(D)xAOD解析
東京大学 2016年12月27日
東京大学 2016年12月27日
このページは以下のATLASチュートリアルを元にしています。
https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/AtlasComputing/SoftwareTutorialxAODAnalysisInROOT
ATLAS実験では、AODと呼ばれるファイルに物理解析用のデータが保存されます。LHC-Run1ではAODはAthenaでしかアクセスすることが出来ませんでしたが、LHC-Run2ではROOTでも解析出来るようになりました。その際、AODのことをxAODと呼ぶようになりました。実際のデータ解析はこのxAODを用いて行うわけですが、膨大な衝突データの全てを見るのはサイズがデカすぎて不便です。そこで、 DerivationFramework でxAODに対して簡単な事象選別を行い、サイズを減らしたDxAODと呼ばれるファイルを用います。DxAODのフォーマットはxAODと全く同じです。xAODを読む framework で DxAODも読み込めるということです。
xAODからDxAODに変換する際、簡単なバグ修正やエネルギー較正のアップデートなどを DerivationFramework を走らせるだけで行え、コンピュータリソースの節約をすることができます。したがって、Derivation前のxAODを直で読みにいくことはあまり推奨されていません。解析の際はDerivationFramework のバージョンを常に確認する必要があります。そうした情報は以下のページにまとまっています。
DxAOD が作られるまでに検出器で得られた信号は物理的に意味のある変数(運動量など)に変換されます。その際に種々の較正がかけられているのですが、全てを完璧にチューニングする事はできません。さらに詳細な較正を解析レベルで行います。また、MCシミュレーションが常に完璧でははないため、検出効率、運動量スケール、分解能といったパラメータの実データとのズレを補正する必要があります。Combined Perforamce(CP)グループがこれらの解析に対して推奨ツールを用意しており、CP toolと呼びます。 ROOTを用いる場合に、これらCP toolのチェックアウトやコンパイル、解析用のパッケージの生成などを行うビルドシステムが RootCore です。
https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/AtlasComputing/RootCore?redirectedfrom=Atlas.RootCore
このチュートリアルでは以下の内容を実際に手を動かしながら覚えていきます: