最後に、実際のATLASデータを用いてZボソンの質量を再構成してみましょう。
1. まずは
を満たす電子が2つ以上ある事象のみ選びます。
2. pTが最も高い2つの電子の4元運動量を用いてZ粒子の不変質量を定義します。
3. 計算したZボソンの質量をhistogramにfillします。
util/testRun.cxxの中で、最初の500イベントしか見ないことを指定しているので、500を-1に変更して全イベントを見るようにします。だいたい20分くらいで全イベント回せるはず。たった数時間で取った1ラン分(積分ルミノシティ~25/pb)のデータですが、Z->ee事象はどれくらい発見できましたか?
13TeVでのZ→eeの生成断面積は、およそ2nbです。得られた事象数はそれと比べてどうですか?
余裕があればZ→μμも見てみましょう。
データの場合ミューオンの運動量補正は必要ありません(MCはデータに合わせるために補正します)が、MuonMomentumCorrectionsツールの中で必要な変数を定義したりしているので、インストールしてapplyCorrectionsをかけてください。
https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/AtlasProtected/MCPAnalysisGuidelinesMC15
ミューオンも、バックグラウンドを落とすため内部飛跡検出器やミューオン検出器の情報を組み合わせてクォリティの高いモノのみ使います。(電子ほどはジェットを間違えやすくないので、likelihoodなどの複雑なテクは用いず、いくつかの変数にカットをいれるだけですが)
MuonSelectorToolsを使います。https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/Atlas/MuonSelectionTool
Wikiから情報をゲットして自分でインストールしてみよう!
あとは電子のときと同じように事象選別して、質量を計算してみてください。
1. まず
を満たすミューオンが2つある事象のみ選択
2. pTが最も高い2つの電子の4元運動量を用いてZ粒子の不変質量を定義します。
3. 計算したZボソンの質量をhistogramにfillします。