英国のダンスに関する書籍に書かれていた、スタンダード種目における基本的な事項を引用します。
書籍の出所は末尾に記載していますが、その本には図解がありませんでしたので、写真、動画などを見つけたら追加していきます。
なおクローズドポジションにおける基本の形を(ほぼ男性の正面に女性が正対する形)と記載しているところは、現代の競技用スタイルとは若干異なっていますので、注意が必要です。
■ バランス
最も大切なルールは、前進では足をまっすぐ出すこと。パートナーの足の外側に踏み出そうとしないことです。後退する時も同じように、目に見えない線上を歩くイメージを持ってください。
良いバランスは正しく歩く練習から生まれます。たとえば道を歩いているとしましょう。足を前方に出し、その次に体を持っていく---あなたはこういう動きをしていないと思いますが、ダンスでも同じです。あなたの体を運んで行き、その体に足がついて行くのです。後退でも、後退する足のトウから後ろにステップし、前足を使いながら体重を徐々に後方へ移動させます。次の足に後退するのはその後です。動きをコントロールするとバランスが良くなります。それはダンスが上達するにつれさらに良くなって行きます。
■ 頭
多くの人たちは頭の重要性に気づいていません。男女どちらもです。ほとんどの人は下を見る傾向があり、それをすると、カップルとしての外見が悪くなるだけではなく、あるべきバランスを壊してしまいます。なぜなら、頭部は他のどの部分よりも重いからです。顔を上げ、顎を自然に保ちましょう。視線をあるべき高さにしておくのもよい考えです。男性の顔は、女性の右肩越しにまっすぐ前方を見るところに置き、女性は男性の右肩越しに見るようにします。
■ ボディ(上体)
硬く見える人、コントロールが効かない人を多く見かけます。硬く見えるのは、ボディを自然に上げておけば良いところで筋肉を緊張させ、ボディの代わりに肩を上げたり胸を張り出しています。逆に落ちてしまった肩、たるんだ腕、締りのないお腹の筋肉をしているとコントロールが効かないように見えます。両腕両肘は肩を上げずに持ち上げておきます。女性は腕で男性を押し下げたり、つかまったりして男性に依存してはいけません。女性の左手は男性の上腕に軽く置き、指はきれいにそろえておきます。からだ全体をコントロールするのが横隔膜筋にあると考えると良いでしょう。
■ 脚
ボディに関する誤りは脚に関する誤りにも当てはまります。つまり、必要以上に筋肉を緊張させたり、コントロールが効かなかったりすることです。脚は腰から自由に動かします。膝からではありません。どの一歩でも自然に床を捕まえられるリラックスした動きを使います。
すべての英国スタイルでの話ですが、動くスペースがあって両足をいっぱいに開いたとき、膝が最大限に伸びていますが硬直はさせません。そして移動する足に体重が乗った時にわずかにリラックスさせます。
■ 足
バランスのところで述べましたが、両足は真っ直ぐにします。つま先を外に向けるのは初心者に見られる共通の間違いです。こうした傾向を修正するには、道を歩くときはいつでも正しく歩く練習をしてください。正しく歩けるようになると、かなり上手に踊れるようになるでしょう。ダンスでは前進でも後退でも、足と足がすれ違う感じを試してください。
正しい足首の使い方も大切です。前進する足がいっぱいに開こうとするとき、後ろ足の足首を伸ばし、トウだけが床についているようにします。ボールではありません。そうしてから、前進する足のポジションが決まります。
■ リード
かなり勉強している男性でも、多<の人はパートナーから「私をリードして<れないわ」と苦情を受けます。男性はフィガーをマスターし、アマルガメーションをマスターしない限りリードに集中できません。そうした事ができるようになつて初めて、パートナーが安心してついてきて<れるようなリードができますから、パートナーは次に何がくるか勘を働かさな<て済みます。いっぽう男性は、女性が予想で動いたり、女性に連れて行かれたりするようなことを決して許してはいけません。
男性は確固たる決意をもつてします。たとえ、間違っていても、躊躇するより自信を持って動<方が良いのです。間違えても女性は大体ついてきますので、転んだりする事はないでしょう。実際のところ、上手にリードすれば、彼女はあなたの間違えに気づかないかも知れません。
次にステップする方向をボディや脚で示しますが、男性は右手も上手に使つて女性をリードします (ラテンではしばしば両手のリードがあるので違いますが )。 男性がバートナーに基本の形 (ほぼ男性の正面に女性が正対する形)のままいて欲しいときは、女性の背中にあてた右手(自然に丸めている)を通して圧力をかけます。女性を男性の外側にステップさせようとするとき、男性は右指に少し圧力をかけて使いますし、女性をプロムナード・ポジション (これは、カツプルが扇のようにV字に開き、男性の右側が女性の左側と接した、あるいは、近くにある形)に リードするときは、右手の付け根部分に圧力をかけます。再び正面に戻すには 、男性はやはり指に力をかけて使います。こうした事も、しばら<練習を繰り返していると自然にできるようになるでしよう。
■ 音楽
本書で取り上げる種目には、それぞれ異なる拍子、テンポ、リズムの音楽が使われます。ここで、音が取れない初心者に対してちょっとしたアドバイスをしましよう。まず動き出す前に音楽を良<聞くこと。最低 1小節、あるいは、それ以上の小節数を自分自身で数えます。ここで急ぐ必要はまったくありません。次に、動き始めようとする足の上を体重が移動するのを確認します。左足から出なければいけないとか、右足から出なければいけないという決まりはありません。男性は動き始める少し前に、出て行かない方の足に体重を乗せてはっきりさせておけば、どちらの足から出るかは重要な事ではありません。音を聞き取れるようになるため、音が取れる人にカウントを取ってもらいましよう。次に、自分自身で声を出してカウントを取り、それが体になじみ、考えな<ても音に合わせてカウントが取れるようになるまで練習して<ださい。音を外し、しかもそれに気づいていないカツプルを見かけるのは 決して稀なことではありません。そうしたことのないように、耳の訓練をしてください。しばら<練習をすると、自然に音に合うようになるでしよう。
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出所
Modern Ballroom Dancing by Victor Sylvester
Copyright Ⓒ Victor Sylvester, 2005英国のダンスに関する書籍に書かれていた、スタンダード種目における基本的な事項を引用します。
書籍の出所は末尾に記載していますが、その本には図解がありませんでしたので、写真、動画などを見つけたら追加していきます。
なおクローズドポジションにおける基本の形を(ほぼ男性の正面に女性が正対する形)と記載しているところは、現代の競技用スタイルとは若干異なっていますので、注意が必要です。
■ バランス
最も大切なルールは、前進では足をまっすぐ出すこと。パートナーの足の外側に踏み出そうとしないことです。後退する時も同じように、目に見えない線上を歩くイメージを持ってください。
良いバランスは正しく歩く練習から生まれます。たとえば道を歩いているとしましょう。足を前方に出し、その次に体を持っていく---あなたはこういう動きをしていないと思いますが、ダンスでも同じです。あなたの体を運んで行き、その体に足がついて行くのです。後退でも、後退する足のトウから後ろにステップし、前足を使いながら体重を徐々に後方へ移動させます。次の足に後退するのはその後です。動きをコントロールするとバランスが良くなります。それはダンスが上達するにつれさらに良くなって行きます。
■ 頭
多くの人たちは頭の重要性に気づいていません。男女どちらもです。ほとんどの人は下を見る傾向があり、それをすると、カップルとしての外見が悪くなるだけではなく、あるべきバランスを壊してしまいます。なぜなら、頭部は他のどの部分よりも重いからです。顔を上げ、顎を自然に保ちましょう。視線をあるべき高さにしておくのもよい考えです。男性の顔は、女性の右肩越しにまっすぐ前方を見るところに置き、女性は男性の右肩越しに見るようにします。
■ ボディ(上体)
硬く見える人、コントロールが効かない人を多く見かけます。硬く見えるのは、ボディを自然に上げておけば良いところで筋肉を緊張させ、ボディの代わりに肩を上げたり胸を張り出しています。逆に落ちてしまった肩、たるんだ腕、締りのないお腹の筋肉をしているとコントロールが効かないように見えます。両腕両肘は肩を上げずに持ち上げておきます。女性は腕で男性を押し下げたり、つかまったりして男性に依存してはいけません。女性の左手は男性の上腕に軽く置き、指はきれいにそろえておきます。からだ全体をコントロールするのが横隔膜筋にあると考えると良いでしょう。
■ 脚
ボディに関する誤りは脚に関する誤りにも当てはまります。つまり、必要以上に筋肉を緊張させたり、コントロールが効かなかったりすることです。脚は腰から自由に動かします。膝からではありません。どの一歩でも自然に床を捕まえられるリラックスした動きを使います。
すべての英国スタイルでの話ですが、動くスペースがあって両足をいっぱいに開いたとき、膝が最大限に伸びていますが硬直はさせません。そして移動する足に体重が乗った時にわずかにリラックスさせます。
■ 足
バランスのところで述べましたが、両足は真っ直ぐにします。つま先を外に向けるのは初心者に見られる共通の間違いです。こうした傾向を修正するには、道を歩くときはいつでも正しく歩く練習をしてください。正しく歩けるようになると、かなり上手に踊れるようになるでしょう。ダンスでは前進でも後退でも、足と足がすれ違う感じを試してください。
正しい足首の使い方も大切です。前進する足がいっぱいに開こうとするとき、後ろ足の足首を伸ばし、トウだけが床についているようにします。ボールではありません。そうしてから、前進する足のポジションが決まります。
■ リード
かなり勉強している男性でも、多<の人はパートナーから「私をリードして<れないわ」と苦情を受けます。男性はフィガーをマスターし、アマルガメーションをマスターしない限りリードに集中できません。そうした事ができるようになつて初めて、パートナーが安心してついてきて<れるようなリードができますから、パートナーは次に何がくるか勘を働かさな<て済みます。いっぽう男性は、女性が予想で動いたり、女性に連れて行かれたりするようなことを決して許してはいけません。
男性は確固たる決意をもつてします。たとえ、間違っていても、躊躇するより自信を持って動<方が良いのです。間違えても女性は大体ついてきますので、転んだりする事はないでしょう。実際のところ、上手にリードすれば、彼女はあなたの間違えに気づかないかも知れません。
次にステップする方向をボディや脚で示しますが、男性は右手も上手に使つて女性をリードします (ラテンではしばしば両手のリードがあるので違いますが )。 男性がバートナーに基本の形 (ほぼ男性の正面に女性が正対する形)のままいて欲しいときは、女性の背中にあてた右手(自然に丸めている)を通して圧力をかけます。女性を男性の外側にステップさせようとするとき、男性は右指に少し圧力をかけて使いますし、女性をプロムナード・ポジション (これは、カツプルが扇のようにV字に開き、男性の右側が女性の左側と接した、あるいは、近くにある形)に リードするときは、右手の付け根部分に圧力をかけます。再び正面に戻すには 、男性はやはり指に力をかけて使います。こうした事も、しばら<練習を繰り返していると自然にできるようになるでしよう。
■ 音楽
本書で取り上げる種目には、それぞれ異なる拍子、テンポ、リズムの音楽が使われます。ここで、音が取れない初心者に対してちょっとしたアドバイスをしましよう。まず動き出す前に音楽を良<聞くこと。最低 1小節、あるいは、それ以上の小節数を自分自身で数えます。ここで急ぐ必要はまったくありません。次に、動き始めようとする足の上を体重が移動するのを確認します。左足から出なければいけないとか、右足から出なければいけないという決まりはありません。男性は動き始める少し前に、出て行かない方の足に体重を乗せてはっきりさせておけば、どちらの足から出るかは重要な事ではありません。音を聞き取れるようになるため、音が取れる人にカウントを取ってもらいましよう。次に、自分自身で声を出してカウントを取り、それが体になじみ、考えな<ても音に合わせてカウントが取れるようになるまで練習して<ださい。音を外し、しかもそれに気づいていないカツプルを見かけるのは 決して稀なことではありません。そうしたことのないように、耳の訓練をしてください。しばら<練習をすると、自然に音に合うようになるでしよう。
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出所
Modern Ballroom Dancing by Victor Sylvester
Copyright Ⓒ Victor Sylvester, 2005
このページでは姿勢に関する情報をまとめていきます。
Stance
ルッカ・バリッキ組のレクチャーの中のPart1 とPart2 で説明されています。
ここで説明しているStanceとはPosture(姿勢)とPoise(バランス)のコンビネーションを指しますので、ここにまとめました。
英語のレクチャーですが、Technique Lessons by Baricchi のPart1とPart2に日本語で要約をつけておきました。
(スタンス)
スタンス(立ち方) (*1)とは、ポスチャー(姿勢) (*2)とポイズ (*3)のコンビネーションです。
ポスチャーとポイズは違う概念です。
次にポスチャーとポイズの違いを説明します。
(男女共通の基本的なポスチャー)
ダンスではしばしばボデイーをストレッチすると言う言葉が使われますが、多くの場合、このストレッチと言う言葉は間違って使われています。
頭に入れておかなければならないのはストレッチすると言う事は伸ばすと言うアクションではなくて結果的に伸びたと言う事なのです。
すなわち ボデイーのストレッチとはボデイーをストレッチするのではなくて筋肉を収縮させた結果起きる現象なのです。
例えば伸ばした腕を上に曲げる運動を考えてみましょう。
腕の肘から先を上に曲げる運動は筋肉を伸ばすから腕が曲がるのではなくて腕の上側の筋肉を収縮させるから腕が曲がるのです。
逆に上げたひじから先を元に戻す場合は腕の下側の筋肉を収縮させる為に腕が伸びるのです。
「体の動きとは筋肉を延ばす事で起きる現象ではなくて、筋肉を収縮させることによって起きる現象なのです」
よくロングフロントと言われますがロングフロントを作る動作は背骨を縮める事でもないし、体のフロントの筋肉をストレッチすることでもないのです。
ロングフロントはMuscle of Back (背中の筋肉)を縮める事によって初めて得られる結果なのです。
グッドポスチャーはMuscle of Back (背中の筋肉)を縮める事によってのみ得られるものだと理解して下さい。
(男性固有のポスチャー)
Muscle of Back(背中の筋肉)を収縮させてグッドポスチャーを作った後の男性固有のポスチャーについて説明します。
シェイプを作る為に両腕を上げます。
この両腕を上げる動作は、肩の上部の筋肉を収縮させる事によって行われます。
この運動で両腕を上げることはできますが、両方のアームは十分伸びてはおらず、小さくまとまった状態となっています。
この小さなアームの伸びを大きくする為にさらに別な筋肉を収縮させる必要があります。
その筋肉は肩の上部から胸の前に繋がっている筋肉と肩の上部から肩甲骨の下に繋がっている体の後側の筋肉です。
(筋肉の名前は分からないので動画でバリッキが示している筋肉を参照してもらう必要があります)
この肩部の前・後の筋肉を収縮させることにより、アームをより大きくを伸ばす事(ストレッチする)が出来るのです。
この時、肩から両ひじまでの腕のシェイプはしっかりと保つことが必要ですが、両腕のひじから先は柔軟にそして自由に動かせるようにしておきます。
男性は肩から肘までのアームをしっかりと保つ必要がありますが、女性の場合はこの点が少し違います。
アームをストレッチする為の肩部前・後の筋肉の収縮は主として男性に要求される動作であり、女性にはこの筋肉の収縮はあまり要求されません。
何故ならばこのフレイムをしっかり保つのは男性に要求される事だからです。
いずれにしてもグッドポスチャーを作る為にはMuscle of Back(背中の筋肉)を収縮させなければなりません。
そしてこの事が、自然にロングヘッド、ロングネック、クリーン・ショルダー、ロングフロントを作ることになるのです。
そして又こうすることによって、力強く、しかし自由に体を動かすことができ、回転も自由にできる状態にすることができるのです。
(女性固有のポスチャー)
次に女性固有のポスチャーについて説明します。
先ず男性と同様にMuscle of Back(背中の筋肉)を縮めます。
そして女性のシェイプは左側に向けて作られます。
背中の筋肉を収縮させることにより、体の前部が伸びると同時に下半身をリラックスさせて床に対して押し下げ、肩の上部を少し左へrorateさせ、僅かにスウェイさせることにより自然に、ネックを左に向けます。
このスウェイは左側の脇の筋肉を僅かに収縮させることにより起きます。
Muscle of Back(背中の筋肉)を縮める以外は体の力を抜いてリラックスした状態を保ちます。
男女がそれぞれの正しいショートバック、ロングフロントのポスチャーを作り、組むことができれば、押し合う事なく自由で広く、そして大きなサークル状のフレイムを作ることができるのです。
いずれにしても男女共に筋肉がどのように動いているのかを理解する事がとても重要です。
この筋肉の動きを理解しないままに、人の姿を真似てみたり、人に言われ感じたままの真似をして筋肉を動かす事はより多くの問題を引き起こしてしまいます。
(ポイズ)
ポスチャーとポイズは明らかに違った概念です。
「ポイズとはポスチャーの床との関係なのです。」
良いポスチャーだけどポイズが悪いケースがしばしば見かけられます。
この事からもポスチャーとポイズは違うと言う事が御理解いただけると思います。
ポスチャーは筋肉の動きが伴いますが、ポイズは筋肉の動きとは全く関係がなく、足に対するボデイウェイトの位置だと言う事が言えます。
ポイズとはボデイーウェイトの位置と足との関係です。
またボデイーウェイトの角度と床との関係であるとも言えるのです。
tama注: ポイズの英語の意味は英語で理解するダンス用語 (ポイズ)を参照してください
二人の体を合わせる事により美しく正しい姿を作る為には良いポスチャーと良いポイズのコンビネイションがとても重要です。
女性が男性に対してポジショニングをした時、ボデイーウェイトを下側に押し下げスタンデイングレッグにボデイウェイトを乗せる事が大切です。
実際のウェイトは男性に与える感じですが少しスウェイをし、左側への回転は少し後方に向けて行われます。
しかしウェイトをヒールの上に乗せると男性に重さを与えることになり、重いとのクレイムを受けることになります。
あくまで女性の体のウェイトは体の少し前(ボールの上)におく事がとても大切なのです。