獨協医科大学先端医科学研究センター 行動神経科学研究室では、神経科学・実験心理学の手法を駆使した研究を実施しています。特に、『ヒト間相互作用』『認知機能障害』『非侵襲的脳刺激』の3つに着目した研究を行っています。特に生涯発達の各段階(幼児期・青年期・壮年期)で生じる様々な精神機能の問題について、生体機能計測・数理解析などの統合的アプローチによる原因解明と、新たな治療介入などの確立を一貫して研究しています。
獨協医科大学先端医科学研究センター 行動神経科学研究室では、神経科学・実験心理学の手法を駆使した研究を実施しています。特に、『ヒト間相互作用』『認知機能障害』『非侵襲的脳刺激』の3つに着目した研究を行っています。特に生涯発達の各段階(幼児期・青年期・壮年期)で生じる様々な精神機能の問題について、生体機能計測・数理解析などの統合的アプローチによる原因解明と、新たな治療介入などの確立を一貫して研究しています。
他者を認識し、共感する脳の仕組みの解明
無線通信網や遠隔コミュニケーションプラットフォームの発展で、私たちはリアルタイムで且つ相互的なコミュニケーションが可能になった一方、多くの人が、遠隔化が故の様々なコミュニケーションエラーを経験されていると思います。私たちは、このような現象の背景には、言語化可能な情報量だけでなく、視線・表情や仕草などの非言語情報を汲み取りにくいことがあると考えています。この仮定の元、私たちはコミュニケーションに関わる脳領域(例:ミラーニューロンなど)における脳血流や、内受容感覚処理に関わる神経機構に焦点を当てた研究を展開しています。また、人工知能によりヒトの行動を評価するシステムを用いた行動ベースでの研究を展開しています。これらの研究は解剖学講座 橘篤導 講師、東京大学 松尾朗子 先生、牧野麻奈絵 先生、東京科学大学 外谷弦太 先生との共同研究です。
加えて、最近は、生理計測が可能な独自のメタバース環境(PhysioHub:特願2023-189846)を構築し、Hyperscanningによる個体間同期の評価を可能にするシステムの開発を進めています(角・小堀. 日刊工業新聞ものづくり地域貢献賞受賞)。当該システムについては、遠隔医療への応用も期待されています。詳細は下記をご参照ください。
認知症・軽度認知機能障害に先行する運動機能低下の神経メカニズム解明
認知症は、記憶機能や様々な社会機能を著しく障害し、その介護を担う家族の負担を大きくしています。現在も、進行した認知症に対する有効な治療法はなく、進行初期ないし先行する軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)の状態での早期発見・加療が重要となります。近年、MCIには先行する歩行機能低下(Motoric Cognitive Risk: MCR)が存在することがわかり、このMCR状態を早期発見することができれば、さらに先行的な積極的治療につながります。本研究室では、1) 人工知能による歩行機能評価、2) 脳機能イメージング(NIRS)、3) 感覚誘発脳波、4) 認知機能計測を複合的に組み合わせることで、MCRの神経病態を解明し、さらには早期発見を促進するAIの実装へと繋げていくことを考えています。
スマートフォンを用いたTMSナビゲーションシステム
うつ病は、気分や意欲などの落ち込みにより、様々な身体・精神に失調をきたす病気で、学業や就業などを阻害することで、個人のみならず、社会に対しても大きな負担を与えています。うつ病は精神療法や薬物療法を併用する治療が一般的に行われますが、この中には、忍容性の問題、薬物反応性が低い患者などが含まれています。これらの患者の治療法として近年、磁気刺激治療が注目されています。磁気刺激治療では、コイルから発生する磁気により脳内を電気的に刺激し、うつ病に関わる脳領域の機能を整えることが期待されていますが、頭皮上から標的脳領域をどのように同定するかが問題になります。これに対し、我々はスマートフォンにより、刺激部位の脳部位を推定する新しいソフトウェアを開発し、現在、その精度を検証しています。脳領域の同定には、従来は、3Dカメラなどを用いた精密な制御が必要とされ、コスト面で臨床応用が困難でしたが、私たちの開発した技術ではこのコスト問題を一気に解決することができます(第8回栃木テックグランプリ最優秀賞受賞)。当該研究は、本学精神医学講座と東京都立産業技術高等専門学校 喜多村拓 先生との共同研究です。(右図は磁気刺激により誘発される運動誘発電位のマッピング画像)。
過去のプロジェクト
JKAデジタルツインプロジェクト(入江・小堀・角・ 橘)
本研究室では、メタバースを活用した遠隔医療の将来的な実現可能性を示すために、本学大学病院の3Dモデルの構築、遠隔医療を支える通信基盤技術(動作・バイタルなど)、院内サービスの遠隔化・ロボット化などの可能性検証を公益財団法人JKAの支援のもと実施しました。特に、動作の遠隔転送技術については、低遅延・低容量の独自フォーマットの開発に成功しました(角・小堀. 日刊工業新聞ものづくり地域貢献賞受賞)。現在は、それらのソースコードの公開に向けた準備を行っております。公開次第、本ページにGitHubのリンクを追加していきますので、ご参照ください。
Remote Motion Capture Protocol (RMCP) for Unity
Photon Cloud(Photon Unity Networking: PUN2)を利用したリアルタイム3次元動作転送システムです。基本的にはUnity pluginのあるモーションキャプチャシステムは一部例外を除き利用可能です(但し、Port 5000番台を使用するモーションキャプチャについてはバグ報告があります)。利用のためには、Photon App IDを取得する必要があります。詳細な仕様について下記リンクのpreprintをご参照ください。
ソースコード:GitHub(外部サイトに移動します)
プレプリント:Jxiv