奴隷たちが生活し奴隷色のステージが開催される秘密クラブの館の構造を各巻の中で描写される断片から想像をたくましくしてみた。
外見はこのような感じの3階建ての洋館であろう。
右の扉はたまり場に繋がる。
左のドアからはステージ開催時以外は自由に出入り出来るバーミラーの入り口と通常は入れないステージへとつながるドアへとつながる。
車庫で奴隷を外に戻す、客を連れてくるときには目隠しをして車で運ぶ。
1階からは通常建物正面左のドアから階段で地下のバーミラーへ行く。関係者は奥のドアと向かって右のドアを開けてステージに向かう。右のドアからは2階のST3のステージへ、奥のドアからは楓の間に入る。この和室(楓の間)(第5、6室)がステージとして使われるのは2010年辺りからである。奥のマスク檻2(調教室2)を始め各マスク檻には通常4人のマスク男が飼われている。あとメゾンド薮田にも同様の檻が存在する。そして奥の階段からST2のステージのある2階へと繋がる階段がある。
また建物正面右のドアを開けて入ると吹き抜けのたまり場につながる廊下に出る。また建物右側面には2階の望月組の組長室につながるドアがある。
2階にある組長室は元々あったものか、それとも奴隷の館として使われだしてからかは不明であるが、狭山が組長になってから登場している。当初地下1階のマスク檻3 ST1(第7室)だけで行われていたが、本格的なショーを行うために新たに2007年頃設置されたのがこの2階のST2(第1室)である。ストリップ劇場のような丸い張出を持つステージである。そしてST3(第2室)が使われるようになるがカーテンで仕切ったり向きを変えたりして種々に模様替えされている。またマスク檻1(調教1)も調教兼ステージとしても使われている。奥には3階の接待階に繋がる階段がある。各階をつなぐ階段には奴隷の写真が貼ってある
建物正面右から入ると吹き抜けの上段に出て階段を降りるとたまり場に出るが、2005年に最初に作られたステージ(S4冒頭で施工前の現場が説明される)はマスク檻3 ST1(第7室)のようで最初の時点ではこの部屋のみ完成しており、吹き抜けは現在の階段が作業用の階段としてのみ存在し、外部からはこの作業用階段を降りて、あるいはバーも出来ていないのでバーへ降りる階段を使って(S1)この場所に来たようである。バーが出来たのは2009年頃か。ちなみに途中にある丸テーブルもショー用に使い出したのは2015年。この第7室から奴隷がバーや丸テーブルを経てステージや奴隷檻、接待室に行き来する。
想像を逞しくして奴隷の館1を描いて見た後、撮影したスタジオ(聖地)を発見し、また再度各巻を見返してみると矛盾(逃げる方向が奴隷の方た1だと反対とか、階段のシーンが奴隷の館1と逆だとか)が目に付き改良しようと思い立った。ただもともと撮影上の制約から別部屋になったりしているものを取り込んだりしたりするとどんどん巨大化してしまい、なんとなく元の方がいいような気もしてきたので、置き換えるのではなく2として別に起こすこととした。
外観は普通の家屋のような感じで2階建てとした。その代わり地下4階と非常に深い構造となってしまった。ただS41で青柳が檻の前で「このビル」としているので正しくはビル構造とすべきかも知れない。
1と同様バーミラーへは左の階段から行くが、このような一戸建ての地下にバーがあるのは無理があるようにも思えたが、アプリの関係上こうなってしまった。
ちなみに文中で初出、初登場とあるのは発売日でなく背景年代としての初出
駐車場の左からバーに降りるのは1と同じだが、このイメージでは2階へもこの階段で上がる形にして1階自体はS33等で登場する駐車場から入るか、右の玄関から入る形とした。右の玄関の方は、入ると客間(登場しない)を通って調教室に出る。ここはS5,S6に出てきた調教室をイメージしている。しかし実際の主要な出入りは左の駐車場経由となる。拉致した奴隷は車で運ばれ駐車場から直接繋がるドアから右の檻のあるステージに運ばれ多くのファーストレイプショーの舞台となっている。S6のショーのステージもここを想定したが地下4階かも知れない。S7,S8ではショーではないがファーストレイプはここで行われた。一応撮影された観音スタジオの図面をベースにしている。また駐車場の奥は当初2台目の自動車やバイクなどを入れたり、倉庫代わりに使っていて右奥右ドアから玄関から入った奥の調教室の檻へ運び込んでのファーストレイプ(S5,S6)、左のドアを開けて階段から地下に運び込んだりしていた。しかし2017年以降はここもステージとして使われS36から登場しS37,38,S44と登場している。S36では地下2階のたまり場に連れ込まれた後階段を登って逃げてきているのでこの左のドアから入ってきたものと考えられる。また右奥には2階に上る階段もあり人目につかない形で2階へ運べる設計とした。
2階は館1と同様、組長室であるが専用の入口ではなく1階からはバーに降りる階段隣の上り階段を登ってすぐ左のドアから入る形とした。初出のT4で階段を上って入っている。おそらく冴山が望月組の組長になった2015年に望月組本部をこちらに移したと考える。T4、T6ではここで陵辱される場面が登場する。なお、組本部があるということでトイレ浴室キッチンなども必要と思いその奥に設置した。キッチン横の階段はガレージ奥から上がっており、奴隷などを1階の直接外部に晒す危険を排除し地下一階から内部の階段のみで2階まで登って来られる。また組長室の隣には和室を想定したが、この和室は観音スタジオのものでなく姉妹で使用された和室のイメージである。和室は多く登場するが他のステージとの上下関係があることと2009年のT1時点では4和室あるとしているので各階に分散して配置し整合性をとった。つまり組長室が出来る前からこちらは存在したこととなる。更に和室の右にはM1,M2で登場するメゾンド薮田専用のステージを想定した。一番奥には姉妹で使用された洋室のステージを想定する。
地下一階は館1と同様バーミラーで階段降りて左のドアを開けると出る。観音スタジオをベースにしている。なお右のドアの奥は奴隷檻に繋がるので施錠されている。バーの初出はS12と思われるので望月組本部の移動と同じタイミングで開業したと思われる。S7で登場するビデオを見ながらフェラ接待を受けているのはバーとして開業する前のこの場所ではないかと思われる。一方T4でバーのような所が出てくるが、奥に檻が見えることからこれはバーミラーとは別であると考える。階段からの入り口の対面にもドアがあり奥へ繋がっていると想定し、開けるとS21で初出する丸テーブルの部屋を経由して前方にドア、右に廊下に出る(S24で見られる通路はこの廊下と考える)。前方のドアを開けるとS26等2016年以降登場するエレベータ様のあるステージに出る。ここはおそらく更に下にあるとした吹き抜けたまり場と同時に作られたものと考える。S34、S35ではエレベータ様の手前にある階段から下に降り吹き抜けのあるたまり場の吹き抜け階段を降りて更に逃げている場面となったと考えると一応辻褄は合う。また右奥の階段は上のガレージを改造したステージと繋がっておりS36ではたまり場からここを経由してこのステージへ上がったものと想定した。また入り口のドア横の廊下を通ると右側にF4などで登場する赤が印象的なVIP用接待室があるとする。S22ではこのVIP用接待室から奥の階段を降りて地下2階の特徴のないステージ部屋へ戻るシーンがあった。そしてその奥が奴隷居住区となっている檻群(S10,S11等)が続く。S10で40人がこの階で飼われているとされているが、バーのできる前はこの階全体が奴隷居住区であったと考える。改造後は順に各階に分散させた。(14檻あるので1檻平均2から3名、そのうち3檻はマスク男と共同生活)。S15で檻の前で接待室に左右に別れて案内されているが、一人は通常のコンクリ白階段で降りて地下2階の接待室、一人はこの階のVIP接待室に案内されたと考える。また先程述べたT4のバーのような所もこの廊下に簡易バーをセットした、あるいはバーミラーが出来る前はここにバーを置いていたと考えると辻褄が合う。ただ、そこに至る階段が通常のコンクリ階段でなく、あるいはガレージ奥から降りる階段がコンクリ階段ではなくこの階段かも知れない。S36でこの階段を上るシーンは無いのでこの階段が特別な階段でも辻褄は合う。S20でバーから上がって逃げたところは館の外の工事中の場所と考えざるを得ない。
地下2階
地下2階の中二階にあたる吹き抜け上の通路であるここには1階左から続く階段途中の踊り場にあるドアから入る。S26でまずコンクリ階段を降りて次に吹き抜け上から階段を降りているのはこの流れである。弁護士では踊り場にドアがあることがわかる。S15やS16で後をつけた時に下る階段はこの吹き抜けの下り階段で吹き抜け設置前の工事中の階段と考えた。F4の場合は吹き抜け設置前のため吹き抜け階段を降りた後またコンクリ階段に戻っているがこのコンクリ階段は1階から繋がる外階段ではなく奥の階段と考えると辻褄は合う。S34,S35で逃げている時に降りてくるのが奥の階段であるここから吹き抜け階段を降りて逃げている。この時に入口の方に逃げていないのは基本外からしか開かない設計になっていたからと考える。S36でも吹き抜けに連れ込まれた後階段を登って逃げてきているがその時はこの階段ではなく、後述するようにたまり場奥のドアから逃げたものと判断する。経路が種々あるのはドアの施錠の状況によって変わってきたものと考える。(大体逃走自体仕組まれているのでその方向にドアが開けられているとか)
その吹き抜け階段を降りたたまり場のあるのが、地下二階である。吹き抜け上の中二階に出るドアを通らず階段を降りた場合は左右のドアのある廊下に出る。左の黒いドアを開けるとS26で登場する接待室に、また右の白いドアは通常施錠されているが開けて直進し左の障子を開けると2009年以降の多くの巻で登場する和室(S9,S10等)に出る。同和室はステージとしての十畳と八畳の観客席の2室で観音スタジオの図面に基づいている。なお、初出と思われるT1では4つの和室があるとしているのでここで2室、他に2階と地下4階にある姉妹で使われた板の間の観客席を持つ和室の2室ともこの時点であったものと考えている(他との関係で和室でのステージはこの3室のいずれかと想定)。また廊下を左に曲がると左に吹き抜けのあるたまり場に抜ける。この吹き抜けのあるたまり場はS36が初出のようで2017年に大きな工事があってこの吹き抜けたまり場や追加のステージが追加されたものと考えた。S44ではこのたまり場自体もステージとして使っている。そして2017年前のS15、S16ではこの工事中の場所のシーンがあったものと考える。更に廊下を進み突き当りを右に曲がるとS17で初登場する特徴のないステージ部屋に出る。ここはT5では他の檻から奥の階段を上って調教が行われたり、S11(含FR),S12(FR)、S19、S23などでも使われているが、ビニールシートで覆ったり(S22)カーテンで覆ったり(人妻)など別の部屋のように見えるのもここと考えた。あるいは、S4で最初にステージとして使われた部屋もここかも知れない。そしてこの部屋がS4で最初にステージとして作られた場所で2009年に拡張されるまで模様替えをしながら使われ、2009年に3ステージ4和室の体制になるまで使われていたと設定した。当時は学校の地下に檻と調教用の部屋がありこちらは専らステージとして使用されていたと考える。更に進むと上から降りてくる階段と地下3階に降りる階段がありその右に檻があるがここはS9でファーストレイプ及びその後入れられていた檻のイメージ(T2も)である。
バーに降りる階段を更に降りて地下3階に降りる(F4等)と左奥と左、更に右奥の3つのドアに当たる。このうち真ん中の左側ドアはこの奴隷の館各部屋及び周囲に設置された各監視カメラで監視しているセキュリティ室(奴隷色には登場しない)と想定した。その先の右のドアは早くもS3で登場する張り出しのあるステージ(他にS7,T3,S21,S23,S24)に繋がる。この部屋の左奥あるいは最初の左奥のドアはS5で初出する細柱のあるステージ(他にS8,S10(含FR),S11,S13,S14,S15,S16,S18,S20,F3,F4,F5)に繋がる。このステージと先ほどの張り出しのあるステージと地下4階もしくは1階の檻のあるステージがT1で言及されている3つのステージであろう。そして細柱のあるステージの右にはS32で初出する太柱のステージが広がっている。この2つのステージは笹塚Aスタジオの寸法を参考にした。なお通常は地下4階の奥の階段を登って柱のところから出入りするようである。また張り出しのあるステージの奥の扉の奥にはT1やF1で使われた接待室とS34,S35でたまり場の吹き抜け階段を降りて捕まる檻部屋がある。S35で助けられて運ばれたと思っていた部屋がこの接待室でたまり場からは奥の階段を降りてきてここで捕まりこの檻に入れられるという想定である。
更に降りると地下4階である。ドアを開けるともうそこは楠木女学院高校の教室前の通路である。2010年のT2で初めて登場する奴隷の新鮮味を失わさせない為の偽教室である。教室前の通路もまたその奥にある偽学校のロッカールームもT2,T4,T6等で登場しいる。更にロッカー前から奥へと続く通路はS7で初めて登場しているので2009年4和室3ステージ体制が整った頃に出来上がったものと考えた。T2ではこの通路が先程の偽学校に繋がるシーンが見受けられた。T3でもステージ間の移動に使っているのは地下4階と地下3階のステージ移動と考える。更にS21ではこの地下3階に上る階段がチラと見える。通路の更に奥にある和室(S8での接待等)、通路を右折して入るとS1,S39等で登場する檻のあるステージは頻出するので他の階にも同様の部屋があり階の上下などで矛盾が出ないようようにした(例えばS1,S8での階段を降りて入る場面ではここを想定、S7で飼育に使用するのも同様にここを想定、S9,S10等はどちらとも考えられる。)。一番奥の檻はF3で収録に利用した檻がここという設定。なお、登場しないがキッチンとバス・トイレをここに設置しておいた。接待室や吹き抜けたまり場、ステージで飲み物を出す場合はバーミラーかこのキッチン、また食事についてはこのキッチンで作って運ぶとした。S12で接待和室に降りているのはこの地下4階に降りているところであり、逆にワインを持って上がっているのはここのキッチンでセットして上の階に運んでいるシーンとした。
初期の頃は調教やその間の監禁は学校の地下の部屋で行われショーのステージとしてのみ使われていた(S1)従ってS2などはほとんどが学校内と思われる。
S6で上記一階の調教室でのファーストレイプの時、この地下室で暮らすんだという台詞があるが、これはここが地下という意味ではなく、こも建物の地下室で暮らすんだという意味にとれば矛盾しない。(おそらく地下一階の奴隷居住区で監禁と考える)
S10で58美雪58が地下3階細柱のあるステージでのファーストレイプショーの後外階段を下り、後に地下一階の奴隷檻にいるが、これは一旦地下4階の檻に仮置、もしくは浴槽で洗浄して地下一階にあげたものと解釈。
S10で細柱ステージは和室の階下:地下2階の十畳和室の階下に地下3階細柱のあるステージがあり合致する
S10で地下一階の奴隷檻でこの階には奴隷が40人飼われているとあるので、これをもし織り込むと奴隷檻のみの階となるが、この時点ではバーその他の施設は出来ていないので上記のようにその時点では階全体が奴隷居住区であったとした。もし別に奴隷居住専門の階があるとすると地下5階となってしまうが、参考に以下にその場合の地下5階を想定してみた
S28で薮田薫が地下二階の吹き抜中央階段を降り、下にいらっしゃると聞いて、更に白階段を降りて地下1階のバーミラーで桐子と会っているが、これは下にいると言われたのは白階段で会った青柳のことで、その後地下三階でバーミラーに桐子が来ていると聞いてバーに向かったとする。
檻のあるステージから階段登ってドアを開けて和室に入るケース:地下4階のステージから外階段を登って地下2階の十畳和室
通路や吹き抜けのあるたまり場より上にある檻のあるステージ:地下4階の通路より上の地下2階の十畳和室か双方より上の2階和室
檻のあるステージからバーを抜けて外へ出る: 地下4階の通路より地下1階のバーミラーを抜けて外へ
接待には檻のあるステージから階段を降りている: 1階の檻のあるステージから降りて地下の各接待室へ
O2・S39で外から階段を降りて檻のあるステージへ:地下4階ステージ
F3などで登場する丸檻:基本地下4階の檻のあるステージのひとつが丸檻でここを使っている
K1で檻のあるステージから和室にバーを経由(通常入り口から奥へのコース):地下4階の通路より地下1階のバーミラー経由で奥からガレージ経由で2階の和室に。。。バーへ通じる階段で2階まで行こうとすると1階で外部の目に晒す危険があるためバーを通って建物内部の階段で2階の和室に向かったためとする。
S39で檻のあるステージから逃げる問バーを抜けている:地下4階のステージから奥の階段で太柱のステージ張り出しのあるステージ地下三階奥の階段から地下2階地下1階と上りバー奥から入口へと向かった時点で捕まったとする。T5で地下3階の檻から階段登っての調教は接待室が使われているため、広めの地下2階で調教したとする
細柱ステージは工事中のたまり場階段を降り白階段を降りてここにつく:地下2階のたまり場の吹き抜け階段を降り白階段から降りるコース
檻のあるステージより階段上る:地下4階より階段を上る
S18で奴隷居住区から降りてここに来る:地下1階の居住区からは降りる形となるF3で見かけない通路を通るが、これは各階にある廊下のいずれかと考える。檻から逃げる、逃がす時階段を上がる(例S22)下がるがあるが2階以外には全て檻のある部屋があり、どこから逃げたかは特定出来ない為辻褄は合う吹き抜けたまり場が地下2階にあるのでここが工事中の場合コンクリ白階段をその前後に通っても不自然ではないS26でコンクリ階段吹き抜け降りてたまり場で話した後バーに移っているがたまり場に行くのがまず目的でその後内部外側どちらの階段を使ってもそう不自然ではないだろう。
階段については、基本全て白いコンクリ階段と考え、これと異なるのはガレージ奥の階段がT4で登場する階段。吹き抜けたまり場の吹き抜け階段は工事中も含めて吹き抜け時の階段と同じ。
地下5階(S10との整合性をとった場合):この場合S10での飼育はここになる
団鬼六の花と蛇で同じ様に奴隷を監禁し、調教し、ショーを開く田代邸(地獄屋敷)を七四式氏が以前公開していた村瀬小夜子ファンクラブの 地獄屋敷・見取り図を元に同じ様に起こしてみた。(以下の説明で特に()で注釈の無いものは同サイトでの説明をほぼ引用している)外観はこうなる。イメージを膨らませるために長田要氏の漫画と白川氏による新花と蛇も参考にさせて貰った。
1階の玄関を入っての正面には和室十畳の大広間があり田代邸の最初の責め(静子の浣腸)はここでスタートした(一応座卓の上で開脚吊りでされるのを見ていたという想定)。青葉の庭に面した日あたりのいい部屋で、床の間には掛け軸、それに墨字の額がかかっている田代邸としては珍しく品が良い。岩崎親分を迎えた時には、秘密ショー実行委員会の会議場となる。図面ではその上が来客用洋風寝室で小夜子がスリップ姿で椅子に縛られた部屋なのでベッドでなくテーブルと肘掛椅子三脚を置いている。(長田図では和室のようだ)その上の北となりの倉庫に閉じ込められた文夫と美津子の声を小夜子は壁越しに聞いている。床には青い絨毯が敷かれ、庭の青葉とよく映える。そして倉庫(物置)が最初に美津子が柱に縛られセーラー服を脱がされた倉庫部屋でその後、美津子と文夫のために猿の檻が提供され、数日間、二人の愛の巣となった。「玄関から廊下をふたつほど廻った突き当たりの五坪の部屋」とあるがそれほど大きくは七四式氏は描いていない(5平米ほどの部屋として描いた。白川氏は六畳ほどの狭い部屋とも表現)(白川氏によると衣装部屋にもなっている)。反対側にはチンピラ部屋(白川絵(塗とレンガがあるが塗りを採用)を参考にした)がある。チンピラ部屋は別名『地獄部屋』と呼ばれる四畳半(完結編では六畳間(白川氏新も同))でいつも数名(七名ぐらいか?)のチンピラがゴロゴロしており、葉桜団も使うようだ。鬼源式『一夜漬け』とは、この部屋に女を一晩入れて輪姦させるスパルタ教育のこと。(1)小夜子に経験をつませるため、(2)静子を妊娠させるため(三日間)、(3)珠江のプライドをなくすため(三日間)、一夜(三夜)漬けが計画されたがいずれも中止。チンピラ部屋の隣に地下室へ通じる隠し扉(壁のボタンで開く)があり、庭にもすぐ出ることができる。美津子は二階から階段を下り、チンピラ部屋の前を通って庭へ逃げた。その横が台所と食堂となっており美津子の一回目の逃亡で、美津子はキッチンルームの大きなテーブルの下に隠れた。森田組、ズベ公、ヒロインたちの食事を毎日作っている。そして玄関・階段を挟んで幹部たちの部屋が続く。いくつかの部屋が森田組幹部である村田や井上に与えられていると考えても良いだろう。(白川氏の新花と蛇ではこのうち一つを吉沢が私室として使っており「部屋に備え付けられた浴室の一方の壁面には大きな鏡がはめ込まれているがこれは実はマジックミラーであり、部屋から内部を素通しで見ることが出来るようになっている。」とある。)。井上はしばらく桂子と同棲している。そして廊下を挟んで一番南(図最左下)が応接間兼寝室で二階の津村の寝室で剃毛された小夜子は、この部屋で文夫と屈辱の再会をした。(長田絵に配置した)
なお、京子が静子を連れて逃げるとき「葉桜団の部屋の前をそっと通り抜け、縁先から庭に降りた。」となっているのは、表玄関にはガードがいると察して裏に出ようとしたと解す。
更に庭には土蔵(白川氏は竹藪の中にあるとしているが原作ではそれは茶室で土蔵とは別と思われ七四式氏もそうしてるので図でもそのようにした。)があり静子と京子のレズ・ショーが行われ、美津子が処女を失ったのはこの土蔵である。下っ端ヤクザ用のショーはここで行われる。また庭には茶室があり、伊沢弁護士を呼んだときに、静子をいたぶった部屋で竹やぶの中にある。庭は美津子と文夫がズベ公らによって結婚祝賀会を開かれ、サクラの木がある。田代はシェパードを飼っているが、一度も姿を現さない(土蔵の横に檻を置いた)。竹やぶがあり、逃亡した女達の絶好の隠れ場所となる。美津子の2度目の脱走の際、渡り廊下から庭に降り竹藪の奥にある土蔵へ向かうとの表記があるが、竹藪の中は茶室でありその混同と理解し土蔵へは長田氏イメージで渡り廊下のまま行ける形をとった。ちなみに京子が逃走するきっかけの渡り廊下は吉沢が土蔵で待っており(吉沢の待つ部屋の表現は吉沢の部屋とは限らない)へ美容室で化粧した(ホームバーから美容室経由で)京子がこの渡り廊下を連れられていたと解釈。
玄関すぐの階段を上がリ左に曲がった奥(図の下、最南)の壁に向かって右(図の最左下)は森田の部屋である。(もしかしたら森田と田代は離れに住んでいて、田代邸は建物が二つに分かれている可能性もある。まぁ、みんな一緒ということで一つ屋根とした。と七四式氏)森田はこの部屋で京子を抱いている。その上隣が田代の部屋で最初に静子が田代と森田に抱かれた部屋。ここで京子が静子救出に失敗している。八畳と六畳の二間であるが、六畳の部屋で、京子は川田に処女を奪われている。なお、田代の部屋からも上隣の浴室(二階の田代の寝室には白いタイル張りの大きな浴室)へ行くことができ、風呂で静子を田代と森田ふたりがかりでなぶっている。小夜子はこの浴室から女中部屋まで四つんばいで歩かされた。「突き当りの部屋が田代の寝室」という描写があるので、森田の部屋と逆の可能性もある。浴室の上隣が千代の部屋で八畳と六畳の二間。ここに静子は泊り込んでお尻の特訓を受ける。春太郎と夏次郎に静子が犯されたのもこの部屋。その上がズベ公部屋で一階のチンピラ部屋からズベ公たちの笑い声が聞こえることもあるが、こちらが本当の部屋。その上の最北の角部屋が女中部屋で四畳半の窓のない部屋で小夜子が初夜を過ごし、後に京子が春太郎・夏次郎と新婚生活を送った部屋(四畳半に三人は狭いと思うが)(白川氏七四式ともに板壁)。鍵穴から中を覗くことができる無用心な部屋。その廊下を挟んで向かいの最北右角が奥座敷(長田、白川両絵を参考にした)で十畳間が二つつながっている、田代邸最大の部屋。賭場やショーの会場としてよく使われる。その下がホーム酒場で調教室と共に、『花と蛇』に最もよく登場する部屋。「日当りが良い」とあるから、東向きではない可能性もある。スタンドには10人ほど座れる。ソファには円形のものもある。花模様の青い絨毯が敷かれている。美津子はここで吉沢にみそめられる。竹田が臨時のバーテンダーをやっている。その下の外側(庭に面した窓とあるので74式氏の位置とは逆にした)が吉沢の部屋(和室のように白川絵ではなっているが、七四式に従って洋室とする)森田組幹部、気の荒い吉沢が、美津子を犯そうとして失敗したり、京子と数日間同棲した部屋。「こじんまりとした洋間で古風なダブルベッドが置いてある」その隣が津村の部屋で月に二、三日しか来ないのだが、岩崎親分の威光で部屋をもらったようだ。たぶん六畳間で、ダブルベッドの上は鏡張り。小夜子はこの部屋で剃毛を受けた。(白川絵では和室だが七四式氏に従い洋室とし壁は長田氏に従い障子や柱の感じが和風だが洋室に合わせて洋風とした。)階段を挟んで菊の間(白川新花と蛇ではソファが持ち込まれる)で美津子が一度入れられた小部屋。後に大塚順子の部屋となったようだ(「二階の八畳の和室」)(白川氏の「順子が扉を開ける」とあるので白川絵の障子以外にドアも設置した)。『菊の間』の名前の由来がわからない。隣が鬼源の部屋で川田と共に静子をこの部屋で抱いている。その下に伊沢の泊まった部屋があり伊沢弁護士が静子を抱いた部屋で大人七人が入れる不思議な洋式トイレつきの和室。隣の六畳間とはガラス戸でしきられている。たぶん来客用の普通の部屋だろう。「二階の梅の間の伊沢先生よ」というセリフがあるが、「梅の間」は三階なので記憶違いか?その下の南角が岩崎親分が泊まった部屋で 来客用の二間(八畳の寝所と六畳)の部屋。隠しマイクがついている困った寝室つき。もしかしたら、伊沢の泊まった部屋と重なっているかも知れない。なお赤い絨毯のひかれた二階の廊下なので各階とも採用した。
階段を上った廊下を挟んで向かいにある十畳の和室があるがここは調教室の隣の和室で文夫と桂子は初めてコンビの訓練を開始したのがここ。そしてその上が調教室で田代邸の心臓部である。元は物置であった十畳間を改造したもの。でカーテンで仕切られた部分は検診室。隣に洗面所兼美容室が付属。その上が大広間、二十畳の部屋で、岩崎親分が来たときに、ショーの第二会場となった。その右下が清次らの部屋で 清次、三郎、五郎の三人が京子と美津子をいたぶった部屋。その下が梅の間で静子が捨太郎と新婚生活を送る部屋。八畳の古びた日本間だが、三方の壁に二尺ぐらいの高さの鏡が張り巡らされ、床の間には、極彩色の浮世絵が描かれた掛け軸、置物も珍妙な人形。田代の趣味を一口に表現したような奇妙な部屋で、田代は時々この部屋を寝室として使っているくらいのお気に入りの部屋。
1階のチンピラ部屋の隣にある隠し扉を開けて階段を降りた地下室へ降りると地下室倉庫に出る(図右上)(ドアは七四式の木製を採用)密輸品らしいものの箱がつんである。(壁は長田氏四馬氏は塗壁だが七四式氏白川氏のレンガ壁を採用、床は七四式に近付けたが石とした)ショーの練習ができ、テーブル(四馬氏では丸、七四式も京子が最初に載せられるのは丸だが美津子と二人になると長方形、丸だと二人は無理なので長方形を採用)置いている。階段は石になったり木製になったりする。最初は美津子と文夫が、後半では桂子と文夫が、ここに置かれた猿の檻で夫婦生活を営んだ。地下牢との間に重い鉄の扉が二箇所(続編では一箇所)取り付けられている。地下室の通路は石畳なので、冬、はだしで歩くのは辛そうだ。二十燭光の裸電球がついているが、昼でも暗い。地下牢は最低三つある。壁はレンガ。入口に近い牢舎は小夜子が入っている。真ん中に鉄棒、上からは鉄の鎖が垂れ下がっている。一人でも狭いが、四人入ることもある。広さは三坪になったり四坪になったり。最初、牢屋は格子木だったが後に鉄製にかわったようだ。地下牢の2つ目は美津子用?または空き。3つ目の地下牢である一番奥のは静子専用。(牢獄が三つほど並んでいる。一番奥の牢舎には静子と同じように縄がけを受けた桂子という七四式表記のある)金網の小さな窓から朝の光が入る、という描写がある。
庭の土蔵 にも地下があり土蔵のショーのための楽屋として二つの牢舎が地下に新築された。(床が木製で鉄の檻つきの五坪の広さ)。美沙江と珠江は最初の夜、ここに入れられた。
主に白川氏の「新花と蛇」との矛盾点。
「美沙江は2階の廊下の端にある、小部屋に連れ込まれた。そこには褌一丁の鬼源が胡座を組んで、岩崎の妾の葉子、和枝とコップ酒を飲んでいた。」2階の廊下の端は女中部屋以外は森田、岩崎接待用と奥座敷ですべて大きな部屋だが玄関方向への廊下を一本設けその端が鬼源の部屋なのでこれはこの部屋であると考えた。
「階段を降りると、一階のチンピラ部屋の前にある倉庫」1階最北左の倉庫部屋だが、上記のように調教室として小夜子が調教されているはず。ここでは折原珠江が春太郎と夏次郎から調教を受けている。白川絵でも小夜子のときはレンガ壁ここではコンクリ壁で別様である
「ふと気づくと久美子はホームバーの中央に置かれた簡易ベッド...(中略)..それにどうもさっきから二階の方が気になってな。」この表現だとホームバーは二階でないようだが他では白川氏も二階のホームバーと表現しているので単なる間違えとした。
「二階に上がる。階段の脇の部屋の扉をマリが開けると、そこはホームバー」となっているが上の「二階のホームバーの隣の、二つ並んだ部屋の手前が吉沢の部屋であり、奥の洋間が津村の部屋である。階段のある廊下を挟んで同様に二つ部屋が並んでいるが、手前の菊の間と呼ばれる八畳の和室が大塚順子に割り当てられており、その奥が鬼源の個室である。」と矛盾する
白川氏が明確に菊の間としている山崎と文夫の順子たちへのショーの絵では床に鉄柵の地下や鉄の扉など地下室のように描写しているが採用せず
「調教室から引き立てられ、優雅な裸身を堅く縛られたまま廊下を歩かせられていく。」白川絵ではレンガ壁石畳の廊下だが、どこを指すのか不明
「義子とマリは代わる代わるダミヤの体を小突きながら、一階の廊下の突き当たりにある座敷の前まで連れて行く。」1階で突き当た里にある和室は最北の部屋のチンピラ部屋しかないが...「あんたのお友達の静子夫人も、しばらくここで暮らしたことがあるんや」はここでは結局なかったはずで矛盾する。白川絵では板の間のようでもあり不思議な感じ
「静子夫人が地下室倉庫の前に着くと」図のイメージと地下牢と地下倉庫の距離感が違うかも知れない・地下牢が絵によって違うように見える
「女に先導されて廊下を歩く。 廊下の扉の前で女は振り向く。(中略) 三人は階段を上り、」図では階段は玄関入ってすぐなので階段前に廊下は無いので矛盾しているが七四式図面をベースとしてこのままとする。ただ原作でも「玄関の方へ廻ってみたが、そこはすでに葉桜団のズベ公たちが固めて(中略)二階へあがった。」とあり玄関と階段は離れている可能性も強い。ただ食堂の横に階段があるとすると難しいのでここは玄関の外に居るのを感じてすぐに階段に逃げたと理解した方がいいように思いそのままとした。それよりも七四式氏によると美容室は三階なため美津子は三階から逃げて庭まで出てから三階に戻って電話に気づいたことになる
七四式氏ベースで前述のイメージを描いてみて、再度オリジナルの奇譚クラブ連載の花と蛇を確認すると色々違っている(というか記載を無視している)部分が多く、再度オリジナルから起こしてみたくなった。実は団氏の花と蛇での田代邸の記述におかしな点が多く、それを七四式氏は無視して上記のイメージにしている。例えば、部屋の場所を記述する時は廊下を二箇所曲がった端という表現がほとんどだったり、坪で表現している時あるいは畳と取り違えていないか(例えば牢は四坪と表現して狭いといるが一人8畳の牢は決して狭くないと思うが)と思われるし、また2階にいるはずが階段を2階に上がるとの表記も散見される。これらを極力矛盾のない形でオリジナルのままイメージに出来ないかと思い、作ってみた。以下()内は花と蛇の回数
1階
庭の3方は赤松が斜めに生えている築山(人工の小山)が連なり頑丈な塀がその向こうにそびえる(続1)。その一方はかなり広い竹藪の茂みがある(続1)。玄関側には青葉の庭が広がっており、各部屋からはどちらかの庭が望める(続1)。建物は大きく本棟と離れの2棟に分かれる(3)。竹藪前には切り株と草むら。芝生の上に1m間隔の2本桜もある。
表門の大きな門柱にあるベルを鳴らし頑丈な扉を開けて入ると、敷石があり大きな門戸のある玄関が見えてくる(8)。
玄関から廊下を経てガラス障子を通して広い芝生に出れる応接間がある(続54)。図ではその対面に来客用寝室があるとした。小夜子がスリップ姿で椅子に縛られた部屋で青葉の庭に面した明るい部屋で、床には青い絨毯が敷かれ、絹小布団付肘椅子が3脚あるテーブルの周りに、壁沿って木製椅子が並び、ウイスキーのある棚がある(続6)。なお、その間の廊下には小夜子が自宅にかけさせられた電話が備え付けられてある(続6)キャビネットがある。
その隣が文雄が美津子と責められた倉庫(続6)で元々美津子が中央にある角材に縛られセーラー服を脱がされた部屋で玄関から廊下を2つ曲がった5坪の物置(8)で、地下から上がった(北側隠戸の前の)1階廊下を2つ曲がった突き当りでもあり5坪板張り物置中央とその前方5尺に角材2本があり窓から光が差し込む(続5)。倉庫内にはウイスキーとコップの並ぶテーブルがあり、椅子も数脚、天井には梁がある(続6)。更にここには一時美津子と文夫を入れる鉄格子で作られた鉄の檻が設置されていた。一人で入るのがやっとの幅、高さは一米ほどしかなく、中腰にでも ならなければとても入れない古びた猿の檻で一帖ぐらいがやっと入るぐらいの広さしかない四角い檻であり、四つの車輪がついて いて、自由に動かせるようになっているものである(続20)。
その向かい側には川田が美津子を裸にするために呼び入れたチンピラ達が花札を行っていた6畳の部屋がある(8)。その南側には追加用の来客用各寝室の1から5があるとして、2階にある6を最初千代が伊沢に勧めた(続9)ことの整合性を持たせた。洋室以外にも和室の来客用寝室もあるとし2室。また美津子が隠れた食堂(後述)は離れにあるとし来客用のキッチン、食堂は応接近辺とした。
本棟階段は玄関正面と考えた。玄関入って右には田代が初めて登場する居間があり、拉致された静子を見に奥の離れに向かっている(3)(離れの存在を明確に表現しているのはこの時のみ)。
田代が向かったのは離れの十畳の大広間で静子たちは襖を開けて入り床の間の柱に縛られ天井から縄で開脚を吊られる。桂子達は廊下側からノックして入り内側から鍵をかけている(襖で出入り出来るのでこれは矛盾している)。元々はスタジオとして使用していたと見られ後半では奴隷たちの撮影が行われている(続64続67等)。そのため、書かれていないが撮影機材を保管する倉庫をその北に配した。更に北には脱走した美津子が大きなテーブルの下に隠れた台所がある(続2)。ここの窓からは竹藪と裏門が逆方向に見える(続2)。なお台所から廊下に出た美津子がシーツを取って巻き付けた近くの部屋が斜め向かい(倉庫の向かい)の幹部用寝室である(続2)。寝室の北には小夜子が回しにかけられることになっていた竹田達の4畳半の部屋(チンピラ部屋は6畳なので別としないと矛盾)(続34)。更にその北には春太郎・夏次郎の寝室がある(続52)。台所との間には離れの2階に上がる正式な階段とは別に台所側の廊下の突き当りの壁が隠しドアとなっている秘密の階段がある。ここは京子が静子を連れて葉桜団達がドンチャン騒ぎをしている大広間を迂回して縁先から降りた庭から戻される時、縁先から上がった廊下を2つ曲がった突き当りの壁のこの隠し階段から地下へ連れて行かれるのが初出である(5)。地下へは田代居間の前から伸びる廊下の突き当りにある上蓋を開けると地下に繋がる階段に出る(続28で揚戸の音を聞いている)(続8)。なお、最南端にも同様の揚戸で降りれるようにしたのは本棟の地下にも何か隠し倉庫があるのではと考えたからである。幹部寝室の南には暗室など撮影した作品の処理を行う仕事部屋(続28)更に南には記載はないが出来た作品の試写室兼サブのスタジオに使う部屋を配した。
先に述べたように広い庭園の奥まった所にある周囲は鬱蒼とした竹藪が広がっているが、その一番奥に竹藪の脇の小道で建物と繋がる土蔵がある。ここは改造して森田組の秘密会員の集合する密室となっている(15)。この土蔵は10坪あり(続1)中は10畳敷の広間とその奥に一段高く作られた舞台があり2本の丸木が立てられ下方に1m横木で開脚立ち縛りができる(15)。舞台裏はベニヤ板で仕切られた狭い通路で、その途中に2本の角材で出待ちに奴隷を縛り付けている(続40)。広間自体は眼の覚めるような明るい絨毯の上に金模様の豪華な絹布団が中央に敷かれている(15)。多数の椅子と映写設備も用意されている(続10)。
地下への入口は揚戸であるが地下が出場奴隷の楽屋との表現もある(続55)ので舞台裏にその揚戸があるとした。
また庭には茶室がある(続16)が場所は特定されていないので土蔵や築山の庭とは別の玄関側青葉の庭の隅にあり門から玄関へのアプローチや本棟から石畳で繋がっているとした。出入は障子(続16)で四囲が襖や障子(続17)とあり布団を後で敷いたりする(続16)ことから押入を配し、静子が床柱に縛られた床の間には芙蓉の花が活けてあり、開脚に使われた長い槍が飾りに掛けてある(続16)。なお途中で布団を敷くため片付けられた円形卓(続16)(図ではアプリ制約で長方形)は田代達が入ってくる縁側(続17)に出したと考える。なお直接障子から出入りするのは変なので小さな玄関を置いた。
2階以上は完全に2棟となる。
まず離れであるが、調教室が2階と3階にあるが、その一つは離れの北端の階段を上がったすぐ左側にある、静子がニグロに対する為の調教を受けた部屋で、ベッドの置かれているフロアを横切って、 カ ーテンに仕切られ天井から鎖に繋がれ調教を受けている(続76)。なおこの時静子は同じ2階にある伊沢の部屋から階段を上ってとなっている。実は後述するように伊沢の部屋は本棟にあるので、これは伊沢の部屋から一旦下りてこの北側の階段を「上った」とすれば矛盾は無い。その下には幹部井上の部屋があるとした。桂子をスケとした井上(15)は吉沢が美津子と同棲した様に井上も桂子と同棲した自室があると考え吉沢の部屋の向かいであるここに設置してみた。その下には初めてのレズショー調教に興奮し京子と同衾した森田の寝室、静子と同衾した田代の寝室が続く(続3)。二人の寝室は隣同士(続3)で田代の寝室は初めて京子が乗り込んで静子を救出した部屋もあるが、そちらは風呂付二間で(5)こちらは十畳一間の日本間(続3)であるので、本棟と離の双方に寝室を持っていると考えた。本棟の方は後述するが、離れの十畳の寝室のドアを開けるとピンクの蛍光灯で中央に青と赤の枕の豪華な絹布団が敷かれ、丸い酒瓶のある花梨卓が置かれ、柱に静子が縛られた掛け軸のある床の間で、壁に墨字額、日当たりの良い青葉の庭に面している(続3)。田代の十畳寝室の向かいが小夜子が連れ込まれた津村に用意された洋風の寝室(続45)でWベッド、洋酒棚、テーブルなどがあるだけでなく、天井には壁に沿った紐で開閉するカーテンに覆われた横長大鏡(続45)や一方の壁を覆っているカーテンを引くと壁に沿って等身大の鏡が備えられ、鏡の場所以外の天井には、幾筋もの鉄管が縦横に通り、鏡から2M離れた天井には鉄輪が打ち付けられ、更に三面鏡も備付られている(続46)。ちなみに入ってきた銀子達が同じ2階なのに菊の間のことを2階の8畳と表現しているが、これは菊の間が本棟なので同じ階にいるという印象が無かったためか(続46)。なお、津村は清次らにこの部屋を貸す(続46)と発言しているが後で出てくる清次が使っている部屋は和室であることから結局別の部屋を用意した様だ。津村に浣腸された後銀子に連れられて小夜子の入った風呂場(続25)を挟んだその上は美津子が吉沢に抱かれる前の化粧をし(15)ていてベッドに移動するスキを突いて逃げ出した美容室(続2)があり、捕まった美津子を縛るため朱美が縄を取ってきた次の室(続2)の納戸がその上にある。その上が前述の井上の部屋の向かいが吉沢の部屋である。吉沢の部屋は川田がバーから京子を連れて行く時庭に突き出た渡り廊下を通っている(続15)とあるので離れにあること、また同じく2階へ逃げた京子と美津子の前にびっこを引きつつ吉沢が自室から出て来ている(続15)ことから離れの二階にあることは明確になっている。奥にある(続3)窓から庭が眺められ、その窓の 近くに円柱型の柱に京子は縛られ調教を受けている(続51)。その横の(続3)青い絨毯の床の上にある(続51)古風なダブルベッドでは美津子が葉桜団が責められている(続3)。他に美津子を連れて行かれた吉沢が当たり散らして投げている花瓶や灰皿(続13)美津子に調教の道具を出して見せた机(続51)やフロアスタンド(続52)がある。縄は天井の梁から吊るしている(続15)。なお、本棟と直接つながっていない離れの2階の廊下は本棟のように赤絨毯は敷かれていないものとした。
本棟の方は階段を上ったすぐ右は隅の葉桜団達ズベ公にあてがわれている部屋(続9)を挟んで二階の洋間の1室に作られた(8)ホームバーがある。田代の本棟の寝室から担ぎ出された京子はこの前の廊下を通って階段に向かっている(8)。静子を乗せる為の大きなテーブルをここに運ぶために置いてあった隣の部屋(続10)は隣のズベ公部屋で事前に用意しておいたのであろう。吉沢の部屋には前述の様に渡り廊下を通って(続15)いくこととなる。青い絨毯の敷かれた明るい部屋で10人ばかり座れるスタンド、カウンター内には洋酒の入った棚が壁に設えられ、部屋の隅はテーブル(14)と円形のソファ(続9)更にその横でダンスが出来(続14)たり、卓が2つ入る広さ(続10)である。テーブル、椅子を片付けると布団も敷ける(続9)。静子と桂子はここで柱に縛られている(続9)。
その南がこの階の表座敷となる2つの重要な部屋が、向かい合わせにあり、庭側が田代の風呂付寝室、玄関側が岩崎の泊まった客間である。客間の方が窓がないのは少しおかしいのだが、矛盾を減らすとこうならざるを得なかった。田代の寝室は、二階の廊下を二つばかり曲ったつき当りにある(5)。ドアを開けると、粋をこらした 日本間作りになっていて、 花梨の卓や屏風 などが型通り置かれてあるが、奥の一間が静子が足首の縄をなげしの釘に釣られ片足吊りにされた床の間付の寝室になっていて、花模様の水色の布団が敷か れ、その奥は窓から芝生と築山が見える風呂場になっている(5)。各室は8畳と6畳で襖の一つで隔てられている(8)。静子のみの時は寝室と控え(5)として静子と京子の時は川田が控えの6畳を使っている(8)。開き戸の風呂場は脱衣場付で白いタイル張りの大きな浴室(5)。美沙江が立て籠もった鏡のある風呂場も二階を曲がった所にあり(続67)他にも出てくる風呂場もこの風呂場と考えた。一方岩崎の寝室にあてられた部屋は、二階の表座敷、 一間の床の間違い棚のついた八畳と 寝所の六畳の襖で隔てられた二間つづきである。 寝所の六畳 には、一重ねの夜具、 二つ枕、 春慶塗りの艶 めかしいスタンド、チリ紙、 水さし等が型通 りにちゃんと置かれ、襖や屏風には、極彩色 浮世絵が描かれてある(続26)。八畳には鏡台や着物かけ、屏風、卓などもある(続27)。岩崎の部屋の南には元々はこの客間と田代付女中部屋として作られたであろう部屋がある。二階の廊下を二つほど曲った所の、一番奥にある小さな部屋で広さは四畳半、畳はすり切れ、天井も壁 もどす黒く、長く使用されな粗末な空部屋である(続23)。この部屋には川田が湯のみ茶碗を洗った水道もある(続31)。または小夜子は銀子が押し入れから出した縄で壁近くの窓際に一本柱に縛られている(続23)。それを隅から動かした椅子に座った津村が口説く(続23)。京子は天井の桟梁から吊るされ床に打ち付けた竹杭で開脚に縛られている(続30)。ここは春太郎夏次郎と京子のスイートルームと呼ばれ丸い食卓を囲んで食事もしている(続36)。
岩崎・田代・女中部屋の前の廊下は女中部屋で行き止まりだが、ホームバー前の廊下からは女中部屋の更に南の梅の間に出れる。ここは伊沢の寝室に与えられ二階の廊下を二つばかり曲った一番奥にある部屋で二間つづきの立派な日本間で廊下から襖を開けて入った小さな方の部屋には艶めかしい友禅の夜具(続70)あるいは金地に桐の紋の寝具の布団 (続13)が敷かれ、水差しや煙草盆などが枕元に配置され、それが小さなスタンドの淡い光にぼ んやりと写し出され、静子は、寝室の小さな床の間の柱を背に繋がれ正座している(続70)。寝所の襖を開いて隣の6畳の壁に沿ったガラス戸を開けると静子が排尿を鑑賞されるトイレがある(続13)。桂子はノックして連れて来られるのでおそらく控えの間側からであろう(続14)。小さい部屋には千代が枕を出した押入れがあり、鬼源は控えの間の窓の戸袋から縄を出している。伊沢は控えの間の卓の上のウイスキーを飲んでいる(続70)。寝室には伊沢が精力酒を取り出す棚がある(続70)がこれは床の間の棚と考えた。なお伊沢は風呂場にタオルを取りに行っているが、これは田代の風呂場と解した。また静子は朝の化粧を鏡台に行って行っている(続75)。
梅の間は女中部屋側とは別の東側にも廊下があり、この廊下の突き当りの壁を押すとそれはどんでん返しになっていて地下室に通じる階段となっている(続28)。
その廊下を挟んで梅の間の向かいを鬼源の宿舎となっている部屋とした。静子は調教を受けるため二階の長い廊下を通ってこの部屋に入り、朝食としてベッドから起きたばかりの川田へのフェラチオを強制され(続63)、鬼源からは窓際に電気冷蔵庫から出したパイで尻舐めの調教を受け、川田に鏡台で口紅をひいた上で足舐めを強いられている(続64)。更に壁にそって立つ二本の丸木の柱には珠江とふたり縛られている。そして、部屋の中央には、薄い夜具が敷かれ、二つ枕 が配置してある。柱の下に置かれた洗面器 や夜具の周囲に散らばっているゴム球やガラス器具など そして、天井から垂れ下がっている鎖が二人を恐怖に陥れたが、こういった様子を伊沢はドアの隙間から覗いている(続68)。その北が千代の部屋である。千代はこの部屋へ義子に案内されている(続15)。千代達の寝室になっている六帖 は、静子を調教するために畳の中央へ、六尺四方もある四角板が敷かれその上には、三尺位の間隔をおいて太いくいが打ちこまれ、 鎖が結ばれ、天井の方からも、鎖が 二三本、 からみ合うようにして垂れ下がって いるし(続56)床の間の柱に縛られた桂子の前で天井から釣らされた静子は排尿させられたりもする(続49)が、棚からウイスキーを取り出して川田と飲んだり(続15)。千代は葉子らと食卓で食事をしたりテレビを見たりもしている、そして襖を隔てた次の間は、八畳の日本間になっていて、窓から朝の光を受けて明るく(東向きか)、その中央には、ピンク色のシーツをかぶったマ ットレスが敷かれ、その中程には、静子の尻を高々と支えるための大きな枕が一つ乗っ かっている。マットの両側には赤と白のバラの生けられた花壺、丁度その枕の上あたりに、天井のパイプを通って、無気味に垂れ下がっているかなりの間隔をおいた二本の鎖に足を開かされ吊られ(続53)浣腸され小夜子の手に排泄させられ(続55)あるいは円卓の上に布団が敷かれ、その上には、ピ ニールカバー、その上に寝かされ真上に天井から下りてきた革紐で開脚に吊らされ浣腸を受けてもいる。この時は気乗りしない夏太郎は椅子に座ってしまう(続50)。ただこちらの部屋でも順子を呼んですき焼きパーティを開いたりもし、その時は戸袋から出した縄で縛られ押入のトランクから出してきた造花で静子は人間生花にされている(続56)。その北には名前のない客間を挟んで菊の間とした。梅の間が伊沢の寝室に与えられた様に。こちらは順子に与えられた様(続67)である。2階の菊の間は襖を開き美津子が中央に敷かれた夜具の上に天井からの縄に縛られた桂子と文夫の新コンビを見せられた部屋である(続43)。この新コンビのショーを誘いに来た銀子が津村の部屋で菊の間のことを同じ2階にもかかわらず2階の8畳と表現している(続46)ことから離れである津村部屋と別棟だと理解した。美津子は床柱に縛られて見せつけられる(続51)が、同じ床の間に美沙江が立ち縛りされた頃には順子がすぐ前の畳を上にあげさせ、その下の古びたハメ 板を外させると、ぽっかり穴があいていて、 丁度、人間一人坐れる位の広さに荒むしろが敷かれ美沙江が小水用小袋付バタフライを履かされそこに監禁すると通告され、順子はこの部屋の円型の卓に用意した酒や肴を楽しみながら美沙江をいたぶっている(続67)。美沙江はすぐには、その穴蔵に監禁されるのではなく、部屋の隅にある金属製の車付きの小さなベッドで2隅に取り付けられた鉄の輪により人の字型されいたぶられている(続69)。そのすぐ北に銀子が朱美に伊沢の寝室として一番豪華なWベッドのある部屋として推薦した二階の6号室がある(続9)。(8号室以下は1階にあるものとした)
この6号室が階段の正面で階段の北は京子が清次達の部屋に行く前にマリと義子によって化粧された支度部屋である。2階へ上がった(普通に考えて清次部屋と同じ棟)すぐ手前にある小さな部屋で床柱に立ち縛りされて化粧されている(続52)。支度部屋の西には岩崎がショーの翌日早めの昼食を遅めの朝食を取りに来た津村と一緒にとった2階の食堂がある(続36)。
そして2階の最北端、離れの最も近くに2階の奥座敷である大広間がある(続26)。襖を取り外した二間続きの10畳に間に白布を敷き詰め(続25)岩崎を招いての大賭博会の会場としているが、ここで静子は金屏風の前で珍しく着衣で踊っている(続26)。ちなみに静子や田代、森田は襖を開けて入っているが千代は障子を開けて入っている(続25)。この大広間の前の廊下の突き当りの壁を押すとそれはどんでん返しになっていて地下室に通じる階段となっている(続28)。(隠し階段を2箇所としたが牢舎への距離と階段への距離を考えるとこちらか)
離れの3階には梅の間がある。この部屋は捨太郎の静子とのスイートホームに田代が進呈した狭いが鏡の取り付けた凝った部屋で2階の調教室から階段で上る(続33)。梅の間は、八畳一間の古びた日本間であ ったが、三方の壁には、二尺ぐらいの高さに鏡が張りめぐらされ、床の間には、極彩色の浮世絵が描かれた掛軸がかかっていて、床の間の置物は、芸者と若衆がからみ合っているという珍妙な人形が幾つか飾られ、棚の上の飾物も、男性のそれと女性のそれを 象徴した珍奇な置物で、二枚折屏風の絵なども、すべてけばけばしい色で描かれた密画であった。つまり田代の趣味を一口に現わしているような奇妙な部屋で、彼自身、時々この部屋を自分の寝室とし、その一種異様な雰囲気を楽しんでいたようである。中央には純白のシ ーツをかけた絹布団敷かれ縄は天井の桟(梁)に繋ぎ、隅には座布団が重ねてあり襖で入る(続34)。なお他に離れの3階と想定される言及は無いが、離れが森田組に貸し出されて1階の大広間は室内スタジオであるし、土蔵秘密会が開催されていることを考え、最上階の3階にはバルコニーがあり屋外撮影が出来るとし、その為の機材置き場の納戸を配した。
本棟の方は上がってすぐ左が3階の廊下の突当り静子のショーの舞台となった大広間で、基本的にショーは土蔵の密室(離れと呼ぶこともある)で行われ本棟は賭場のみのようであるが、入り切らない時臨時に使っておりカーテンを臨時に仕切って4坪ばかりの楽屋とし20畳くらいの客席には十数人がひしめいている(続39)。なお、楽屋で静子は床柱繋がれ出番を待つこととなる(続40)。舞台では客席の中央で天井から垂れ下がった縄に立ち縛りでのお座敷芸(続40)敷かれたマットの上で捨太郎とのショー(続42)を特に目の前設えた岩崎とその妾二人の特等席を中心に見せている(続40)。その東下には言及は無いがこれだけの広間の接待を行うキッチンがあるだろうとして設置した。なお楽屋側に面しているので準備はこの間で忙しく行われており、静子を楽屋に連れて行くのに客席側を通った(続39)のはそのためと解した。この南であるが、津村は清次らにこの部屋を貸す(続46)と発言しているが、美津子を吉沢の部屋から一旦二階のバーで待機させている(続52)ことからバーに近い本棟3階のこの一室が宿舎として(続52)提供されたと考えられる。接待役の義子達は襖を開けた隣の部屋で待機する中、畳二枚をひっぺがし、そこだけされた板の間に、天井の 真中を走っている鉄のパルプへ結び付けられた太いロープに京子は立ち縛りにされ、押入から出された夜具の横で、床の間の電話で美津子を呼ぶと脅されながら花電車を見せる(続52)。さらに隅の柱に縛られた京子は逃亡を図った罰を宣告され、ベッドの上のパイプ管にロープを つなぎ横にして結びつけた青竹 に両脚を開かされベッドの真中あたりの枕に双臀を乗せて京子は浣腸責に合う(続73)。棚上の置き時計で時間を図られ結局美津子とのレズを受け入れる(続75)。床の間の柱に美津子は縛られ、洋服ダンスから拉致された時のセーラー服を出して見せられたり、次の間の天井のパイプから垂らされた縄に繋がれ京子は待つ(続77)。更に南には大広間の来客用に複数の入れるトイレを想定。その前には美津子が文夫にかけた電話がある(続2)。
そして廊下を挟んだ向かいが静子と京子が最初に本格的な調教を受けた部屋である。3階の突当りの物置つまり調教室として用意の整った部屋である(14)。この時階段にも赤い絨毯が敷かれているとされている。ドアを開けるとすぐ傍らには銀子と朱美がもたれていた壁があり(続39)部屋の中は、不気味な道具類(木馬、ハリツケ台、大まな板も揃っている)が、 部屋の隅にぎっしりと配置され、部屋の中央 には、土俵のように大きなマットレスが敷か れ、その上に、二本の麻縄がからみ 合うように天井から垂れ静子と 京子の縄尻をつなぎとめ立たされてしまう。(14)。また床の上に白墨で円形が書かれ、部屋隅の木製歯車で操作する天井から、垂れ下 がっている一本の長い鎖に繋がれた静子が傍の卓の上に乗っている果物篭の果物を使って花電車調教を受けたり(続20)、隅近くの鎖に二人繋がれ静子に小夜子を説得したものの調教室の戸棚から出された浣腸器で気を失ったり(続22)静子が隅の椅子の開脚縛りをされ千代にいじめられたりもしている(続32)。そして静子が捨太郎に抱かれるのを嫌悪する悦子がふて寝するベッドも置かれている(続33)。京子が縛られた鉄柱もあり隣の鉄柱には美津子も縛られ、肘掛椅子に座った春太郎らに褌をつけさせられてもいる(続72)。隅近くには京子を縛った丸柱があり(続7)調教室の南側にかかっている水色の(続38)カーテンをひらいた次の間 には、やはり、二米ばかりの丸太の柱が床の 中央に打ちこまれ静子はこちらに縛られている(続7)。そこは、鬼源のいう検診室で、不気味に光る鉄柱が一本 板の間に立っていて、巻尺、体温計、目盛を きざんだガラス棒、その他、婦人科医などが 使用するような器具が、乱雑に散らばり鬼源自身、医者を気取って、小机の前に坐 って小夜子の身体検査をしてい る(続32)。調教室の隣にある洗面所では、静子と小夜子が歯をみがき、洗顔し、朱美の持って来た化粧道具を使って、鏡の前で静かに化粧している(続37)。そして静子は小夜子と別に調教を受けるべく連れて行かれたのが北隣の十畳の和室である(続38)。室内の隅々にまで澄んだ空気が行き渡って いるような明るい十畳の日本間で、その中央に 静子夫人は、あぐら縛りにされるが、階下の食堂から、 舶来のウイスキー と皿に盛ったチーズを持運び、 それを花梨の 卓の上に並べて飲みながら鬼源は、一坪ばかりもある白布の上へ歩ませ、天井の梁から吊り下がっている太いゴム 紐を、背後に廻している夫人の手首と、胴囲 わりに、きびしく結びつけ、床の間の違い棚を開け、あらかじ 用意してあったらしい硯と墨、そして数本の太筆 細筆を取り出して、更に戸棚の中から、 三十 センチ四方ぐらいに切った薄いベニヤ板と、 半紙を一束取り出し、花電車調教を行い、千代は床の間に置いてあったカメラを取 ると、そのみじめな姿の静子夫人をフイルムに収めるが、途中で、鬼源と千代は、机の前に坐り、ウイスキー 飲み出して、マリと悦子にあとを任せている(続38)。
地下は隠されていて、正式の階段では繋がっていない。
隠し階段が少なくとも2つ、図では3つを想定している。最も多用されるのは離れの2階に上がる正式な階段とは別の台所側の廊下の突き当りの壁の隠しドアから降りる最北端の階段である。この階段は1階とだけ繋がっている。もうひとつは1階の田代居間の前から伸びる廊下の突き当りにある上蓋を開けて降りる離れと本棟の間の階段、最南端の同様の揚戸で降りる階段を想定した。なおこの揚戸の階段は2階の隠しドアにも繋がっており、前者は2階大広間の前の廊下の突き当りの壁がどんでん返しになっていてこの階段に繋がり、後者は梅の間の東側廊下の突き当りの壁のどんでん返しから繋がっている。
石の(続39)階段を降りると密輸品らしい荷造りされた箱が、ぎっしり つまっている地下の倉庫に出る(6)が、五六坪の土間の中央には、後にはチンピラ達の手で 1階の倉庫から運ばれて来たらしい猿の檻が置か れる(続43)。最初の頃には、壁のボタンを押し、 つき当りの壁の上から鎖が二本するすると下りてきた一本に京子の尻を、別の一本に静子夫人 縄尻をつなぎ止められている(6)。中央の鎖に繋いだ京子を責めた時には田代用に特等席として京子の正面に藁布団を敷いている(9)。この時すぐ隣の鎖に繋がれることになる美津子が階段の上から下りてくるのを京子は見ている(9)ことから階段はかなり上まで見えるようだ。京子は隅から持ち出した大きなテーブルの上で、更にどこからか持ってこられたテーブルの上で美津子も浣腸責めを受ける(10)。地下室は赤いレンガ壁でそこに薄い燭光の電球が灯りのようである(続14)。地下室の小さな窓から朝の光が射す(続63)とあるが、地下の窓では苦しいので階段途中にあるものとした(排水施設等少し掘った施設からの光か)。地下室の階段近くには静子が歯を磨き 顔を洗い、簡単な化粧をした洗面室がある(続63)。
この地下室の隅に、赤さびた扉 があって(12)、鉄の重い扉が開くと、そこは、左右に幾つ かの舎が並んだ石の廊下になっている(続43)。中は昼間でも薄暗いので、石 で出来ている地下倉の廊下は一つつけられた(続43)二十燭光の(続37)裸電球(続15) でぼんやりと照らし出されている(続37)。
その奥には時代劇に出て来る ような牢屋が、三棟ばかり縦に並んでいおり、森田組が秘密ショウに使う女を飼育するた 炭倉か何かを改造したものらしく、当初牢舎 の格子木は新しいもの(12)だったが、一番最初のわずか3坪ばかり(続39)か四坪位(続15)の石牢奥のレンガ壁に添って錆びついた鉄柱の(続28)黒ずんだ柱の前に(続15)小夜子が入れられる頃には錠前のついた錆びついた鉄の扉の鉄格子に改良されている(続39)。その隣は四坪ばかりの牢屋で中には、1m間隔で(続14)二本の丸木が打ちこまれ美津子が京子と(13)あるいは文夫と(続14)縛られた。静子が桂子と入れられた一番奥の牢舎で三坪ぐらい(12)か四坪ぐらい(続39)の広さ、二米ほど の長さの角材の柱が、二本並んで、その中に立って いる(12)。すべて石の床でレンガで出来た壁には鉄の輪がある(続39)。なお、最初に小夜子を45坪の牢舎(真ん中か)に入れた時は中央に薄い煎餅布団を敷いて横たわらせていたが(続6)、通常の寝る際は地下の隅に重ねてある毛布をあてがわれる(続39)。暖房装置だけは施されていたが、破れ毛布一枚にブリキの便器(続52)あるいは古ぼけた洗面器と毛布二枚のみである(続61)。立ち縛りの時は足元に荒むしろを敷いて貰えることもある(続14)。牢舎のレンガ作りの壁に取りつ けてある鉄の把手を廻すと 天井から鈍い音を軋ませて、赤錆びた鎖が垂 れ下がったり揚げたりできる(続28)(続61)。牢には金網の張られた窓から朝の光が差し込む(続23)ので倉庫との間の壁に窓があるのであろう。また牢舎から揚戸の開く音も聞こえる(続28)のは離れと本棟の間の階段の揚戸であろう。小夜子の牢舎に座り机を持ち込んで羞恥写真の送付宛名書きをしたり開脚用鉄杭を打ち付けたり(続28)下に車輪のついて いる大きな鏡を牢舎の入口で横倒しに中へ 運び入れ小夜子に自身の恥ずかしい姿を見せたりしている(続29)。なお、倉庫と逆側についての記載は無いが同様の鉄の扉があり揚戸の隠し階段へ繋がっているとするとともに離れ側は拡張用のスペース、本棟側には本棟用の隠し倉庫がいくつかあるのではという想定を行った。
一方竹藪の密室として使われている土蔵の地下にはショーに出演する奴隷のための楽屋という意味で、二つの牢 を(続55)冷暖房付きで(続54)新築させていたのである。二つとも、五 坪ぐらいの広さ、床は板の間 (続55)、三方の壁が厚い板で取囲まれ 地下の土間に面した(続56)鉄の扉付きの(続57)頑丈な鉄格子で外とは隔離され(続55)明かりは地下室の壁にともっている裸電球の鈍い光波のみ(続56)。おそらくショーの後扮装のまま庭を通り廊下を通って地下牢へ往復させる手間とリスクを考えてのことであろう。この牢舎には珠江と美沙江が入れられ、珠江が監禁された牢舎の入口にには、太い墨字で、 折原珠江 (三十一才) 医学博士夫人としるされた木札を名札として打ちつけてある(続57)。ここには揚戸を音を軋ませて持上げ階段を下りて(続55)入る。石の(続57)階段を上ると、そこは、かつて静子夫人と 京子が羞恥地獄へたたきこまれ、涙と汗を流した土蔵部屋となる(続56)。
考察:文章から図面を起こしてみて、やはり矛盾を感じる部分が多い。特に和室では襖で出入りする箇所があるのに一方のドアに鍵をかけたり(4他)、2階のホームバーから外に出ると京子を担いで2階の階段を下りてくるというのは明らかに表現的におかしい(8)。地下牢から階段のかなり上まで見えるようだが図では少し無理があった(9)。やはり坪での表記の箇所は過大ま感じがする、1階の5坪の倉庫はまぁ妥当かも知れないが、どう見ても牢舎は大きすぎるように見える。ただ地下倉庫も坪表記で5坪で牢舎の3-4坪とさほど大きさを変えていないので、意図した大きさかもしれない。家具も何もない3坪の広さは一人どころか3人入っても狭くない感じがする。後で作られた土蔵の方の牢舎に至っては5坪で大広間並の広さである。これだけあると確かに美沙江一人で入れられれば心もとなくなるような広さだろう。調教室が2階(続76)3階(14)と2つの記載があるが細部の描写も異なるのでミスとは思えない。むしろ離れと本棟双方に作ったと考えた方が良いと思う。これは梅の間の記載も同じである。棟が違うと名前が重複しても不自然とは思えない。電話は外部への電話は本棟1階の小夜子が自宅にかけさせられた電話(続6) 本棟3階の美津子が文夫にかけた電話(続2)のみしか記載がないが察するに本棟各階にはあるのだろう。離れに全くないのも不自然なのでどこかにはあるのかもしれない。おそらく親子電話なのだろう。主な各室には相互に連絡できる館内電話が設置されているようだ。美津子のいる土蔵や静子のいるバーを見て除きまわっていたマリが吉沢の部屋の前を通った(続13)というのは誰かいるかと思って調教室を覗いてみた時と解した。竹田と堀川の手から逃れた京子と美津子が2階の廊下で前方奥に竹田と堀川後方によしザに囲まれるが、手前の吉沢が部屋から出て後方はいいが竹田がなぜ先回りできた(続15)かだが、階段を両側にするのも無理があるかと考え、単に吉沢らに応援を頼みに先に行ってたと解した。同じ階特に2階にあるのに2階に行くという表現が散見される、例えば二階のバーで静子に伊沢の寝室とされる二階の6号室へ行くことを二階のベッドと呼んでいる(続9)が、この場合は二階のバーから二階のベッドで若干の無理はあるが矛盾とは言えない。静子が三階の調教室から三階の梅の間へ階段を上っている(続33)がこの場合本棟3階の調教室から一旦下りて離れの階段を上ってとすれば辻褄は合う。