可能となり、多分子系におけるダイナミクスの詳細な理解へとつながるプラットフォームを構築した。
公益財団法人JKA機械振興補助事業「2024年度1分子蛍光blinkingの2次元イメージング技術創出開発事業補助事業」
ペプチドやDNA等の生体分子構造ダイナミクスを1分子計測する手法を確立するために、蛍光色素を有するモデルペプチド分子を合成した。モデルペプチド分子は、二次構造変化を誘起する条件において、外部環境に応答して蛍光明滅パターンを変化させた。蛍光明滅パターンの変化と構造変化を紐づけて解析することで、生体分子の構造変化に関する理解がより一層進むことが期待される。
公益財団法人JKA機械振興補助事業「2024年度生体分子構造ダイナミクスの1分子時系列計測手法の開発補助事業」