2020年11月16日デジケン役員にて、横浜市立大学附属病院に「Tele-ICU(遠隔ICU)」の視察にお邪魔しました。元々はデジケンの前身となった「神奈川オープンデータ推進地方議員研究会」で3月にTele-ICUの研究会を開催予定でしたが、コロナの影響で中止していました。今回改めてデジケンとして、役員によるものではありますが視察を行いました。ご案内くださったのは、Tele-ICUを推し進めてきた高木俊介准教授です。
Tele-ICUは、複数の医療機関のICU(集中治療室)をネットワークで繋ぎ、それぞれのデータをセンターで一元管理し、生体情報モニターや電子カルテ、患者画像などを監視する仕組みです。集中治療専門医は不足し、約70%のICUでは専門医無しで運営されています。
Tele-ICUの導入によって、各医療機関に専門医が居なくても、センターの専門医から助言を得ることができるようになり、治療やケアの質が向上します。また患者の常時監視や、患者のデータ収集によるAI技術の向上によって、患者の変化を確実に把握して、患者の容態急変を見逃さずに、医療事故を防ぐことにも繋がります。
医療事故のうち61%は、リアルタイムかつ継続的な患者監視の不足と医療従事者間の情報共有不足に起因するとされています。看護師の長時間勤務や連続稼働も課題となり、過酷な労働環境の中で「燃え尽き症候群」が発生しやすいなど、医療従事者不足による課題も生じています。医療現場では医師からの指示や患者の状態を確認するチェックリストが、紙ベースで行われていたり、入退室リストがホワイトボードで行われていたり、紙のメモが活用されていたりと、まだまだICTの活用が進んでいないという課題もありました。
座学でお話を伺った後、実際のTele-ICUの支援センターに入室させていただいて、リアルタイムで動いている画面を見させていただいたり、高木先生と質疑を行わせていただきました。
【参考】
・横浜市立大学「複数の医療機関を支援する遠隔ICUシステム「Tele-ICU」を構築」
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