魂の溢れる場所。特異点。半物質エネルギーが地下の電極と混ざり、物質の中に入りこむ。その物質と半物質が混ざり合い、生物学的な細胞分裂を始めると、魂を持った存在。目指すモノ〈如来〉となる。海からやってくるのではなない。地球の底からやってくる。半物質エネルギーの力を持って生まれた存在。生物が現れる。その魂は生物を介して半物質の純度を上げ、遥か宇宙へと飛び立つ。ゆえに宇宙人には地球系魂をルーツに持つ存在が居た。地球系魂〈earritsアーリス〉たちは自分たちの魂の故郷を〈聖域〉とし、不可侵条約を結んでいた。魂のgrandlineの先にあるという、魂の終着点〈迴天〉を目指す魂も居た。もちろんそこに辿り着くためには、果てなき魂の修練が必要であったが。
稀にいるのだ、魂の転生を繰り返す。
基本的には魂は半物質エネルギー世界へと還元されていく。
しかし転生を繰り返す魂がいる。
地球の中で、宇宙へ。
しかし地球の中で繰り返す魂を持った人間がいる。
現れる。
世界を語るのは、そんな〈継ぐ者〉たちだった。
遥か昔を語る。
昔の干支物語を。
釈迦堂家の中で、使われている、海の底から這い上がって来る異形の生き物の名前。
神が新たな神を生むための始まり。
この宇宙の外側に存在する〈意思〉あるいは〈意識〉むしろ〈思想〉もしくは〈心〉を神というのなら、神は何処でこの宇宙を創ったのだろう?
神は実験したのかもしれない。
神は神を創れるのかと。