ルール

■プレイヤーが演ずるもの

このゲームのプレイヤーは自分の設定したプレイヤーキャラクターを演じます。プレイヤーキャラクターとは、プレイヤーが担当するキャラクターのことをいい、基本的には良い人間を担当します。

この人間は、大体今と同じ程度の文明の力を持った極東アジアの良い国「扶桑帝国」の人間とします。男女に区別はなく、設定以上のデータ的な差異はありません。ただ、自分と違う存在になりきって話が出来るのもTRPGの良いところですから、ある程度ゲームマスターが許す範囲の人間を自由に設定するのがオススメです。


●キャラクターの初期設定

キャラクターの初期設定として、以下を示します。この設定はデータとして扱いましょう。つまり、既存の設定として、解釈の対象になります。

・キャラクターは聖拳闘士(デウスフィスタ)であり、今回のシナリオに協力的である。

・キャラクターはキャラクター同士、意思疎通ができ、最終的には良き友人であろうとする。


■キャラクター作成の手順

キャラクター作成は以下の手順に従って、「デウスフィストレコード」用キャラクターシートに記入することで完了します。この作業はゲームマスター以外の参加者が行います。


●キャラクター作成(1)外見特徴の作成

まず最初に、キャラクターの外見を決めていきましょう。キャラクターの外見は現代のTRPG市場を支える中高生~大きなお友達における、ゲームをやるかやらざるかを決定する最重要課題です。本ゲームではキャラクターの外見設定に以下の項目を用意しています。

□キャラクターの外見(各項目はサイコロ2個の合計-2の値を記入する)

髪の長さ:

視力:

身長:

体格:

各項目にはサイコロ2個の合計-2の値を記入します。これら項目は10段階で表記され、中くらい(平凡)が4、5、6になります。0が最低で、9が最高です。3以下、7以上はなかなか見ることはなく、0や9を見ることはまずありません。

外見設定ができたら、設定値から、だいたいの外見を想像してみましょう。髪が長くて身長が低ければ、きっと箱入り娘(息子でも良い)に違いない。とか、体格と身長が高いが視力が低い。だからこいつはマッシブなメガネ男子だな。とかです。発想の案ができたら、他の人に話して感じを聞いてみてください。ゲームマスターは、キャラクターの外見案が出たら、基本的にはOKを出してください。(多少バグった人が混ざっているほうが面白い、場合もあります)


●キャラクター作成(2)属性の作成

次に、キャラクターの属性を決めていきましょう。キャラクターの属性とは、キャラクターがどこ出身で、その精神を漢字一文字でしめすと何か、の二つです。

□キャラクターの属性出身地:

□あなたを表す漢字1文字:

出身地はどこでも構いませんが、なるべくわかりやすいところが良いでしょう。出身地の例としては、ツンドラ、火山島、貧乏所帯、ボクシングジム、空手道場、スウェーデン 等です。

あなたを表す漢字一文字は、キャラクターの精神性を漢字一文字で表すなら。です。常用漢字の中から選ぶとよいでしょう。


●キャラクター作成(3)特徴の作成

外見設定と属性が決まったら、この人がどんな人か、想像の翼を広げてみましょう。職業は何で、年齢はいくつぐらいで、そもそも性別は何か。などです。こうした設定はそのまま、自分のキャラクターの設定となります。これをメモ欄の中にて140文字位にまとめてみましょう。2~3分で紙に書ける程度で結構です。

メモ欄に書き終わったら、その中で1番の特徴となるところ、要するにアピールポイントを1つ選び、違う色のペンなどで丸く印をつけください。これがあなたの最大の特徴です。

次に、外見的な特徴を、設定の中から探して、1つ選んで、これまた丸く印をつけます。これらができたら、キャラクター設定を書いたのとは別に、三行のスペースを作り、今、丸く印をつけた特徴を1行目と3行目に書き写してください。どちらを1行目にしても構いませんが、より一押しの方を3行目に書くといいでしょう。

書き写したら、1行目の言葉と3行目の言葉をつなぐような単語を考えて、2行目に書いてください。書き終わったら、それぞれの項目の隣に:(コロン)を書いて、1行目のコロンの次に11、2行目のコロンの次に13、3行目のコロンの次に15と書いてください。

これでキャラクターは完成です。


●キャラクター作成(4)行動速度の決定

このゲーム「デウスフィストレコード」では行動の順序や速度は、アクティブランクという行動速度の目安となる値を元に管理されています。

キャラクターのアクティブランクは、設定に準拠します。プレイヤーキャラクターは人間のはず(ですよね?)ですので、アクティブランクは一律、3です。


●キャラクター作成(5)切り札カードの書き出し

最後に、名刺カードや単語帳カードなどをつかって、一枚ごとに特徴の言葉を書いておきましょう。これを切り札カードと呼びます。ゲーム中、プレイヤーは切り札カードを場に出すのを、サイコロを振る代わりに用います。


■判定(行為判定ルール)

本ゲームの行為判定は、戦闘シーンにおけるアクションで相手を撃滅できるかどうかを判定するものです。そのため、一般的な行為(走る、泳ぐ、料理する など)の成否を決定するものではありません。戦闘以外のシーンでのアクションは基本的にプレイヤーの宣言によって進み、ゲームマスターが了承した時点で、プレイヤー宣言内容のまま、設定上の状況に確定されます。これを「(ゲームマスターの了承のもと)設定にフィックスされる」、と呼びます。

このゲームにおいては、失敗するリスクをはらむ行為をする場合、失敗の確率が五分五分以上であるときだけ判定を行います。逆に言うと、3割ぐらいの確率で失敗する程度の困難さであれば、時間をかければ成功するでしょうから、マァマァうまくやって成功した、と言うことにして結構です。なお、失敗の確率が五分五分以上であることを決めるのはゲームマスターです。プレイヤーはゲームマスターが判定を行うと決めたら、それに従わなくてはなりません。

失敗の確率が五分五分以上であるときは、完勝できたか判定、通称「判定」を行います。プレイヤーは、判定を要求された時、自分の持っている特徴の中から「1つ」を選んでゲームマスターに提出します。このときゲームマスターが出す、「状況を解決するための必要な力が大人何人分か」を元にした値である「目標値」より、「だいたい4倍」大きい値を出した時、成功になります。

□ルールの根幹

・目標値の4倍の達成値を出せば成功。

・目標値と同値の達成値を出せば膠着状態。

・目標値の四分の一以下の達成値しか出せなかったら失敗。


■行為判定の手順

行為判定は、ゲームマスターが判定を行うと宣言するところから始まります。行為判定の宣言はゲームマスターのみが行え、プレイヤーはこれに従わなくてはなりません。

判定の手順を順を追って説明します。


●①行為判定の宣言

ゲームマスターが判定を行うことを宣言します。このとき、ゲームマスターは続いて以下を指定します。

1.要求されるアクション

2.難易度(目標値のこと)

3.失敗した場合

▼「要求されるアクション」とは、判定によって要求される様々な行為です。例えば「火災時用放水ホースを腰に結んで高層ビルをラぺリング降下する」、「人けのない雪山を連れだって登る際、雪崩に巻き込まれる」といった行為が、判定の対象となる「要求されるアクション」です。

▼「難易度」とは、目標値のことで、判定における行動の難しさ度合いです。達成値と同じく、「普通の大人が頑張ってクリアできる行為を10」とした時の難しさ度合いです。

▼「失敗した場合」とは、判定を失敗した場合に確定する設定です。


●②プレイヤーが加護の使用を宣言する(任意)

プレイヤーはプレイヤーキャラクターへの加護を現在の判定に使用する事ができます。加護を使用する場合、プレイヤーはゲームマスターと他プレイヤーに分かるように宣言する必要があります。

プレイヤーキャラクターが加護を使用する場合、その判定内における全ての能力、およびアクティブランク(後述)は2倍の数に引き上げられます。ただし、1度加護を使うと、その日のゲーム中(=セッションが終了するまで)、プレイヤーが選んだ特徴の1つは陳腐化してしまい、選んだ特徴の評価値が2分の1(半分になります)。このゲームでは端数は切り捨てなのに注意してください。加護は1回の判定に何回でも使うことができます。

加護の利用有無が確定することで、判定に使用する脅威度が確定します。これ以降、この判定において特徴の脅威度が変動することはありません。


●③特徴カードの提出

プレイヤーは、判定に使用する特徴カードに脅威度を書き加え、ゲームマスターに提出します。これ以降、判定結果が確定するまで、プレイヤー、ゲームマスターとも、場のカードはそのままにしておかなくてはなりません。


●④判定結果の仮決定

「③特徴カードの提出」で提出された脅威度が「難易度×4」以上であるとき、判定は成功します。このときゲームマスターは、そのまま「⑧確定内容のフィックス」の処理に飛んだのち、判定処理を終了させても構いません。

「③特徴カードの提出」が「難易度×4」より小さい場合、判定失敗が仮決定します。ゲームマスターは、「失敗した場合」の項目を改めて読み上げ、この設定が仮決定することを教えてあげてください。


●⑤支援値の投入

判定に参加していないキャラクターは、以下のアクションをとることによって、判定に対して支援を行うことができます。支援値とは、判定に参加しているプレイヤーの提出した特徴の脅威度に対する、掛ける数です。

▼アクション:キャラクターの外見特徴の値を解釈し、解釈から得た設定で判定に支援を行う。

獲得支援値:使用した特徴値÷4(端数切り捨て)

▼アクション:キャラクターの出身地、ないし漢字一文字から得た設定で判定に支援を行う。

獲得支援値:2点

▼アクション:手をついてゲームマスターに請願する。

獲得支援値:3/2点


●⑥(加護を使って)直前の提出を再実行(任意)

プレイヤーにとって、「失敗した場合」の結果が望ましくなかった場合、各プレイヤーは、自PCに1回の加護を使うことと引き換えに、直前の「③特徴カードの提出」を、やりなおしてもかまいません。ただしこの時、プレイヤーは再提出するカードの内容を解釈し、その場のシチュエーションを語らねばなりません。語られたシチュエーションはゲームマスターによって解釈され、「現在の状況に混ぜ合わせて想像できるか」の度合いで甲乙丙(こう・おつ・へいと読みます。最良なら甲、いまいちなら丙です)の3段階評価をうけます。この評価が乙なら2を、甲なら4を提出した脅威度に掛けてください。


●⑦判定結果の確定とハプニングの発生

「達成値」が「難易度×4」以上であるとき、判定は成功です。

「達成値」が「難易度×1」を出せば膠着状態。状況は更新されますが、判定は次の機会に持ち越されます。

「達成値」が「難易度×1」より小さいとき、判定は失敗です。「失敗した場合」の結果が設定に適用されます。


●⑧確定結果のフィックス

ゲームマスターは、判定の結果を踏まえ、判定におけるアクションがどのようになったかを想像し、プレイヤーに情景を説明します。この情景がゲームマスター・プレイヤー間に共有されたことをもって、判定は終了です。


■特徴の消費

一度使用した特徴は使用済みになり、その時のミッション(ゲームの区切りです。シナリオで言うシーンだ、と思って構いません)が終了するまで回復しません。ただし、例外的に、ゲームマスターの指示によって特徴が回復する場合もあります。その際はゲームマスターの指示に従って下さい。


■判定失敗時のダメージと「死亡からの軽率な回復」について

このゲームでは、いわゆるよくあるRPGのようなヒットポイントと言う概念はありません。判定に勝利したと言う事はすなわち「完勝」したことを表します。相手に完勝を許した側と言うのは、何をされても仕方ありません。というわけで、判定に勝利した側は、相手の状況を、プレイヤーとゲームマスターが共有する常識の範囲内で、自由に設定することができます。自由な設定の例としては、戦闘不能になった、名医が死亡を確認した。などです。ただしこれは、プレイヤー対プレイヤーによる、喧嘩をするためにあるルールではありません。前述のように、相手の設定を勝手にいじる事はなるべく避けましょう。ゲームだからこそ、ハラスメントにならないような言動を心がけましょう。

なお、本ゲームでは例外的に、死亡に関するキャラクター設定は軽率に撤回される場合があります。この処理はゲーム終了後のアフターゲームで行われます。


■アクティブランク制について

複数人が入り混じった競争の場合、先に動くのが誰かによって勝敗は大きく変わります。これをうまくゲームに落とし込むために、このゲームでは、アクティブランク制と言う行動順管理制度を用います。

アクティブランク制とは、プレイヤーが操るものに対して、その速度からアクティブランク(AR)と言う順序の値を設定し、ゲーム内の行動順番を揃えるのに用いる、という方式です。アクティブランクは、プレイヤーが操るものの速度をメートル毎秒値で揃え、揃えた速度の値をもとに隣のページに記載された表を参照して設定します。


■アクティブランク制運用ルール

アクティブランクを用いるときは以下のルールに従ってください。

・行動順は常にアクティブランクの大きい方から行動します。

・1回の判定を行うのには、3アクティブランクを消耗します。

・1回の判定ではアクティブランクが同値からマイナス6の範囲にあるものまでしか、判定対象に選ぶことができません。


●アクティブランクが同一の相手への攻撃について(お互いに同時攻撃)

同一のアクティブランクを持つ相手に対して攻撃を仕掛けたとき、相手は同時攻撃を選ばなくてはいけません。この時相手は拘束され、判定発生により、攻撃した側、された側の双方ともアクティブランクが3消費されます。


●アクティブランクが異なる相手への攻撃について(攻撃と防御)

アクティブランクがより大きい相手からの攻撃の時、攻撃を受けた側は同時攻撃ではなく防御行為を行います。防御行為では防御や回避に関係する特徴やアイテムを提出し、脅威度を算出します。

もし仮に、防御行為において攻撃を受けた側が判定成功したとしても、結果は「ダメージは無かった」のみになります。

判定が発生しているため、やはり攻撃した側、された側の双方ともアクティブランクが3消費されます。


●アクティブランクを下げる行為について

自分のアクティブランクは任意で下げる(=速度を落とす)こともできます。ただし、飛行機などの不安定な乗り物は最低ARが定められており、不安定な乗り物は最低ARを割り込むことができません。

もし割り込んだ場合、飛行機であれば墜落するでしょう。不安定な乗り物の最低ARは元のAR値-6です。


●人間のアクティブランクは初期値3

聖拳闘士(デウスフィスタ)といえど人間であれば、アクティブランクの初期値は3です。ただし、加護を使った際の数値2倍化には、アクティブランクの値も含まれます。